マールイの地方公演を観に行かれた方たちの感想が、
ちらほらとアップされていますが、興味深い配役の日もあって、
まさに地団太踏む気分です。(^o^;)
＊ ＊ ＊
ノミネートの対象を選んでいるうちに、さまざまな舞台場面の記憶が蘇りました。
というわけで、本選発表前の余興として、その断片を列挙してみます。(^^)
★ 日本人ダンサー関連
「さいとう＆トレウバエフ・ペア」
現時点では、新国最良の主役ペア。息もぴったりです。
「さいとうペンギン」
初役はいまひとつの彼女ですが、これは素晴らしかった！
「湯川ひつじ」
長身を生かし、存在感たっぷりの踊りでした。
「岩田・侍」
外国人がイメージするベタな日本人ですが、岩田さんが凛々しい。
「主要キャスト４人が初役のＫ眠り」
とてもそうは思えない出来でした。ここのダンサーたちはやはり凄い。
「成長を続けるＫの群舞」
とにかく揃える、は東バ草創期の話。観る側も進化しないと。
「Ｋ海賊の男前コンビ」
松岡＆浅川がメドーラとギュリナーラ。この２人なら奴隷商人を自力で片付けそう。
「Ｋコッペリアの村娘」
踊りも上手いし、なにより表情と演技がいい。名前を知りたい！
「後藤ヒラリオン」
ちょっとイラッとする天然ヒラリオン、ほかではみかけません。
「木村アルブレヒト・デビュー」
日本のバレエ環境が恨めしく思います。もっと活躍できた人なのに。
★ 外国人ダンサー関連
「マールイのチッポリーノとトンボ」
チッポリーノは全幕で観たい。マールイは、（日本では）マイナーな作品も演ってますよ。
「マールイ・バヤデルカの太鼓の踊り」
東バのマカロワ版や新国の牧版には、これがないので寂しい。
「微妙なマールイ新版ロミジュリ」
若者のはじける疾走感というよりは、アスリートの全力疾走を観ているようでした．．．。
「意外に面白い光藍社の夏休みバレエまつり」
国内バレエ団こそ、こういうのや国内巡業をするべきと思うのですが。
「情けないエトワール・ガラ三銃士の演出」
いくら贔屓のダンサーが出てるからといって、こんなもので喜ぶ観客も情けない。
「ルジマトフの阿修羅とアルビノーニ」
夢幻のルジ・ワールドは健在でした。
「ボルチェンコのアンニュイ・オデット」
今季彼女を観られなかったのは残念。
「ペレン＆シェミウノフのダイナミックな春の水」
最初はダンサーの解釈（？）だと思っていました。世界は広い。
「トルマチョフのくるみ割り人形」
ここまでくると、もう職人技です。
「マルケスのかしましい白黒鳥」
技術的には特に凄い人ではありませんが、表現力が個性的で面白い。
「オシポワの変化」
娘の成長を見守る親の気分？
「ロパートキナのダイヤモンドとルースカヤ」
同じ演目でも、踊り手によって別物になるという見本。
「シクリャーロフのナルシス」
また観たいとは思いませんが、印象的な作品ではありました。
「コポー・アルブレヒトの解釈」
目から鱗、そして納得の役作り。
「チュプリンのシャザーマン」
見慣れたはずの演目が、脇役ダンサーの演技で新鮮に。
「ナタリア・ソーモアの白鳥主役連日登板」
プロとはこういうのを言うのでしょう。マリインスキーのコではないです、念のため。
「クテポワ＆ステパノワのミルタの笑み」
ありそうでなかった演技。釣られて笑いそうになりました。
「シムキンの笑顔と身体能力」
今回は本領発揮となりませんでしたが、それでも凄い。そして可愛い。
「ステパネンコ＆メルクリ・ペアのフラグメンツとドンＱ」
ともに女王様と臣下でしたが、もっと観たかった！
「テリョーシキナの美脚タンゴ」
以前より引き締まった感じがします。
「マリリン・ジョーンズの老クララ」
背筋の伸びた、最後のチュチュ姿が忘れられません。
「ウヴァ＆ニーナ・ペア」
ウヴァーロフさんは、ニーナさんと踊るのが、本当に嬉しいのですね。
「オシポワ＆ワシリーエフ・ペア」
南米ダンサーの力技とは一味違います。怪我にだけは気を付けて！
「シェスタコワ＆ルジマトフ・ペア」
本当に仲違いしたのでしょうか。
「エトワール・ガラのハンブルク・ペア」
アッツォーニさんとリアブコさんが、すべて持って行ってしまいました。
「マラーホフ・ガラのシュツットガルト・ペア」
こちらもゲストのアイシュヴァルト＆ラドメイカー組が舞台をさらいました。
「ソーモア＆シクリャーロフのお笑いコンビ」
お祭りの花にはなりますね。出番はもっと少なくていい。
「合同ガラのキラ星たち」
実に贅沢な夜でした。ぜひ、またやってほしい。
「ロイヤルのベテラン勢」
これで若手がもっと伸びてくれれば．．．。
「ユニバーサルの男性群舞」
マッチョなオーストラリア男性群舞を洗練した感じ。
★オーケストラ関連
「メータ＆イスラエル・フィルの完成度の高さ」
普段耳にするバレエ・オケとはクオリティがまったく違う．．．。
