マールイ・ファンにとって夏の風物詩といえば「夏ガラ」ですが、
昨年、群舞は借り物、ソリストのみの来日となり、
そして今年はついにソリストも来なくなりました。(>_<)
ただ、相応にお客は呼べる公演のようで、主催する光藍社は、
マールイの代役としてキエフ(シェフチェンコ)を連れてきました。
...今年の暑さとスケジュールのハードさに、
後悔してるんじゃないかなぁ、ダンサーたち。(^^;)
ちなみに彼らは7月前半の「神髄」で来日し、
夏ガラ初日の16日からいきなり4日間連続、
その後も1日おいて5日間、3日間、2日間連続を繰り返し、
8月中旬までに計18公演(+神髄)踊ります。
会場も関東近県から近畿、和歌山、四国。
...お疲れ様です。(uu;)
* * *
夏ガラには2パターンありまして、
ひとつはオトナの観客を対象とした普通のガラ公演。
もうひとつは入場の年齢制限を下げた「バレエまつり」。
(ここらしいネーミングだなぁ...。(^o^;))
当然、これまでは前者を観ていたのですが、
今年は日程的に適当な公演がなかったため、
マールイでもないし観なくてもいいかぁ、と厭戦モードでいたところ、
ご覧になった方たちの評判が結構良いのです。
ではではと、さっそく日程をみつめなおしてみましたが、
やはり適当な公演が見当たらず、
やむなく自宅徒歩圏(夏場は歩きたくない距離ですが。f(^o^;))の、
「親子バレエまつり」を初観覧...となった次第です。
とはいうものの、過度の期待はしていませんでした。
安いチケ代(S席6,000円)はギャンブル要素大ですからね。(^^;)
はたして、ちびたちはおとなしく観てくれるのでしょうか...。
* * *
会場に着くと、ちび濃度が予想以上でした。(^^;)
半分、いや、5分の3は大小のちびたち。
そしてホワイエではチンタイガーがお出迎え。
http://www.jvcmusic.co.jp/chintiger/
(光藍社の親会社はCHINTAI)
開演時間となり、幕前に「司会のお姉さん」登場。(^^;)
「バレエをみたことのあるひと、てをあげてー」
「はーい♪」
たくさんの小さな手が上がります。(^o^)
「バレエは15せいきのイタリアでうまれ、
そのごフランスのきゅうていのおどりとしてせいちょうしました。
フランスのおおさま、ルイ14せいもおどったんですよ。
でも、18せいきになると、フランスではにんきがなくなってしまい、
かわりによそのくにでおどられるようになりました。
そこでもんだい。スペイン、ちゅうごく、ロシア、
バレエはどこのくににいったのでしょう。
では、スペインだとおもうひとー。」
「はーい♪」
「おやぁ? けっこういますねぇ。
では、ちゅうごくだとおもうひとー。」
「...。」
「では、ロシアだとおもうひとー。」
「はぁい♪」
「そうですね、ロシアですねー。」
...とまあ、こんなやり取りがありまして、(^^;)
1本目と2本目の作品紹介に続き、いよいよ幕開きとなるのでした。
構成は次のとおりで、各幕50分、休憩20分。
★第1部
「眠り」からワルツとローズ・アダージョ
カテリーナ・ハニュコワ+4人の王子+群舞
「白鳥」から1幕2場のPDDと群舞、4羽の白鳥
ナタリア・ドムラチョワ、チムール・アスケーロフ+群舞
ここで再びお姉さんが登場、次の2本の紹介。
「人形の精」よりトロワ
カテリーナ・ハニュコワ、
ルスラン・ベンツィアノフ、イェヴゲン・クリメンコ
バクストとリガート兄弟のデビュー作として知られる、
バレリーナ人形と2体のピエロ人形のコミカルな作品。
ガラで時々みかけるアレです。(^^)
「ドンQ」よりグランパ
ナタリア・ドムラチョワ、ヴィクトル・イシュク+群舞
★第2部
もちろん、最初はお姉さんの作品紹介から。
「みんなおせきにもどりましたかー?」
「はぁ〜い♪」
「くるみ」より花ワルとアダージョ
カテリーナ・ハニュコワ、ヴィクトル・イシュク+群舞
「ゴパック」
ルスラン・ベンツィアノフ
これは「タラス・ブーリバ」の男性ヴァリ。
ウクライナの民族衣装の基本色って、
イタリア国旗カラーなのですね。
またまたお姉さんが登場しますが、
