今日の本棚402♪

「夢は枯れ野をかけめぐる」

西澤保彦
中央公論新社（中公文庫）


古本屋で購入。
連作短編ミステリィ、６話の短編が収められています。
解説は寺田結美氏（書店員）。

４８歳独身にして早期退職し、穏やかな日常を過ごす主人公のもとには、何故か不思議な相談や謎が呼び寄せられます。

全編通して語られるのは、今や誰にとっても他人事ではなくなった「老人問題」。
介護・孤独死・認知症…と、避けては通れない悩み事が、全ての謎の鍵となっています。
このテーマ、著者の作品にしては珍しいようですが…そういえば、あの作品も…。
ネタバレになってしまうのでタイトルは避けますが、意外と扱いたくなるテーマなのかもしれません。
重いテーマではありますが、ラストの台詞に、どこか諦めにも似た明るさを感じました。