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2010年05月15日22:39

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【フード】地獄ラーメン 田中屋@伊勢佐木町(曙町)

今日は起き抜けから爽やかな一日の到来を予期した日で、確かに午前中には陽光が差し込み、風も弱めにそよそよと吹き込んで午後の気温上昇を示唆する展開であった。しかし、実際には正午過ぎくらいから横浜地方には厚い雲が部分的に巡ってきて日差しは弱い。いわゆる花曇り状態へと変移した。

そんな天候の中、向かったのは伊勢佐木町の風俗エリア=曙町の通りに面した老舗のラーメン屋だ。ここは創業からは随分と経っていて今の経営者は二代目とのことである。横浜家系がはやるずっと以前から豚骨+醤油+辛味という一貫したテーマで店を運営しているそうだ。

店に着いたのは14時頃、さすがに昼食時間のピークを越えていたので空いてはいたが、それでも先客は5名ほどいてラーメンをゆるりと食っていた。豚骨を煮込んだ時の特有の臭気が店全体を覆っている。お世辞にも小綺麗とは言えない店舗はさすがに女性を同伴させるには抵抗はあるだろう。昭和の良き時代を想起する安っぽい丸椅子をぐるりと並べたカウンタのみのすえた店内はいかにも場末な感じで、これまたある意味でB級グルメ的見地からは萌えて来る展開だ。

初入店だがWebで調べてあったので「地獄ラーメン上級」を夫婦で頼む。即座に茹で鍋に投入される大橋の麺玉はいかにも家系の佇まいだ。目の前が厨房となっているカウンタに腰掛けること暫し、スープを寸胴から掬って注ぎ、そして辛味成分の投入、全体を太い調理箸で掻き混ぜた後には家系でお馴染みのチー油を適量滴下するという流麗なプロセスを目の当たりにした。そしてその僅か数十秒後、茹で上がりと共に激しい湯切りの後に丼へと軽やかに投入される麺の周囲に迅速に具が盛り付けられてサーブされる。

確かに赤いスープだ。熱々なのにチー油のせいかそれほど湯気は立っていない。一掬いしたスープはそれほどの辛さではないが豚骨の柔和な旨味が潜在していることは明らか。だが、それほどの粘度はないし豚骨特有である骨髄系由来の強烈な甘みが備わっているわけではない。しかし、永年の営業経験からかその平明な味付けと塩分の塩梅はさすがであって唸らざるを得ないバランスだ。ちょっと飲むとフックが足りず、しかも僅かに希釈感があってもの足りないという設定なのだ。これは確信犯だろう。食べ進めるに従ってカウンタ常備の豆板醤やおろしニンニクなどを投入すると俄然深みが増してくるのだ。赤いカンバスの様な辛味スープは、実は旨味とその濃度においては白いカンバスなのであって、そこは食べる側の創意と工夫によっては広範な調整が可能なのであった。

特徴は最後にトッピングされる大量の白髪ネギで、この具材が醸す僅かな苦みと爽やかな香りが辛味豚骨スープの穏和な旨味を増強し、また辛味に重量感を加える効果もある様でなかなかの演出だ。あとは乾燥したもみ海苔のしゃくしゃくとした食感もよろしくて面白い。小さなチャーシューは現在流行のトロトロ系ではなく、しっかりと煮込まれて脂身が完全に落ちたモモの組織が主で、いわゆる噛み締め応えのあるレトロな肉を強調する一品だ。これならチャーシュー地獄ラーメンも行けると直感できる。

ということで、辛味に力点を置いた変わり種とんこつは満足度はそこそこ高い一杯と言える。癖になる様な固有の滋味を備えたラーメンではないが、また食べに来ようと思わされる味であった。


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