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2014年12月16日20:51

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農作物の食害

 正午過ぎ、種子島から安納芋が届いた。ネット注文をしたのは約1カ月前だ。3日前に丁寧な発送通知メールが届いた時点で、すでに芋の甘さにも似た甘やかな気持ちになっていた。
 いまは自称農家を名乗る大学時代の友人に、お裾分けすることにもなっていた。彼と私はどんなにお互い否定し合っても思考と思想が似ているところがあって、私が芋に興味を持ったときには彼も芋に関心が行くというようなシンクロニシティがしばしばある。
 安納芋が詰まった段ボール箱を開いて中身を確認。そして友人に送るべく、小さな段ボール箱を探し始めた。まずは裏にある物置小屋。あったのは芋の入った段ボール箱より大きいものばかり。2階のパソコン室に昇って探してみたらデジカメの箱があって、容量がちょうどいい具合だ。これに決めた。
 階下のダイニングに戻って、芋をデジカメ箱に詰めてみた。これくらいでちょうどいい。
 恩着せがましい手紙でも書いてやれ、と思い、ふとバリケンネル(小さな小屋)に入っていたラズリを見た。というか、目があった。
 ラズリの目が私を向いている。
 いつもと違って、目が泳いでいる。
「おまえ、やったな」

 半信半疑ながらバリケンネルのそばに行ってみると、前足でなにかを隱そうとしている。
「ラズリ、おまえさ、芋食ってねえか、俺の芋を?」
 試しに前足を持ち上げてみたら、4分の3ほど食べ終わった安納芋の欠片がそこにあったのだった。ああ、なんてこった。3キロ3千円の高い芋だぞ。友だちに半分送ってやる芋だ。そんな貴重な芋を、知ってか知らずか食っちゃったんだぞ、ラアズリ〜。
 農家の人がイノシシや猿の食害で落胆する映像が秋になるとときどきテレビニュースの暇ネタで流れるが、こういう気持ちになるのね。
 それは、ラズリがうり坊に見えた瞬間だった。
 はぁ。
 気を取り直して、どうせなら芋を石油ストーブの上で焼いて食べてみよう。
 アルミホイルに包んで40分ほど。
 焼きたてはスーパーの店頭で売っている焼き芋より、遙かにねっとりとした甘さがあった。友人にそのことも手紙で触れ、「おまえが作ったさつま芋より美味かったぞ」と書き添えた。
 ラズリに食われたのはホント、痛かったなぁ。

 外は文字通り冷たい雨。はっぴぃえんどの「12月の雨」は寒々しい感じがないが、郵便局に向かう道は「ひとが行き交う」どころか人っ子一人いないし、水の匂いなんて空気がつんつんに冷えているためまったくない。凍てつく寒さ、なんて書くと、北国の人に申し訳ないが、雨が雪に変わってもおかしくないほど空気が冷たかった。
 普段は混んでいる郵便局も今日はがら空きだった。
 ラズリに食われたのはホント、痛恨のきわみだ。と、オレの頭はこればっか。
 郵便局から本屋、といういつも通りの歩き方。スーパーにも寄りたいところだが、寒さのせいで早々に引き返した。
 朝日の別刷りで紹介されていた『兵隊やくざ』をネットで探し出して、観た。……というのは正確じゃない。100分余りの尺の70分過ぎで、あまりに暴力シーンが多いため、自分向きではないことから挫折。昔から血が吹き飛ぶようなスプラッタ系、暴力シーンが多いヤクザ映画、およそ現実にはあり得ないようなホラーが苦手だったのだが、いよいよ凄惨なカットが多い映画が観られなくなってしまった。歳かな。もう私は戦争に行く気力と体力がないと思う。それ以上に、精神的に忌避感がある。
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