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2010年06月27日12:38

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【音楽】Perahia plays Chopin@Murray Perahia - Disc 3

三枚目は、1994年にリリースされたバラード・アルバムがそのままリ・イシューの形で置かれている。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3761838

CD3

ショパン:
・バラード第1〜4番
・ワルツ第1番変ホ長調Op.18『華麗なる大円舞曲』
・ワルツ第5番変イ長調Op.42『大円舞曲』
・夜想曲第4番ヘ長調Op.15-1
・マズルカ第7,13,23番
・エチュード第3,4番

目玉はバラード全曲で、剰余時間の後半にはショパン力作のいわゆる三拍子系曲集の中からバランス良くピック&チョイスした、言うならばアラカルトとしての色合いの濃い編成だ(但しエチュードは三拍子ではないが・・)。これは発売時に何度か聴いたことがあったがパッとしないバラードだったと記憶している。そしていま聴いてもそう思った理由が良く分かる。つまり、温度感が低いのである。バラードはショパンの場合4曲書いているがいずれも抑揚の強い情感が込められた作品なのに対してペライアの解釈は少々おとなしくて特徴的な部分が掴みづらいからだ。

しかし、それは特に1番に関してはそう感じるものの(=1番は最も若い頃のショパンの若気が至るところで青味として感じられる曲)、2番以降、特に白眉とされる4番においては逆にペライアのラショナルで静謐な解釈が成功している風に感じられるのだ。年代を経て、経験を重ねてくると音楽や演奏に対する感想というのもまた変遷を辿るのかも知れない。

華麗なる大円舞曲はペライアらしくなくて、一気呵成の少々荒っぽくヴィヴィッドな解釈となっている。ディテール部の超高速スケールや高難度分散和音など彼の超絶技巧があちこちで炸裂する名演奏と言える。そしてマズルカとノクターンだが、一転してやるせなくも強く深い襞の抉り出しは見事としか言いようがない。このアルバムの最後にエチュードが二つ入っている。実はこの後の4枚目がエチュードOp.10&25全集となっていて、偶然だろうがいきなりの重複感となってしまうのは何かの縁を感じる。

(録音評)
SONY Classical、88697648232、通常CD 5枚組。録音は1994年、場所はSalle de Musique, Musica Théâtre, La Chaux de Fonds, Switzerland とある。プロデューサーは今をときめくAndreas Neubronner、音質はリマスタのせいかかなり優秀であり、少々の硬質感を伴った透明度の高いしかし深みのあるピアノサウンドが響き渡る。立体感と奥行き感が高度にバランスしたサウンドステージはさすがにノイブロンナーだけのことはある。確かな聴覚である。


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