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2015年05月16日21:09

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プロヴァンスを歩く(1);出発




2015年 4月30日 

12時5分にスキポール空港からマルセイユに向けて飛ぶKLM機に間に合うためには朝7時に起床、近くのバス停から8時半のバスに乗り9時前の電車で20分ほどで空港駅に着けばあと2人、ハリーとヤープとの集合時間まで30分以上あった。  KLMのネットサイトでチェックインしてあったけれど荷物の搬入があるので出発2時間前には来なければならないのだ。 定刻に彼らが来て4人のうち男3人はリュックを荷物として放り込むけれど家人はサイズが機内持ち込みサイズギリギリだったのでそのまま担いだままセキュリーティーチェック・ゲートを通る。 我々がそれぞれウオーキングの際腰に付けたりポケットに入れてあるナイフは予めこのゲートを通らないドロップインの荷物に入れておかないと目の前で没収、廃棄となるのは昔経験済みである。 けれど緊急用のアドレナリン注射、薬品は手持ちのバッグに入れてあり透視カメラで検査されるけれど去年あたりから事前に連絡しなくてもよくなっているから楽にはなっている。 空の旅で一番面倒なのはこのセキュリティーチェックと待ち時間だ。 そこを抜けて靴を履き、ベルトを着け、トレーに散らばったポケットの中のものをまた詰め込み免税店が並ぶエリアに来ても何を買うでもなく、空いたところでコーヒーを飲み、持ち込みができなかったペットボトルの水を買いそれを手にぶらぶらした。 航空会社のベルトコンベヤーに乗せた自分の荷物は9.3kgだった。 

元養護師養成学校教師だったハリーは68歳で、定年してからもう5年になる。。 若い時は25kgほどのキャンプ道具一切合財を背負ってヨーロッパ中を歩き回っていて一昨年はオーストラリアを歩いている。 糖尿病もちだから一日に何回か血糖値を調べインシュリンを注射針で打つ。 185cmほどか。 元高校教師だったヤープは170cmほどで70歳。 この旅行を企画したリーダーである。 若い時から世界中を歩き地元のウオーキング・グループでも何度も大小徒歩旅行の幹事を務め経験十分の完璧主義者である。 ヤープの妹とハリーは夫婦であるからヤープとハリーは義兄弟である。 ヤープはプロヴァンスは何回も歩いているけれどこの地域、ルートは初めてで大きなグループにはもう飽きてきたので今回見知った4人で歩こうということにしたようだ。 今回はヨーロッパのルートGR9の部分を歩く。 尚、家人は既に彼らとは3度、1週間から10日程度、ノルマンディー、ブルターニュの海岸を歩いている。 今の時期はまだ暑くはなく徒歩旅行には最適なのだが自分には仕事が忙しい時期に重なり定年前には参加することができなく残念に思っていたから今回の旅行は待ちかねていたものだった。 自分には2週間も歩くのは初めてのことではっきりとした自信はなかったし不安要素もいくつかあったけれど何とかそれを潜り抜けてなんとかやり遂げて安堵している。 ハリーとヤープにこの旅行のための初めての顔合わせのために1月の終わりに25km歩いた時のことを下のように記している。

http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/64461847.html

ほぼ満席140人ばかりを積んだKLM機は定刻から10分ほど遅れて晴れ間の多い空港を後にした。 ロッテルダム港、ゼーランド州のミドルブルグや何年か前に2週間のバカンスで暮らしたフリッシンゲンなどがはっきり下に見えアントワープに来る頃には高度を上げて雲の上の青空の中に入った。 不味いサンドイッチが出されこれから最終日までアルコールを飲まずにおこうと決めているのでビールを断念し、これも不味い紅茶で我慢して夕食のことを考えながら昼飯にした。 そのうちエアバス300は高度を下げ地中海の縁に見えてきたマルセイユの町を回り込んでそこから離れた空港に着陸するようだった。 先ほど海岸に沿って小さく平行に2本の滑走路が遙か下に見えていて小さく見える飛行機がそこに向かって行くのが見えていたのだが自分たちもそれと同じように海に向かい、左に旋回しながらマルセイユを右に見ながら高度を下げて先ほどの小さな飛行機と同じルートを辿るようだった。

空港ターミナルを出ると温かった。 オランダは寒くはなかったけれど流石地中海の気候だ。 空気と光の量が違う。 駅までのバスの停留所を探すのと切符を買うのに手間取り、バスの待ち時間が長かったのでマルセイユの街まで行ってTGVに乗ってもメリットはなく近くの駅からアヴィニョンまで在来線で行くことにした。 1時間ほど電車に乗りアヴィニョンに着き駅横の街の古い城壁に沿ったバス停を探すにに手間取り、そのバス停に来ても目的のバスはなかなか来なかった。 30分ほど待っただろうか。 荷物をリムジンバスの腹に放り込み1時間以上バスに揺られただろうか7時前にアプトの町に着いた。 バス停の前にホテルはあった。 昔は鉄道の駅があったことは確かでホテルは古い駅舎の前にあり、駅舎は今は使われてはおらず線路も取り外されておりそこはバス専用の路線になっていた。  いずこも同じく経費がかさむ鉄道を廃止してローカルバス路線になっている。

一軒しかない駅前ホテルの最上級の部屋を与えられた。 二部屋の仕切りのないスイートで、我々夫婦はバルコニーのある窓側の部屋、ハリーとヤープはトイレ・シャワーのあるメインルームに収まった。 寂れた町の寂れたホテルで泊り客は我々だけのようだった。 表の看板には1人部屋55ユーロ、2人部屋55ユーロ、3人部屋75ユーロとあって我々の部屋は100ユーロだった。 もちろんクロワッサン、バゲットにバター、ジャム、オレンジジュースにコーヒーか紅茶の朝食付きである。 ヤープは事前にそれぞれの宿舎に自分はグルテン抜きの食事でないといけないことを言ってありここではグルテン抜きの柔らかいクラッカーが用意されていた。

シャワーを浴びた後一同前の通りを歩いて近くのレストランで地元料理を喰った。

突き出し; フォアグラのパテ、ビスケット

前菜; 鮭のムースにサラダ

本菜; スモーク・サーモンとパスタ入りのグラタン

デザート; コーヒー風味のアイスクリーム

コーヒー



7時半にレストランに入り食事に2時間以上かけ、旅の疲れもあるのでホテルに戻ると早々に皆明日からに備えてベッドに潜り込んだ。 10時だった。
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