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2015年05月22日05:21

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プロヴァンスを歩く(3)2日目 Vitrolles en Luberon村 から Beaumont de Pertuis まで18km



2015年 5月2日 (土)

他のものがコーヒー、ジャム、焼きたてのバゲットでいつものように朝食を楽しんでいるのにこちらはグルテン抜きの食事でなければいけないからと賄の女性がオムレツを作ってくれそれを腹に入れて紅茶を飲んでから宿を出発した。 9時15分の快晴の空の下、地方道を縫って小道に沿って次の村、 la Bastide des Jourdans を目指し、そのまま登り坂を1時間ぐらい辿っていくと徐々に体に汗が染みだして高度700mほどの山を越すようになる。 前日の長い登り坂ほどではないものの大抵の宿泊する村は殆ど小さな丘の中腹若しくは谷の底にあって1日に2つ3つはこれぐらいの山登りをしたり越したり稜線伝いに歩くことになる。 問題は道の種類なのだがここまでは林道のような道が多かったから目印を注意深く探しながら歩くということをしなくてもよく、普通に森の中を歩くような楽な気分だった。 正午に村に着き他の3人は町の中心に一軒だけしかないパン屋でケーキを買ってその向かいにある一軒しかないカフェーに入ってコーヒーでそれを喰った。 こちらはそれができないから紅茶でオランダから持ってきたグルテン抜きのチョコレートバーを喰った。 カフェーには既に村の男たちがカウンターに凭れながら風船グラスでワインを飲みながら宝くじの様子を有線テレビで眺めていた。 これは大概のカフェーで見られる光景だ。 彼らの昼休みはのんびりしたものだ。 

村を出て斜面を上がり森を抜け村が目の下に見える頃見晴らしのいいブドウ畑の隅に日陰をみつけそこで昼食にした。 その後丘陵地を上がったり下がったりしながら地方道と時には交差しながらこの日の目的地 Beaumont de Pertuis に向かうのだが、昼にカフェーを出て小山に上りそこにあるチャペルのそばの道路標識の通り進んだら地図の方向と辻褄が合わなくなり、頼りのGRの赤白の標識も見えず、結局500mほど山を下りたところから元の標識のところまで引き返すということがあった。 それはどういう具合か標識のポールの角度が誤解を招くような方向に曲がっていたからで地図とコンパスで修正して間の道を50mほど行くと正しい標識があり、これによって時間と距離を約1km分無駄にしたことになる。 このようなことが全行程の中では何回かあった。 この場合は車の通るような細い道の場合であったけれどこれが山の中の道かどうかわからないところで起これば面倒なことにもなりかねない。 

比較的単調な行程を終え4時を過ぎて Beaumont de Pertuis村に着いた。 この日の宿舎は村からまだ1.5kmほど山を上がって村から大分離れたところにある一軒家のB&Bだ。 ベルギー人の夫婦が夏の間ここに逗留してベッドアンドブレックファーストを提供する形なのだが村にレストランも店もないからここで夕食、朝食付きとなっていた。 15mほどのプールもあって水温も28度まで温められていた。 それぞれの部屋に落ち着いてシャワーを浴びたあとバルコニーで飲み物と摘みでこのあたりの様子、主人夫婦がここに来た経緯などを聞くと、二人はベルギー人で、といってもフランス系ではなくオランダ系で体型も二人とも185cmはある大柄で、その性格、言動はフランス人のものではない。  夕食には主人のうちの一人が食卓に就き会話を進めながら食事をする、というのが形ではあるけれどここでは旦那が料理してかみさんがテーブルに就いて喋りまくるというのがフォーマットのようだった。 部屋、設備はいうこともなかったけれどこのホステスのかみさんの喋りには少々辟易するところもあったけれどこれも様々にあるB&Bの趣向でもある。 ベルギーにはフランス語圏とオランダ語に通じるフラマン語圏と文化・言語の垣根があってこの夫婦はフラマン語(オランダ語)を話すから我々にとっては普通に会話ができるのだがオランダ人とフレミッシュの違いは明らかで、フラマン語圏の歌曲のCDをバックにベルギー自慢をするのには出された食事は満足のいくものでも少々食傷気味にもなり、なまじ言葉が分かるものだから自国ベルギー自慢に力が入るのが少々鬱陶しかった。 ここに限らず様々なところでホテルではなくB&Bを利用すること当然そこの主人たちとある程度のコンタクト、会話は必須ではあってたまにはこういう人もいる。  悪意はなく全くの善意で一生懸命なのはわかるのだがこちらが疲れている時には少々対応に困る場合もありこの日は翌日が早いことを理由に早々に各自の部屋に退散した。 自分はベッドに入るとすぐ寝入ってしまって気づかなかったのだがプールに大きな蛙が紛れ込んで一晩中鳴き続けその声が周りに響き渡って開けてあった窓を閉めるほどだったと朝食のテーブルで聞いた。

翌朝のルートは夫婦の助言に従ってGRのルート通りではなく村に戻らずこのうちから直接山の反対側にまわり距離でいうと5kmほど短くなって予定のコースに合流するということにした。
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