誕生日が同じよしみで

アニメ『墓場鬼太郎』のヒロイン寝子の声を入れていた。劇中で寝子が歌う曲も歌い、エンディングも担当していた。
マジメに注目するようになったのはこの頃だったかもしれない。キーワードは鬼太郎だったわけだ。
アニメ・ソングのカバー・ミニ・アルバムを2枚リリースしてはいたが、オリジナル・アルバムはまだ出ていなかった。

中川翔子、通称しょこたん。

セーラームーンや鬼太郎のファンというだけで同士として肩入れするには十分なのだが、やはり誕生日が同じというのが大きかった。
そう、しょこたんと私は誕生日が同じなのだ。
5月5日のこどもの日。
1/365の偶然に過ぎないのだが、偶然をチャンスに変える生き方が好きよ、とセーラームーンも歌っているではないか。

この日が誕生日の著名人というと、地井武男、モト冬樹、ライオンズやホークスで活躍した工藤投手、シンガーの森川美穂、といったところか。みんなそれぞれの分野で有名な人たちだが、誕生日が一緒で光栄、というほどでもない。森川美穂には一時期入れ込んでいたのだが、誕生日を知ったのはずいぶん後のことだった。
なので、しょこたんは今いちばん輝いているこどもの日生まれと言ってもいい。
しょこたんと誕生日が一緒というのはちょっとネタになりそうだ。しかもこどもの日だし。

と言いつつも決して熱心なファンではない。
誕生日が同じだから応援している、という程度のものだ。
同郷人を応援する心理に近い。

それでも全てではないがCDも持っているし、写真集も一冊持っているし、彼女が描いたマンガも持っている。このマンガ『脳子の恋』だが、とてもアイドルが描いたとはものとは思えないトラウマチック・エログロ・ファンタジーだった…。

で、たまたま某中古店にて彼女の映像作品を見つけたのでゲットしてきた。
2007年最初のコンサートを収録したものと、翌年の2008年のツアー・ファイナルを収録したもの。初回版2作品買っても\3,000でかなりお釣りが来た。盤はもちろんケースの状況も良く、特典が全て付いているというお得なものであった。
たぶん、期待して買ったはいいけどガッカリして「もうしょこたんなんかいいや」って売っちゃったんだろうな。
捨てる神あれば拾う神あり、である。

アイドルとしては歌える方だが、シンガーとしてはボチボチ、というふうに思っていた。
なので歌に期待してしまうとガッカリとなりかねない。

DVDを見てもその印象は変わらない。
やはりCDではずいぶん修正をかけているようだ。
ライヴではかなり音が不安定になる。

しかし、なぜだろう？　イヤな感じはしないのだ。

彼女はおそらく歌が上手いとは自分でも思っていない。
それなのに一切のクチパクなしのガチ勝負。
しかも編集の際にもほとんど修正していないのではないかと思われる。
外した音は外したまんま。
そこに潔さを感じるとともに、一生懸命さというのが伝わってくる。
なぜかしょこたんが歌って踊っているのを見ていると楽しくなってくるのだ。
彼女は生来のエンターテイナーなのかもしれない。そんな気がしてきた。

2007年の初コンサートではアニメ・ソング中心で、歌以外に気を回す余裕がなかったようで、見せるという要素は少ない。アイドルとしての立ち位置でのパフォーマンスという印象で、ちょっと子どもっぽい感じかな。まあこれはこれでアリかもしれない。
2008年になると、歌はともかく、パフォーマンスは向上している。持ち歌が増えたこともあるのだろうが、ショーとして見ていて楽しい。終盤は汗で顔がてかり、髪が濡れてしまっていたが、そんなこと全く気にしたふうでもない。それだけ全力投球だったのだろう。
なんかこの子のことは応援したくなっちゃうんだよね。← オヤヂだ

会場のショットを見て感じたのは女性が多いということだ。半分以上が女性だったのではないかと思う。コスプレの子も多い。
年配のオッサンやオバサンも意外に多いようで、子どものように無邪気にサイリュームを振っている姿はむしろ微笑ましい。若い頃のアイドルのコンサートでも思い出しているのかもしれない。
しょこたん人気恐るべし。

もう少し音程がしっかり取れるようになるといいんだけどね。
熱唱型だからヘタウマになりえないんだよな。

で、2010年の映像作品もゲットしてきた。（初回版が半額以下、お得感はあるが、しょこたんが可哀相な気もしてくる）
幕張メッセで行なわれた2days完全収録2枚組とのこと。
重複している曲もあるがセットリストはずいぶん異なるようだ。
アニメ・ソングを封印して持ち歌のみで勝負ということらしい。
歌が向上しているのかどうか、ちょっと楽しみである。
ま、可愛いから許す。

可愛いといっても、しょこたんももう28なんだよね。
いられるだけアイドルでいていいと思うが、彼女の場合アーティスティックな方面に行くという可能性もあるのだろう。才能があるのだからそれを生かして欲しいとも思う。