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2015年07月11日02:53

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出てきた焼酎を飲んで思い出したことども



2015年 7月 7日 (火)

夜中にテレビのドイツ、オランダ、ベルギー、イギリスなどのチャンネルでギリシャの財政再建が自力で出来るか、EU とギリシャの責任のなすり合いの末、負債をなんとか取戻し、ギリシャがロシアや中国の甘い誘いに乗らないようなことも視野に入れドイツとフランスの辛抱がどれまで続くか、その合間を縫ってヨーロッパ・グループの議長でありオランダ財務大臣である切れ者のクールなコメントを卒のない英語で記者団の前で話ているのを見ていると、それではアメリカがじっくり日本の首相の手際を後ろで腕を組んで眺めている中での安保問題が過熱している政局で忘れがられていそうな日本の膨大な借金をどうするのか、経済が比較的安定しているからギリシャのようには行かないと思うものの、けれど所詮やってることは若者労働者諸君と老人・弱者に負担をを押し付ける構図は基本的には変わらず、結局忘れることでその場をしのぐ国柄だからとパスポートはハーグ大使館発行そのままながら日本国の事情はほぼ他人事のように思えてくる。 しかし、ここでギリシャ危機を観て「人の振り見てわが振り直せ」というような古臭い諺が頭に浮かんでも人の振りが見えない遠隔の彼の地の人たちにはそんな諺は精々今の若者がファッションでしか使わないようなものだろうとも想像し気分が滅入りそうになる。

戦争・安保と言えばそれを沖縄に押し付けてきた国である。 自分が今済む国では戦争は昔から連綿として日常にあり、単に怖い、駄目だ、平和、武器を捨てろ、というようなだれにでも分かるようなそこから先にはほぼ判断停止の幼児語もどきでは済まない歴史の中で生きている。 そんな環境では戦後日本で能天気に学生運動をやってきたという大部分の我々の世代は信用できない、というより社畜ではあっても日本の男が世界では子供とみなされてきてそれが今の若い者の幼児性に極まることに帰結するのは道理である。 そんな我々の世代が70年代、80年代に酔い浮かれ能天気に今の日本を造ってきたのだから今の、おじいちゃんがんばるよと意地を見せている日本国首相の甘えを許す国民性にも分からなくはないけれどため息が出る。  ここにも今のギリシャとの相似をみる。 シャカリキになっているギリシャの首相のEUに対してNOといおう、という自己破壊に向けてのメッセージにも国民には徐々に懐疑・反発の勢力が増えているものの先のレファレンダムには被害者意識の強い国民がNOと言った。 なすすべを知らない元首にクールなヨーロッパ勢がこのチキン・ゲームにそろそろ堪忍袋の緒に手をかけようかと構えている現在、日本国首相の人気もそんな風になってきているようだと遠くから聞こえてくる。 

ヨーロッパに住んでいてギリシャ危機は他人事ではないのは為替に影響しているからでもある。 EU内から出なければユーロが使えるボーダーあたりの国に行けば随分物が安く買えるし今の時期、現金を掴んでギリシャの観光地に行って喜ばれるからと夏休みをエンジョイしている連中ものいることはいるけれど一旦外に出るとなればユーロを換金せねばならず大陸には寄り付かないイギリスに行くとなると半年前に比べると不利になる。 けれどこちらは福沢諭吉先生がありそれをエリザベス女王に替える算段をあと3週間ほどの間にしなければならないのだからそれをするとユーロの不利を少しはカバーできるのかもしれないと取らぬ狸のなんとかも頭をよぎる。 ケンブリッジの近くの村にある知人の80歳かのパーティーに呼ばれていてそのついでに一週間ぐらいケンブリッジから150kmぐらい離れた北海に面した海岸辺りを息子が運転する小さなフィアットにテントを積んで3人で廻ってこようと算段しているからだ。 ヨーロッパ周縁国のわけのわからない現地言葉にドイツ語やフランス語なら通じるものを英語で押し通すようなことでは若者には通じるけれど肝心の話したい年寄りには通じないということがあることを経験しているからイギリスに行けば安心する。 言葉が通じると言うのは心休まることである。

そんな面倒なヨーロッパのことは置いておいてこんな夜中に誰も見ないようなショッピングとポルノまがいの宣伝ばかりの民放を避けて罪のないコメディーチャンネルで笑おうとザップするとこれも罪もない Family Guy のグリフィン一家が出てきてヘラヘラと笑え、暫し肩の力が抜けるからいい。 さて、何かアルコールをとみると昨日と同じく今の時間にショットでやるような酒は皆自室の屋根裏部屋で下にはどこにもない。 台所に行き調味料の液体ばかりある棚を眺めていると奥の隅にいつのものか分からない焼酎のサンプルがあった。 家人が何かに使ったのか封は切ってある。 焼酎は、オランダが原種のジェネーバから派生したジンと同じようなものでアルコール度も30%あたりで同じようなものだからこれはいいと摘まんでラベルを見る。

