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2015年07月18日20:53

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デフレカルト

■「新国立見直しはパフォーマンス」 民主・安住氏
(朝日新聞デジタル - 07月18日 17:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3523417

 そもそも「新国立見直し」の背景はどうだったかおさらいしてみよう。

 このmixiでも取り上げられているが、朝日新聞社の朝日デジタルの記事だと次のように書かれている。

 
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 首相官邸で記者団に語った。新国立競技場の建設計画は総工費が当初と比べて2倍近くに膨らみ、批判が相次いでいた。安倍首相は、こうした状況から約1カ月前から計画の見直しを検討していたと説明。

その上で「コストを抑え、現実的にベストな計画を作る」とし、下村博文文部科学相と遠藤利明五輪担当相に新たな計画作りに取りかかるよう指示したと述べた。


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 特に見逃せないのは、次の部分だと思う。

> 総工費が当初と比較して2倍に膨らみ、批判が相次いでいた。

 今までの言説、意見から、安倍政権にしても、舛添東京都知事にしても、経済効果狙いなのは否定していない。

 今の日本の経済状態、財政状態はどうなのか?

 消費税増税という「物価の強制引き上げ」を行なったが、依然として、消費者物価指数の原油などを除いたコアコアCPIも6月の段階ではマイナスを向いたままだ。つまり実質的にまだデフレである。

 デフレ経済とは需要が不足している経済のことを指す。

 日本の公的債務が1千兆円を越えたことを指し、ギリシャと比較する経済学者(多分に大増税無くして、財政再建無しと考える財務省の御用学者たち)も出現した。しかしギリシャと日本とでは中身が異なる。

 
 ギリシャ:外貨建て、ギリシャ国債を買っているのは外国人(特にドイツ)。、しかも高金利。対外純資産は皆無。

 日本:1985年以降、100%円建て、94%が日本人もしくは機関投資家。しかも低金利。対外純資産は300兆円以上。

 この状態ではハイパーインフレなど発生しない。増税も必要無し。日銀に国債を買い取らせればそれでおしまいである。実際、ひとり当たりの借金というマスコミが大好きな言葉だが、それは2013年度は900万円だったのに対し、2014年度は830万円に減っている。

 この70万円はどこに行ったのか?

 減った原因は日銀が買い取り金額を増やしたからだ。マスコミに四の五の言われなくても日銀はやっている。

 日本と酷似した状態だった国が近代にあった。イギリスである。

 イギリスはナポレオン戦争時、どうだったのか?

 低金利、デフレ、公的債務のGDP比は288%、イギリス国債の購入者の大半がイギリス人かイギリスの機関投資家。

 しかしイギリスは大増税などしていない。ナポレオン戦争という「需要の塊」で財政出動を盛んにおこない、公的債務を返済し切った。

 いや

 GDPの成長するスピード > 公的債務が積み上げるスピード

 だったという方が正しい。


 話を日本に戻そう。

>総工費が当初の見積もりの倍だったことへの批判

 とあるが、こうした日本の財政・経済状況を考えれば、止める必要など全く無いことが分かる。寧ろデフレ経済期は政府以外は皆こぞって借金返済か、無借金を好むようになる。それはそれで正しいのだが、皆がそうなってしまったら、需要は激減せざるを得ない。

 となると、政府や東京都しかおカネを使う事が出来ないのである。
 
 東京都はおカネが無いのかといえば、そんなことはない。財政難に備えてプールしてあるおカネが1兆円は優に超えており、これを使えば、止める必要など無かった。

 民主党はパフォーマンスだと批判したが、当の民主党とて経済政策は褒められたものではない。前回の選挙で公共事業を減らせと言っていた時点で、デフレ経済期にすべきことではないと思ったものだったが、財務省の「大増税無くして財政再建なし」という洗脳が強烈に浸透していることを受けたパフォーマンスだという点では確かに否定出来ない。

 日本の公的債務の内訳を見れば、大半は赤字国債で、建設国債ではない。

 折角次は何時やって来るか分からないほどの需要が湧いて来ているのだから、さっさと建設国債を発行すれば良い話だったのである。

 今の政権はパイの分け前(GDP)を増やすことなく、歳出削減が優先。余程デフレが好きなのかと思わざるを得ない。ここまで来ると最早デフレカルトだな、そう感じてしまう。

 


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