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2015年06月11日23:46

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ユーザー総ノンポリ化、大成功の象徴・日本仕様のカローラ

■カローラ半世紀、国内1000万台 単一車種、初の大台
(朝日新聞デジタル - 06月11日 08:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3460944


 日本車は今日、ひとつは信頼性とクオリティ、もうひとつはバリュー・フォー・マネー(お買い得度)の高さで、国際市場で主導権を取るまで成長した。

 車に思い入れのある人達はどの国でもそう多くは無いので、実用機能とお買い得度を追求することが成功の近道なのは疑いがない。

 日本の自動車メーカーはその道をひたすら突き進むことで、ごく短期間のうちにベンチマークとした欧州車を脅かすまでになった。

 しかし、である。

 そこに実は大きな落とし穴があったと言わざるを得ない。

 クルマに特別な思い入れが無い人達というのは経済的にも「中」の人達で、人数こそ多いが、高価な車も買わないし、高級車を中古でも買おうともしない人達で、クルマのファッションリーダーとしてもそれほど影響力がある人達とはいえない。

 正にカローラ、特に日本仕様のカローラはそういう人達にとてもよく受けた。その結果、この大記録を達成するに至った。

 トヨタのクルマは欧州仕様のトヨタ車と比較しても、とりわけ日本仕様車は故障が少ないのは勿論だが、乗り手のダイレクト感を削ぐようなドライブフィールが特色である。トヨタ車に慣れてしまうと、ボンネットを開けずとも、定期的に点検のお知らせが来るので済んでしまう。もうひとつは運転に面白みとかわくわく感が乏しいので、クルマに対する興味、関心を少しずつ削いでしまうものが多い。

 こういうメカにも全然興味が無い人達に車検ごとに新車購入を促すのがトヨタのやり方で、それが上手く行った為、これだけの記録が出来た。今や

 セリカ、レビン/トレノ、マークII、クレスタ、コロナ、カリーナ、アルテッツァ・・・。

 これらの車名は最早無い。クルマに何の思い入れもない人達に迎合し過ぎている証左である。名車になれそうな素質があったクルマの名すらどんどんカタログから落としてしまっている。
 
 しかし、豊田彰男社長は頻りに「イイクルマを作ろうよ」と言っている以上、この事態は何かおかしいことに気づき始めていると思う。

 日本のクルマ市場はそもそもどういう市場なのか、彼は気付いているはずである。

 これがアメリカだったらこういう売り方は正義と見做されるだろう。何しろ日本の面積の25倍もあり、人口が3億人もいる。アメリカではクルマに乗れないことには生活が出来ない。「下駄」なのだ。生活必需品であれば、「無事これ名馬」であり、面白さは別に無くたって生きていける。

 一方、欧米では比較的米国よりは鉄道網は発達しているし、航路も充実している。クルマは無くても生きていけない、という程ではない。その意味ではクルマはパーソナルな乗り物といえる。パーソナルとはどういうことかというと、好きなところに好きな時間に行ける、というクルマの利便性、
運転の楽しさを共に享受していて、それがクルマに対するバランスのとれた価値観にも繋がっているということだ。だからMT車が未だに売れる。タイトルに「日本仕様」と限ったのは、トヨタ車でも欧州仕様車では日本本国のと違い、退屈だけど、無事これ名馬ではないからである。

 日本市場はどちらなのか。

 欧米に限りなく近いといえる。寧ろ、欧米以上に鉄道網は発達しており、特に都会では生活必需品どころか、交通の便が良いのだから、経済的負担ばかりが目につく乗り物である。その意味では本来贅沢品とまでは言わないまでも、家の次に高い、特別な買い物には違いない。こういう市場では本来ならば、潜在需要を掘り起こすこと自体、大変なことだが、全く正反対のアメリカ向けと同じような手法で売り続けて来た。

 利潤を追求する企業の在り方としては間違ってはいなかったと思う。しかし、クルマが本来特別な買い物だったはずの日本で、ユーザー・ノンポリ化作戦が大成功したがゆえに、クルマ熱を冷ましてしまい、市場を低調化してしまったのはまぎれも無い事実だ。

 実際、クルマ好きをトヨタ車にとどめておくことはかなり難しい。

 偶には逆輸入車のカローラでもディーラーで販売したら良いと思う。以前限定車だったが、アベンシスワゴンを販売したことがあった。車幅こそ1800mmを越えているから日本では使いにくいが、ノアと同じ2Lのガソリンの直噴エンジンながら、とてもシャキッとしていた。同じトヨタ車かと思うと見違えるほどの出来だったのが印象的だった。これが250万円(当時、税込み)ならば、車庫さえ何とかなれば欲しいと思ったほどだ。

 今後は欧米では当たり前のパーソナルな使い方の楽しさを日本市場で伝えることがこれだけ大記録を創ったカローラの次なる課題ではないだろうか。
 
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