「マールイとダンチェンコの劇場付きオケの迫力」
あの暴力的な演奏はクセになります。
「バクラン＆井上の指揮」
常にダンサーを意識した指揮ぶりは、アニハーノフさんに通ずるものがあります。
＊ ＊ ＊
では、本選の発表です。(^^)
�� 特に印象に残った公演
「コッペリア」（Ｋバレエ）
「うたかた」（ロイヤル）
「オネーギン」（東バ）
「アンナ・カレーニナ」（新国）
「ジゼル」（マールイ）
「コッペリア」は、熊さんの日。
ベテランの域に入ってなお、技術も健在ですが、
まさに彼のためにあるような役を自然体で名演。
観る者を楽しませる演出と、レベルの高いダンサーたちによる舞台は、
すべてのバレエ好き、そして初心者にも観せたい。
「うたかた」は、ロイヤルの特徴である演劇性を如何なく発揮。
ベテラン勢で固めた配役も功を奏し、名門の名に恥じない舞台でした。
「オネーギン」と「アンナ・カレーニナ」は、主役の圧倒的なエネルギーに、
周囲がぐいぐい牽引されて盛り上がっていった舞台。
それに対し「ジゼル」は、主役、ソリスト、群舞、そしてオケに演出と、
バレエのすべての要素が渾然一体となった、まさに総合芸術でした。
選に漏れた作品について、その理由をいくつか記すと、
「シム・チョン」は全体のレベルは高いけれど、
さらに１歩、突出したダンサーが欲しく思いました。
ＯＧ「くるみ」はダレ気味の後半の演出が惜しい。
「合同ガラ」はお笑いペアの出番がもっと少なければ当選でした。
�� 特に印象に残った女性ダンサー
★主役
アリーナ・コジョカル（ロイヤル）
マドレーヌ・イーストー（オーストラリア・バレエ）
オクサーナ・シェスタコワ（マールイ）
エレーナ・フィリピエワ（シェフチェンコ）
ナタリア・レドフスカヤ（ダンチェンコ）
吉田 都（ロイヤル：当時）
斎藤 友佳理（東バ）
候補として名前は挙げたものの、
やはり「主役」と言うからには、全幕物を踊ったダンサーでないと、
ということで、まずガラ公演のみ参加のダンサーは対象外としました。
上記７名に共通するのは、
派手ではないというだけで、技術そのものの完成度は高く、
表現力と音楽性のバランスに優れたダンサーたちだということ。
そして皆ひとクセふたクセある人たちばかり、まさに個性の饗宴です。(^O^)
★名脇役
アンナ・ノヴォショーロワ（マールイ）
井脇 幸江（東バ）
そのパフォーマンスにはもう見惚れるばかりで，
バレエ団としても、この役はこの２人に演じてほしい、
２人にまかせておけば万全、という思いもあると思いますが、
センターに立つ姿も観てみたい、というのは贅沢な願いなのでしょうか。
★注目
アンナ・ニクリナ（ボリショイ）
カテリーナ・ハニュコワ（シェフチェンコ）
さいとう美帆（新国）
金子 扶生（地主薫バレエ）
さいとうさんは、いよいよベテランの境地に突入、
新芸監の下で、さらなる飛躍に期待したいところ。
他の３人は、その若さでそのレベル！ という、驚きのニューフェースたち。
どうかまっすぐ育ってくれますように。
★躍進
ルシンダ・ダン（オーストラリア・バレエ）
イリーナ・ペレン（マールイ）
神戸 里奈（Ｋバ）
長田 佳世（新国）
あれだけ優遇されれば、頑張ってくれないと他のダンサーに示しがつかない、
というのもありますが、ペレンちゃんの成長ぶりには目を見張るものがありました。
ダンさん、神戸さんは、ようやく次のステップに登り、
長田さんは新天地でついに花が咲きました。
移籍してしまったのは残念ですが、彼女自身にとっては良い選択でした。
�� 特に印象に残った男性ダンサー
★主役
スティーブン・マクレー（ロイヤル）
熊川哲也（Ｋバ）
こちらも、全幕を踊ったダンサーに絞らせてもらいました。
女性については、特に迷わなかったのですが、
男性は甲乙つけがたいものがあって、やはりバランス重視にしたところ、
上記２人が残った次第。
★名脇役
スチュワート・キャシディ（Ｋバ）
アレクセイ・マラーホフ（マールイ）
実力的には岩田さんも入れたいところですが、
今回、彼はガラでしか観てないので．．．。
★注目
大貫 真幹（ベジャール）
福岡 雄大（新国）
選漏れの人たちも気になるのですが、
この２人が一歩、リードしているように感じました。
★躍進
マライン・ラドメイカー（シュツットガルト）
マチアス・エイマン（パリオペ）
ミハイル・ヴェンシコフ（マールイ）
アレクサンドル・オマール（マールイ）
浅田 良和（Ｋバ）
今回の候補の中では、この５人の伸び率が、
やはり群を抜いていました。
＊ ＊ ＊
さぁて、今年はどんな舞台と巡り会えるかなぁ。(^o^)
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