宝焼酎 純 そのあとに、このショーチューはリカーのマスター・ピースである、というような英語が筆記体で書かれていて 20 焼酎甲類  酒質見本  容量50ml アルコール分20% と続く。  裏にはレーザーで焼き付けたような SURKRB に続いて 宝酒造株式会社 京都市伏見区竹中町609 とある。

焼酎と言うのを意識して飲むのはこの5,6年だろうか。 日本に帰省して友人たちと飲むといろいろ出てくる。 日本酒と同じように皆御託を並べ芋だ、麦だ、蕎麦だと自分の分からないことを言いながら冷やしたり湯で割ったりして飲んでいる。 35年も日本にいないのだから80年代からの焼酎ブームも知らないしそんなものは飲んだことがなかったから郷に入れば郷に従えで出されるものを飲んでいると黒なんとかが口に合って土産に持って帰ってくることもしていた。 けれど自分の家に戻ると自然と日頃の習慣のジェネーバに自然と手が出て、 だからこれもそんなものだろうと期待して25ccほどしかない 純 の小瓶を開けて口が鼻の中に入るほど近づけて匂いを嗅いでみるけれど微かに何か香るけれどその薄さにおどろいてこれは何だと数滴口に垂らしてみると予想したものではなく水っぽい。 だから一気に残りの壜半分を口の中に流し込み飲みグチュグチュと口の中を回して飲み込むのだが微かに香りのついた水ではないか。

このとき急に1969年の夏を思い出した。 浪人の身ながら農大生の友人に誘われて北海道の酪農農家に2週間住み込みで手伝い・アルバイトに出かけた。 旅費は自分で、向うでの生活費は全て向うもち、こちらは酪農農家を手伝い労賃は支払われずその代り2週間が過ぎたあとは2,3泊の温泉旅行が付いている、という触れ込みだった。 夜行で大阪から日本海側を通って青函連絡船に乗りつぎ帯広から南下して幸福とか大樹とかいう駅の近くの農家に行った。 駅前のパチンコ屋に入るのにガラス戸を両側に押し広げて入るのには笑った。 寒い夏で自分がいた間中雨が降って30頭ほどいる酪農農家の草刈、運搬が主な仕事のはずが牧草が根腐れなってその家の牧草は全滅、結局銀行から借りた借金を返せる目途が立たず牛を売り離農したとあとで聞いたのだが広大な牧草地から戻って達磨ストーブの傍で熱い茶を飲むのがホッとする夏だった。 朝飯は炊き立ての飯に搾りたての牛乳と砂糖をかけて喰うのには驚いた。 後年オランダに住むようになってこれがこちらで普通なのに納得した。 この北海道の酪農経験があったからオランダに来た時は楽だった。 それに帯広の南に行ったのも子供のころには自宅に3頭のホルスタインを飼っていたという経験があったから行ったのであって何も突然ということではなかった。 だから今思うと北海道は沖縄の南が普通の日本でないのとおなじように日本ではない。 暑い大阪から行って近くの農家の連中と町の焼肉屋に行き、ジンギスカンを喰う。 寒いからクーラーを止めてくれというとクーラーなどないと笑われた。 窓が煙を逃がす為に開けてあるだけだった。 観光で北海道に行ったことがないから分からないけれど梅雨がない北海道の素晴らしさはオランダに住んでいて分かる。 けれど北海道の冬はオランダより厳しいのではないかと想像する。 こちらは降雪もあまりなくシベリアの寒気団のようなものも無い分まだ大分穏やかなのではないかと想像する。 ここで焼酎の話に戻る。 農家の主人が我々をつれて距離のある隣家まで車であいさつ回りに行った。 そのときガラスのグラスになみなみと入った水を振る舞われる。 水だと思って口にするとそれは焼酎だった。 それは今の麦やイモ、蕎麦というような味のある焼酎ブームを経由したものではなく昔からの合成焼酎だったのだ。 それがそこのお茶代わりの接待だったのだ。 流石にそれを飲み干せずに大分残して次に廻り、次には手を付けないということをしたと記憶している。 それにこのような百姓が朝から強い酒を飲む、というのはノルマンディーでも経験している。  牧草地に囲まれた村のキャンプ地から朝早く野原に散歩に行った地元の小さなカフェで早朝の作業を終えた百姓がクロワッサンにコーヒー、そばに小さなしゃれたショットグラスにリンゴから造った蒸留酒のカルヴァドスを飲んでいるのだった。 

カルヴァドスには香りも味も付いているけれどこの酒質見本の小瓶に入った 宝焼酎 純 は帯広南部の農家で振る舞われた合成焼酎と同じく薄い香りのほぼ水のようなものだった。 ひょっとしたらこの焼酎は70年代のまだ焼酎ブームが来る前のもので4年ほど前に大阪のゴミ屋敷を整理した時にもってきたものの中に紛れていたのかもしれない。
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