女子の代表のレベルは男子で言えば中学生のトップレベルと同じだとどこかで聞いたことがある。だとしたら、ボクには馴染の深い市立船橋とか流経柏には到底かなわないと言うことだろう。
確かに高校の男子チームと練習試合をして負けているのをスポーツ紙で見た事がある。
それほど男女の差はスピードや体幹の強さなど根本的な部分に起因しているのかもしれない。
しかし、今日の試合でオーストラリアにはトップレベルの男子中学生にはないものがあった。それは高さだ。
かつての女子サッカーは背の高いほうが勝つと言われたほどロングボールを多用したサッカーが主流だった。しかし、それを打ち破ったのが日本だ。背の高いほうが圧倒的に有利であるバレーボールにおいても、回転レシーブやクイック、時間差攻撃など繰り返しの練習によって得られた阿吽の呼吸による戦術で世界を凌駕してきた日本は同様に女子サッカー界のバルサと世界が認めたパスサッカーの組織力で強豪の名を築いてきた。
前半は日本が優勢に進めたが互いに決定機はない。しかし、後半に入ると得点のにおいを感じさせたのは日本だった。
いつかは入るだろうと何度も得点のチャンスを潰すたびに思ったがそれでも時計はどんどん過ぎていく。延長かと覚悟を決めかけた後半の42分、途中出場の岩淵がゴール前のこぼれ球に反応してゴールを決めた。
すでに足が上がっていたオーストラリアにとってこの時間帯の失点は堪えたはずだ。もう、長いボールを蹴りこむだけのオーストラリアの反撃は、最後に沢を投入しチームを引き締めた日本にとって脅威ではなかった。
これでベスト4進出、5連勝での4強は日本だけである。すでに全員がピッチに立ち、合計7得点がすべて違う選手によるものであることが、日本の強さを物語っているのかもしれない。
女子の日本代表は中学生男子のトップチームと技術的には同じレベルなのかもしれないが、そこには決定的な違いがある。
それはなでしこジャパンに対する誇りとチーム全員の厚い信頼関係である。
2015年6月27日 女子ワールドカップ準々決勝
日本1−0オーストラリア(岩淵)
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