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2010年07月11日11:29

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【音楽】Kissin plays Chopin@Evgeny Kissin - Disc 1

ショパン・イヤー絡みで買ったボックスのもう一方は、ペライアと同じソニーから発売されているキーシンの輸入盤5枚組。キーシンは元来はRCAに数多くの録音を残してきていたが、この元レーベルがソニーBMGに買収されてしまったので期せずしてペライアと同じ配給元となり、そしてタイトルもXXXXXX plays Choinと言う統一仕様となった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3726006

CD1

ショパン
・幻想曲ヘ短調作品49
・ワルツ第5番変イ長調作品42
・ワルツ第3番イ短調作品34-2『華麗なる円舞曲』
・ワルツ第2番変イ長調作品34-1『華麗なる円舞曲』
・ポロネーズ第5番嬰ヘ短調作品44
・夜想曲第10番変イ長調作品32-2
・夜想曲第7番嬰ハ短調作品27-1
・夜想曲第8番変ニ長調作品27-2
・スケルツォ第2番変ロ短調作品31

エフゲニー・キーシン(ピアノ)

キーシン(Evgeny Kissin, Евгений Игоревич Кисин)は1971年生まれと言うから現在39歳、もうすぐ大台を迎える中堅中の中堅であるが、デビューは衝撃でありソ連が生んだ神童とそしてその名を馳せた。ショパン・コンクールなどの著名プライズの受賞歴はないが、そのかわり、その年代には既に職業演奏家として楽壇にいたということである。

このアルバムのCD1〜2は既発の1993年カーネギー・ライブをそのままビルトインしている。ライブならではの乗りの良さとちょっとばかり羽目を外した荒っぽさが同居する典型的な盤だ。

皮切りは幻想曲ヘ短調Op.49である。切々とした、それでいて素朴なメロディーが郷愁を誘う。それもそのはず、この動機部の主旋律4〜5小節は、あの有名な「雪の降る街を」(中田喜直作曲)と同じだ。中田は山形県鶴岡市に滞在中、地吹雪が舞う庄内の古都の街の景色からこの名曲を書いたとされているが、実は生前にはショパンの幻想曲から啓発されて作った曲であると言うことを告白しているのだ。

閑話休題、一枚目の残りはワルツ(残念ながらOp.18の華麗なる大円舞曲は無い)、ポロネーズ5番、地味系ノクターンが三つ、そしてスケルツォ2番というラインナップだ。

録音当時のキーシンの年齢は22歳ということになるのであるが、やはり神童と呼ぶに相応しい才能と歌心があったということだ。しかし、ポロネーズ5番は振られ過ぎの感があって特に左手のオクターブ奏法が縒れている箇所が散見される。それを除けば堂々たる解釈である。極めつけはスケルツォ2番で、これは誰が弾いてもそれなりに派手で格好良く決まる名曲なのだが、アゴーギクを少なめに少々急ぎ足で冷涼感を漂わせながら澄まして弾いているのは秀逸だ。

(録音評)
RCA Red Seal(ソニーBMG)、88697625302、通常CD5枚組。音質はそれほど良好とは言えないまでも骨格はしっかりとしており、ライブ盤としてもノイズは少ない方。それよりもライブとは思われないキーシンの確かなパフォーマンスの方が驚異で、ミスタッチは皆無だ。カーネギーの広大な音場空間の再現に成功しているわけではないが、コンディションが良くないこのホールの録音としては良い方の部類だろう。


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