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2014年08月11日09:16

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【バレエ】清里フィールド・バレエ(8日) その2

清里は標高が約1200メートル、
気温は都心より7.2℃低いことになるから、
日が落ちると結構涼しい。

しかも8日は上空に寒波が入り(だから雨が降った)、
車載温度計によると終演時の気温は17℃だった。
今後フィールド・バレエをご覧になる方は、
防寒対策と雨具をお忘れなく。


去年の日記でも触れたとおり、
一昨年までは複数演目が上演されていたが、
昨年から1本に絞られた。
今年の演目は「白鳥の湖」、今村・川口2014年版。

ここの「白鳥」はもともと短縮版で、
(10時終演を目標にしているようだ)
以前観た時は1幕1場が省略されていた。

手っ取り早い短縮方法だが、
いきなりオデット登場というのも風情がない、
と思っていたら、今年の改訂版には、
短いながらも1場があった。

群舞も短く、トロワもなしだが、
お后さまと家庭教師、道化が登場し、
凹む王子は家庭教師の発案で、
仲間とともに夜の狩りに出立する。

家庭教師は牧の佐藤崇有貴さん。
上品であれば、若い教師というのもアリかもしれない。
道化はシャンブルの土方一生さん。
シャープで正確な動きは、出番がほとんどないのが惜しくなる。

雨で開演が遅れた時は、短縮版のさらに短縮版になる、
というのはブログに書いてあったから、覚悟はしていたが、
2場以降は、かなり大胆にはしょられていた。(笑)
機会があれば、本来のバージョンを観てみたいものだ。

1幕2場の湖畔場面では、
舞台センターの奥に、岩山のような塊がある。
これが徐々に上昇し、頂に照明が当たると、
そこにはロットバルトの上半身。
昼間、舞台の後ろにリフターを見かけたが、
このためだったのか。(笑)

ロットバルトは、怪談噺をする時のように、
下から緑色の照明があてられ、おどろおどろしさ倍増。
ただし長大な腕(羽)の輪郭が、
鳥というよりは蛾か蝶のようで、
ついヨナクニサンを連想してしまった。
ちなみにオデットはロットの足元(麓)から出入りする。

ロットバルトは、フリーのアメリカ人ダンサー、
ジョン・ヘンリー・リードさん。
ヒューストンやシンシナティなどで踊っていたようだが、
踊る場面がないので力量は不明。
ただし、存在感は十分醸し出していた。

湖畔の場面では、群舞は24羽いたが、
6×4で並ぶと舞台に余裕はなく、
踊り出すと半分はすぐにひっこんでしまう。
(さまざまなフォーメンションで再び登場する)
オデットのヴァリひとつと大白鳥のヴァリ、四羽が省略。

2幕1場の冒頭では、
音楽とともに花火が盛大に打ち上げられる。
残念ながら、スペイン、ナポリ、マズルカ、
そして川口さんのルースカヤも省略。
幻影場面では、オデットがリフターで登場。(笑)

2幕2場では、チャイパドの音楽で、
主役のPDDが追加されていた。
和解のイメージが伝わるので、これは良い演出だ。

オデットは新国の本島美和さん。
慣れない舞台に抑え気味の感はあったが、
柔らかな腕使いはコジョカルさんの白鳥よりも美しい。

王子はサンフランシスコの山本帆介さん。
回転すると軸が次第に傾いていくが、
スタイルも良く、溌剌とした王子を好演。

ラストは入水自殺バージョンで、
弱ったロットを群舞が追い詰める演出は健在。
力強く振る羽ばたきが怖い。(笑)

公演期間の終盤とあって、
群舞たちの統制感や腕使いは、
良い感じに仕上がっていた。
足音も少なめで、
腕の振りはオデットに対しては優しくと、
ちゃんと使い分けている。

巨大スワンボートにのった主役2人が、
下手から登場しておしまい。

それまでの自然の樹木を生かした舞台装置は、
いかにも野外劇場という雰囲気で、
それはそれで良かったが、
炎色反応を利用した巨大トーチや、
前出の花火やリフターなど、
演目を減らした結果、演出の幅が広がって、
作品としての完成度は高くなったように思える。

開演が危ぶまれていた週末、
土曜日は残念ながら途中で中止となってしまったが、
日曜の楽日は直前に雨が上がり、
強風をついての舞台となったという。

来年は、天気に恵まれますように。
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