mixiユーザー(id:125571)

2015年02月23日05:25

170 view

朝のルーティーン; 朝食



もう何日ぐらいだろうか、多分3、4週間ぐらいになるだろうか。 毎朝同じものを同じようにして喰っている。 朝起きて下に降りキッチンのオーブンを180℃にセットして湯沸しで1リットル弱の湯を沸かす。 オーブンのアラームが180℃になったと知らせてくれば大判のライ麦パンを二枚オーブンに放り込んで片側3分づつ焼く。 ポットにティーバッグを放り込み沸騰した湯を注ぎ濃い紅茶を淹れミルクティーにする。 300cc入る湯呑に2杯が朝食の茶の量だ。 焼いたトーストの一枚にバターを塗り、二つに切り、一つにはイチゴのジャムを塗る。 ジャムはスーパーで一番砂糖の含有量の少ないものを選んだ。 フランスの古くからあるジャムは旨いけれど100gあたり50gの砂糖が入っていて少々あますぎる。 だから100gあたり28gのものを見つけそれを使っている。 酸味が出てイチゴの風味が少ないけれど甘くなくイチゴの風味があるものを見つけるまでこのままでいく。 あとの半分にこのあいだ歩いて買いに行った地元の農家で作っているトリュフ入りのチーズを削いで乗せたもの、バターを塗っていないトーストの半分にセロリサラダと残り半分に同じく地元農家のクーミン、からし、そのほか何種類かのハーブを入れたチーズを乗せ辛子を塗ったもの、これがこの3週間ほど毎日口にする朝食だ。

ここ何年もまともに朝食など摂ったことはなかった。 それは朝起きなかったからだ。 昼前後に起きだして口にするのは昨夜の残り物か腹に重い食事だった。 それが朝9時をまわって起きだす習慣になったから自然と「朝食」を摂ることになり、今の形が決まったというわけだ。  日本から帰ってきた1月中旬以来、定年退職してからの4週間ほどか。

トーストにはこだわる。 焼いていない、もしくはパンの表面がカリカリでないものではなにか惨めな思いがする。 冷たく柔らかいパンの感触がそんな気持ちにさせるのだ。 贅沢を言っている。 トーストができなければ冷たいままでも我慢して喰う。 不満はいわない。 けれど出来ればそうするというだけの話で一日の初めをこういうふうに贅沢で始めたい。 

喰う順番がある。 濃くしたミルクティーを一口、そのあとイチゴジャムのトースト、これにはトーストの熱さで塗ったバターが溶けていなければならない。 その上に乗ったジャムとバターの味が朝の味になる。 バターがなければならないし溶けていなければならない。 次に口にするのが辛子を塗ったハーブ入りのチーズのトーストだ。 辛子には濾したスムースな辛子と辛子を潰してつぶつぶの粗びき辛子があるけれどスムースな方の辛子で有名なのはフランスのディジョン・マスタードである。 田舎風味のものは後者で自分はオランダ・グロニンゲンのまったりした粗びきを好む。 豚のステーキを焼く時にもこの粗びき辛子を最後に両側に塗って焼き、風味をつけのちにグレービーの下味にする。 日本には鬼ころしのような辛子があっておでんには付き物だがヨーロッパにはこのようなものがないから欧米の人間が西洋辛子をつける量をみて驚く日本人がいる。 それほど辛くもなく鼻にもぬけるような強さはない。 だから日本で人がおでんに辛子を塗るのをみた観光客が欧米と同じような量を塗ってそれを口にするのを見るのは密かな楽しみでもある。 自分はレストランのメニューにマスタード・スープがあれば大抵それを注文する。

今のところこれが朝のルーティーンで順番にしてもバター云々にしてもそれが旨いと思うからやっているわけでこれがどれだけ続くのか興味がある。 ほぼ一か月毎日同じことをやっていてこうなったというだけで気が変わって他の物に気が移るかもしれないしその可能性が大だけれども少なくとも明日もこれでいこうと思っている。

この日のテーブルには先週家に逗留していたイギリス人の造形作家がパリからフランスの田舎に出かけ、彼女の古い友人に自分で焼いた小さな陶器のカップを届けそこで楽しい思いをしたと書いた絵ハガキが来ていて乗っていた。  76になる彼女がバッグに忍ばせていたスコッチを先週味見した。 Laphroaig という銘柄で燻した樽の強い匂いが特徴的な旨いスコッチだった。 癖になりそうなものでそれをフランスの田舎に住んでいる小説家で美術評論家の John Berger という友人に味わさせてやる、といっていたのだが葉書には思ったとおりの反応だったと書いてあった。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年02月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728