こんどはベンツィアノフさんと、チュチュ姿の女性ダンサー4人も一緒。
作品紹介の前に、「バレエやってるひと、てをあげてー。」
「はーい♪」
数の多さに、ちょっとびっくり。(^^;)
「では、そのばでたってみましょう。」
何をするのかと思えば、
5つのポジションとレべランスを舞台上のダンサーたちと一緒に。(^^)
ちびたちを飽きさせないための手法というわけですね。
さすがに最後の2本は、
集中力を欠いてしまった子も相応にいましたが、
それでも思っていたよりずっと静かでした。(^^)
またみな座高が低いので、視界を遮られる率が低い。
むしろこちらがうしろに気を使うほどです。(^^;)
(幸い、私の後ろは大人でした。)
「ライモンダ」よりグランパ
ナタリア・ドムラチョワ、セルギイ・シドルスキー
+友人2人と群舞
「海賊」よりハイライト
ドムラチョワ、シドルスキー、ハニュコワ、ベンツィアノフ、
イシュク+群舞
このハイライトは、
ドムラチョワさんと群舞の着替え時間を稼ぐため、
ギュリナーラとランケデムのPDDを、
ハニュコワさんとベンツィアノフさんが踊り、
続いてビルバンドも登場する海賊群舞の踊り、
そして例のトロワでの締めくくりとなります。
上記のとおり、
ドムラチョワさんとハニュコワさんが大活躍の舞台でした。(^^)
ドムラチョワさんは、オデットやライモンダよりも、
キトリの方が似合うダンサーのようです。(^^)
そしてハニュコワさん。
「神髄」の感想では、ドムラチョワさんで正解、
みたいなことを記しましたが、訂正します。
彼女の代役となると、バレエ団としては、
ドムラチョワさん級を立てざるをえなかったようです。(^^;)
小柄ですが、風貌は幼いというよりは美人系で、
踊りのスタイルは「流水」。
優雅で、上品で、音楽と戯れているかのようです。(^^)
バランスにも優れ、常に踊りからは余裕が感じられます。
とにかく動きが滑らかで、よどみがありません。
かと思えばコミカルな演技もできる人で、
すっかり魅せられてしまいました。(^^)
そしてプロフィールを見てびっくり。
1989年生まれの、なんと21歳!!
キエフの学校を卒業後そのまま入団、
05年のリファール1位をはじめ、
国際コンクールの入賞常連のようです。
次回の本隊来日公演が、実に楽しみになりました。
イシュク君の溌剌バジルもいい感じで、
この2人の組む日があれば、ぜひ観たい。(^^)
バランスといえば、彼女もドムラチョワさん同様、
両手は上げず、特に長い静止はしませんが、
これは録音で指揮者の調整がないからでしょう。
その証拠に、最後に脚を下ろすとき、
バランスの苦手な人は音楽を無視してぱっと降ろしてしまいますが、
ふたりとも微笑みながら、曲にあわせてゆ〜っくり軸脚に添えるのです。
お見事!(^o^)
「神髄」で同じような演目を観ているので、
それと比べると群舞は全力という雰囲気ではありませんし、
この暑さでまいりはじめているのか足音も大きくなっていましたが、
(それでも静かな部類)
乱れぬポージングや内から外へ伸びるような手足の使い方は、
さすがロシア系ダンサーたち。実に美しゅうございました。(^^)
* * *
カテコでは、
ちびからドムラチョワさんとハニュコワさんに小さな花束が。
ふたりとも、いや、背後のみんなも笑顔笑顔。(^^)
最後はシドルスキーさんがお姉さんを袖からひっぱりだし、
お姉さんもレべランス。(^o^)
幕が開ける前、お姉さん、
「すてきだなー、とおもったら、はくしゅをしてあげましょうね」
すると最初はおずおずだったちびたち、次第に調子に乗り、(^O^)
あそこで拍手、ここで拍手。(^O^)
えっ? ここで拍手?
と一瞬とまどいの表情をうかべたハニュコワさん、
でも、嬉しそうににこにこにこ。(^^)
思い返してみれば、拍手こそしなかったけれど、
初めてバレエを観た時は驚きの連続、目を丸くして観ていたものなぁ。
初心に帰ったような新鮮な気持ちで、
ちびたちと一緒に拍手をするぱろでありました。(^^)
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