ミント

ミントが庭に繁ってきた。　これまで何年か庭の隅に植わっていたけれど今年はちょっと株を増やして大きく育てるつもりのようだ。　ようだ、というのは自分は見たり眺めたりするだけで何もしないから庭は家人の領域である。　去年モロッコに旅行してそこでミント茶をよく飲みそれが自宅でできるのならと増やしたようだ。　それまでにはレモン風味のミントも植えていてそれは薬味には使っていた。　けれど同じミントといってもそれぞれ少しづつ香りが違いマラケッシュやエスワラのマーケットでは束にして山と積まれたミントをそれぞれ摘まんで指先ですりつぶし香りを試してそのたびに少しづつ違い、いろいろなものがあるのだと知った。　束をざくっと熱湯に浸し、というか束にしたものをティーポットに入れそのうえから熱湯をかけ暫く浸けておいて香りと味を出す。　マラケッシュの御菓子屋の主人に紅茶と合わせると旨いと聞いて試したらその通りで味に幅が出てそれからはミントの束と紅茶のバランスを楽しむようになった。

うちのものはもう少し伸びるまで待った方がよさそうだ。　それにミント茶にするにはかなりの量を使うから４，５人も一緒にミント茶にするとそんなことを２，３回もやれば無くなってしまうようでなるほどモロッコの店に山積みにしてあった訳が分かるようだ。　アイスクリームに添えるようなものなら一番先の小さな葉をちぎって使えばそれで済むのだが抽出するとなると話は別だ。