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2015年03月08日23:16

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観た映画; The Daisy Chain (2008) ; March '15



The Daisy Chain (2009)



89分 

アイルランド映画

監督; Aislin Walsh

脚本; Lauren Mckenzy 



出演;

Samanth Morton    Martha

Steven Mackintosh   Thomas

Mhairi Anderson    Daisy

David Bladley     Sean




粗筋;
Martha, an emotionally fragile mother, who moves to a remote Irish village with her husband Tomas following the tragic death of their baby daughter. Whilst there, the couple decide to take in a disturbed and orphaned autistic girl called Daisy. Uncommunicative and greatly scarred by the violent death of her parents, Daisy gradually warms to her new surroundings. But, as a series of strange occurrences begin to be linked to the little girl, Martha and Tomas begin to hear rumors from the locals that Daisy might be something far more malevolent than she seems



日本の映画データベースに記述がないので IMDb サイトから引いた。

生活時間が変わってしまい夜遅くまで起きてはいられない。 このところ深夜映画を殆ど見ていないけれどたまたま夜も遅くなって久しぶりにイギリスBBCテレビを見ながら夜更かしをしていたらかかったホラー・スリラーが本作だった。 普段ホラーやスリラーは殆ど見ない。 怖いからだ。 けれど例えばホラーのクラシックである「テキサスチェインソーマサカー」などはげらげら笑いながら観る。 自分がその話の中にいたら怖くて逃げ回るけれど他人事として映画館で見るとあのドタバタ感が堪らなくおかしい。 けれど「リング」は恐ろしいから二度と見たくない。 といってもアメリカ版の二番煎じ続編などもみたけれどいくら元の画面が稚拙だといっても日本製のオリジナルにはかなわない。 本作はそういうホラーとは趣を異にする。 

面白くなければスイッチを切って寝ようと思いながら最後まで見てしまった。 ストーリーは特別に突拍子もない物語ではない。 ケレンもCGも特別なものは何もない。 オーソドックスといえばそうなのだけれど役者とアイルランドの田舎の風景に惹かれて見入った。 

臨月が近づいた画家を教師である夫がアイルランドの田舎、海岸の絶壁の近くにある一軒家に生まれてくる子供の部屋の壁紙も貼っておきちゃんと巣作りのお膳立てができたところに越してくるシーンで本作が始まり、我々にはもう大きい腹を抱えたサマンサ・モートンとイギリスではいろいろなシリーズで上手な脇役をするステーヴン・マッキントッシュがその家に入れば我々にはそれで何が起こりそうか大体の予測がつくというものだ。 そして突然窓ガラスを覗き込む不気味な少女の顔が映ればもう背筋にぞっとするものが走る。 小屋に住まわせられ自閉症気味でコミュニケーション障害ももつような薄汚れた少女に関わればそれからあとはどんな話が続かはただ我々はその流れに乗っていればいいだけの話だ。

地元の迷信と母親の愛に恵まれなかった少女とその行いに対すモートンの想いと母性的行動がマッキントッシュとの関係に浸食してくると物語はもう佳境に入る。 彼女は既に初めての子供を3か月で亡くしておりそのことも彼女の少女への傾倒に拍車をかけ、また情けをかけられた少女がモートンに傾けばそこはもう憑き物の世界でありアメリカ流の乾いたオカルトではなく普遍的な湿った領域の話として受け取れるだろう。 だから男は妻の母性を喚起させそれを貪る少女を自分の敵として脅威を抱き自分の妻、女に警告するものの徐々に妻を奪われる焦燥と男女の関係の危機を感じるのだ。 この構図は子供を持ったことのある若い父親なら多少とも若い母親、新生児との関係の中で陥る三角関係の捩れとして現れがちなものと相似形であるだろうからこの構図は物語のホラー性に現実感を与える要素として効果的ではあり時にはホラーでなくともドラマの要素として用いられるものである。

本作を見続けた理由は役者と風景だと書いた。 このような荒涼とした海岸の絶壁の近く、草が広がる景色の中に住む自分を想い想像の中で憧れが迫る。 ヨーロッパのあちこちの田舎を歩いたけれどフランス北部の海岸沿い、イギリスの田舎は独特な風景を持ち特に寒さと荒涼を感じさせるこのような風景に惹かれるからその中でどのような物語が紡がれようとついつい見入ってしまう傾向がある。 それに本作でのモートンが自分の見知った女性に顔かたち体型がそっくりだったことも見続けた理由になっている。 それは夜中に街角で突然ショーウインドウのマネキン人形を見たときのようなものかもしれない。 日本ではマネキンは大抵日本人離れしているから急に目の前に現れてもそれはただのモノとしてしか見えず驚きはしないけれどヨーロッパに住んでいて街角で急にマネキン人形に行き当たるとそれは実際の人々の凍りついたかたちであるから心の中は平静ではいられない。 ただマネキンのほうは本物の人間まがいではあるがその顔つきは普遍的であるから誰とは特定できないけれど本作でのモートンは自分の知り合いと瓜二つであるから驚きをもって見続けることとなったのだ。
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