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2010年10月30日16:16

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【フード】鴨屋 そば香@妙蓮寺

そば香を最後に訪れたのは盛夏、8月のことだった。今日は10月の終わりで台風が近付き冷たい雨が降っている。今年の夏は記録的な高温で、暦が秋になってもその暑さは続いた。しかし、その秋は一瞬のうちに過ぎ去って初冬の雰囲気となってきた。

久し振りのそば香だったが、暫く行かないうちに新しいメニューが幾つか加わっていた。その名も「つけ鴨カレー」。私は迷わずこれを注文、家内はオーソドックスな看板メニュー=鴨せいろを頼んだ。

つけ鴨カレーは、通常の鴨せいろの浸け汁にカレー粉が溶いてあって、その他の付け合わせや盛り付けはオリジナルと殆ど変わらない。ただ、ここの店主独特の感性で精妙にバランスがとられた奥ゆかしいカレー風味が付いているという点が特徴だ。

カレー味で頂く麺類といえば饂飩、というのが世の定説だろう。一般のカレーうどんの漬け汁は和風の麺つゆに工夫なくカレー粉を多量に溶かし込んで餡掛けにしたものであり、具も麺も全てカレー味に染め上げてしまうので実質何を食べているのか分からない=別に饂飩じゃなくて中華麺だって蒟蒻だって心太だって同じだろう、という風に、その強い個性によって麺自体の風味、工夫を凝らした具の持ち味など全てをマスキングしてしまうのだ。

結論的にはこの新メニューは実に旨い。カレーと蕎麦は普通は合わないだろうと思われる。が、そば香のつけ鴨カレーは前述の様なカレーうどんのかけ汁にありがちな強烈なカレー風味ではなく、そこはかとなく淡いカレー風味、それも個性的なスパイスを殊更に強調しない穏和な調合が施してあるので、繊細な蕎麦の香りがカレー風味の隙間からちゃんと漂ってくるのである。また、絶品の鴨の持つ甘い風味や強く深い旨味を決してマスクすることなく存分に、いや、それ以上にカレー粉とのマリッジという点においては寧ろシナジー効果を挙げていると言っても過言ではない。勿論、フレッシュな長葱の青臭さもスポイルすることはなく、ベースとなっている鰹と鴨の出汁も香しいので、これはこれでれっきとした和風の蕎麦と言えるのだが、カレーという蕎麦の世界では比較的馴染みのないエレメントを巧妙に取り入れることにより成立している、そば香ならではのクロスオーバーな逸品なのだ。

余談:
 鴨せいろのご飯セットには極小の小鉢で提供されるお新香が付く。しかし、このつけ鴨カレーには同じサイズの小鉢に福神漬けが付くという気配りがなされている。ご飯セットの場合、蕎麦終了後にミニ・カレー丼(?)も楽しめるというオマケが付いていることは言うまでもない。

(カメラを忘れたので携帯の簡易ボケ写真で失礼・・)

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