先日、海上〇安庁の、潜水士の資格を持ち、
広報の仕事をしているという方にお会いしたので、
韓国の痛ましい事故について、思うことを話してみた。
世間一般の人たちは、なぜ、早期に、
ダイバーを大量投入しないのだろう、と思っている。
しかし、転覆ないし沈没中の船舶の船内捜索は、
とても危険で、高度な知識と経験、技術を要すると聞く。
ダイバーによる水中捜索のノウハウとリスクについて、
テレビや新聞で解説してみてはどうだろうか、と。
とろこが、その件については、
ノーコメントという方針なんです、と言う。
すでに新聞テレビ各社から、そのような申し出があるけれど、
すべてお断りしている、という。
いやいや、事故原因も含めた具体的な話ではなく、
一般論としてなんですが、と言っても首を横に振るばかり。
もし、わが国で同じような事故が起きたら、
世間の人々は口を揃えて、
「〇猿はなにをしている!?」と非難するにちがいない。
それを避けるためにも、この機会に、
潜水作業の危険性を啓蒙しておく方が良いと思うのだが。
広報担当官が、そのことに思い至らないわけはないから、
きっと何か理由があるのだろう。では、そのわけとは?
語ることによって、かの国が機嫌を損ねることを懸念して、
というのは想像に難くないが、コメントは、
現場で苦労しているダイバーたちを擁護する内容になるはず。
いくらなんでもかんでも日本のせいにしたがる彼らでも、
そこまで阿呆ではあるまいに...
と思ったところで、ふと思いついた。
もしかしたら、かの国のダイバーの技術は稚拙で、
日本の〇猿たちだったら、
もっと迅速かつ的確に対応できたのかもしれない。
だとしたら、たとえ一般論であっても、
お隣さんの技術レベルは低い、と明言することになり、
それを聞いた彼らは馬鹿にされたと勝手に思い込み、
火病を起こすことだろう。
そうなんですか? とたずねると、
〇猿さんは困ったように苦笑するのみだった。
それを裏付けるのが、
複数のダイバーが潜水病を起こしていること。
潜水病のメカニズムは謎でもなんでもなく、
私が潜水士のライセンス講習を受けた時も、
作業深度と作業時間、減圧時間の関係性は
きっちりと教えられた。
伝えられる「500人」ものダイバーが交代で、
プログラムに則った作業をしていれば、
体調不良による潜水病を起こすことはまずなく、
もし本当にそのような頭数が揃っていたのだとしたら、
統制されることなく場当たり的に捜索していたことになる。
ちなみに写真は、
現場に投入されたといわれる、
カニ型ROV(有線式の水中ロボット)だが、
これがまた物議を醸している。
そもそもこんなでかいものを、
狭い船内捜索に投入しようとする了見がおかしい。
ライトとカメラ、スラスターのみで構成される、
もっと小型なものがいろいろ市販されている。
また投入の時期もへんだ。
船体の動きが安定していない、
ダイバーの投入が躊躇われる初期ならともかく、
ほぼ状況が一段落した今頃になって使われだしたと思ったら、
給電用のへその緒をひっかけて漏電の危険性があり、
ダイバーたちの作業を助けるどころか邪魔をしているという。
いったい彼らは、なにをしたいのだろう。
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