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2011年01月06日13:10

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【バレエ】マールイ(レニングラード国立バレエ)「ジゼル」(その1/27日)

先日の「ロミジュリ」で、
技術に関しては飛躍を魅せてくれたペレンちゃん、
彼女のイメージではないこの役を、演技力でどこまでカバーできるのか。

また古典全幕はもう踊らない、と思われていたルジさんの現状、
そして奥方クテポワさんの成長ぶり...などなど、
注目ポイントてんこ盛りの公演でした。(^^)

       *     *     *

まずペレンちゃんですが、テクニックはもう一流の仲間入りです。
村娘やウィリというにはダイナミックな踊りでしたが、(^o^)
技のキレはもう前座ではありません。

やれ氷姫だ、表情は笑う・悲しむ・怒るの3パターンしかない、
と言われていたのも、もう過去の話。
笑顔ひとつとっても、破顔もあれば、はにかみ笑い、泣き笑いと使い分け、
アルブレヒトに恋し、踊りが大好きな、まさに薄幸の美女。
(少女ではなかったな〜。(^^;))
以前は村に迷い込んだ貴族の娘でしたが、
今回は町娘くらいには見えました。(^o^)

死んだ後も体温を感じるウィリで、
「アルブレヒトを助けるために生き返ってきたみたい」
とはお師匠さまの弁。(^o^)

終始悲しげな表情で、
必死に助命を懇願する様子はけなげなのですが、
なぜか最後まで泣けませんでした。
「ジゼル」で泣けないなんて...なんでだ?
と不思議に思っていたら、お師匠さまも涙が出なかったのだとか。

唯一うるうるしたのは、1幕ラスト、
遺体にすがり泣き崩れる、ノヴォショーロワ母さんの姿にでした。
冷たいジュリエットの母から一転、娘が大切で可愛くて仕方ない、
厳しいけれども優しい母でした。(ToT)

相方のルジさんについては、
まだこちらの気持ちを切り替えることができず、
この日は少々不満が残りました。予想はしていましたが、
ここまで省エネのバージョンになっているとは。

ポージングや所作そのものは美しく絵になるのですが、
派手なパフォーマンスを期待する人は、
納得しないだろうなあ、という改訂振付。
「ジゼル」は連投で、年明けには「白鳥」も控えているから、
セーブしてる? とでもいう感じでした。(uu;)

この日の彼の役作りは、若干軸線は異なりますが、
「ナルシストの貴族」という意味では、
ルグリさんやかつての熊さんと同じ路線です。

しかも傲慢・尊大なアルブレヒトで、
ウィルフリードには終始高圧的な態度を崩さず、
ジゼルに対しても会えて嬉しいという感じではなく、
「ここへ何しにきたの?」と言いたくなるほど笑顔が少ない。

ウィルフリードに、あなたには婚約者がいるのでしょう?
と咎められると、口の端を歪めるようにニヤリ。
あ、こいつ、遊びだー、と思わせる表情。
ジゼルが踊る時も、恋人に見とれているというよりは、
美人の踊りを鑑賞しているかのようでした。(^^;)

彼女が死んでもさして慌てた様子はなく、冷静に小走りで去ります。
ペレン・ジゼルが一途にアルブレヒトを愛しているだけに、
その温度差が悲哀を強調するのですが、
それでもなぜか、泣けませんでした。

ミルタはルジ奥さんのクテポワさん。
ルジさんの芸監就任後マリインスキーから移ってきて、
そのまま置き去りにされた憐れな人ですが、(冗談です。(^^;))
移籍直後は実力以上の配役に、
マールイ・ファンの顰蹙を買ったものです。

今回もキャストが発表されると、
「クテポワ〜?」と眉をひそめるような感想もみかけましたが、
実は我々は逆で、不安はもちろんありましたが、
どちらかといえば、彼女の成長ぶりが楽しみでした。(^^)

というのも、09年の夏ガラでは、
成長を伺わせる動きが散見できたこと、
カテコの様子からするとプライドも高そうで、
芸監の贔屓があるからという外野の声をよしとせず、
実力で這い上がってきそうな気配を感じたからでした。
そして今回、彼女は見違えるような成長を遂げ、
我々の期待に応えてくれました!(^^)v

直線的で魅力に乏しい踊りは改善され、
長い手足を有効に使った優雅で滑らかな動きを体得し、
また要所の筋肉はついたものの、細身で冷たい印象はそのままでしたから、
流れるようなパドブレで登場したときから、雰囲気はミルタそのもの。(^o^)

つい笑ってしまったのは、ハンスを始末する時、彼に背を向けると、
口元にうっすらと、けれど明瞭な笑みを浮かべたこと。
ミルタの酷薄な笑顔って、ありそうでない表現ですよね。(^o^)

観覧後、ふとつぶやくお師匠さま。
「今回の配役、奥さんが自分のダンナに、
死ねっ! と言ってる図だよね」

(^O^) たしかにそうですね。(^O^)
ということは、若い娘の色香に迷い、
浮気した亭主に天罰が下る物語というわけですか。
だから泣けなかったのか〜?(^^;)

オマール・ハンスは、先日のティボルトの様子から、
てっきり木村風強引ハンスかと思いきや、内気な森番で、
ペレンちゃんには思い切り上から目線で拒まれ凹んでいました。
ウィリに弄ばれる場面の踊りが、のびやかで美しい。

ペザントはミリツェワさんとプローム君。
力強く安定した動きのプローム君に対し、
ミリツェワさんは彼女らしくないミスを連発。
どこか具合が悪いのでなければ、頭の中のイメージに、
まだ体がついていかないのでしょう。来季に期待です。

セミョーノワ・バチルドにとって、ジゼルは眼中になく、
ペンダントもただの施しでした。
ルジ・アルブレヒトに向ける視線も冷ややかで、
遊ぶならもっとスマートにやりなさいね、といった風情。(^^;)

以前、2幕冒頭、アルブレヒトが心配で心配で、
でもウィリが恐くて恐くて右往左往、
最後は主人に「えーいもう勝手にしろ!」と泣きながら?
走り去るウィルフリードを観て、ツボにはまったのですが、
それが彼、ペトゥホフさんでした。(^O^)
今回は、ルジさんのあまりに威圧的な振る舞いに、同情を覚えました。

ドゥ・ウィリと群舞も素晴らしかったです。(^^)
フォーメーションは揃う、動きは綺麗、足音は小さめの3拍子に、
溜息しかでません。(uu)

仕事納め間近の平日とあっては、1階後方に空席も目立ち、
さすがのルジさんの神通力も霞みがちでした。
もったいない...。
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