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2010年04月18日12:33

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【音楽】Volodos in Vienna@Arcadi Volodos

ソニーの新譜で、ヴォロドスのウィーン・デビュー盤とでもいう位置付けのライブ収録SACDハイブリッド2枚組。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3731035

CD1
・スクリャービン:4つの前奏曲 作品37より第1曲:変ロ短調
・スクリャービン:24の前奏曲 作品11より第16曲:変ロ短調
・スクリャービン:4つの小品 作品51より第4曲:やつれの舞曲
・スクリャービン:2つの舞曲 作品73より第1曲:花飾り
・スクリャービン:ピアノ・ソナタ第7番 作品64『白ミサ』
・ラヴェル:高雅にして感傷的なワルツ
CD2
・シューマン:森の情景 作品82
・リスト:巡礼の年第2年『イタリア』より第7曲『ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲』

アンコール:
・J.S.バッハ:オルガン協奏曲第5番ニ短調BWV596より『シチリアーノ』
・チャイコフスキー/ヴォロドス編:16の子供のための歌 作品54より『嵐の中の子守唄』
・スクリャービン:3つの小品 作品45より第1曲:アルバム・リーフ

アルカディ・ヴォロドス(ピアノ)

以前聴いたリストのアルバム http://musicarena.exblog.jp/7468913 は一貫して無機質かつタイトな解釈であったが、スクリャービンはじめ、ここに入っている曲はいずれも自由で開放的な弾き方で肩肘は張らないしそれなりに楽しめる乗りの良さがある。

スクリャービンは解釈も演奏も超弩級に困難な作品ばかりであるが、その呪術的で危うさを伴った作風を巧く弾き出している演奏と言えるであろう。不安定極まりない拍子に殆ど破綻した和声というか不協和音、そして不連続なスケールと線が見えない複雑な調性、そして繰り返される執拗な転調をヴォロドスはその独特のピアニズムで軽々と表現して見せている。

そしてまたValse nobles et sentimentales(高雅で感傷的なワルツ)は予想以上に良い出来であって、浮遊するような中抜きの増四度コードを中心として精緻かつ大胆に刻む。ラヴェル独特の大きく弾む三拍子を自由自在に弾き進んでいく。

二枚目のシューマンはまずまずだが新しさは見いだせず、またリストのダンテ・ソナタはちょっと肩に力が入り過ぎなのか平坦で遊びのない、逆に言うと前回リスト録音と同様に無機質で温度感が低い解釈となっている。ひょっとするとこの人はリストは余り得意とはしていないのかも知れない。もうちょっとやりようがある気もするが、ライブということを考えるとこんなものかも知れない。

アンコールはいずれも短い小品で、どれもがタッチが細やかで出来映えが良いしそれなりのインパクトもあって、アンコールとしては佳作だ。

ソニーは相変わらず話題性の独自開発によって価値創造を推進するという、この会社らしいマーケット路線を歩んでいるようだ。

(録音評)
ソニーミュージック、88697639622、SACDハイブリッド2枚組。録音は2009年3月、ウィーンの楽友協会大ホール(ムジークフェライン・グロッサー・ザール)でのライブ収録。音質はソニーとしては破格の優秀性を誇る。直接音と間接音のバランスは良好でヴォロドスのピアノの定位もきちんと真ん中で決まっている。タイトであったりソフトであったりと変幻自在・デリケートなヴォロドスの指先が鍵盤にタッチする瞬間の音(Fingar to Key noise)までもが明瞭に収録されている。

そして、スタインウェイの音が紛れもないムジークフェラインの黄金の残響にきっちりと包まれている。オケではなくてピアノ独奏で聴いてもちゃんとあのムジークフェラインの音がするから笑ってしまう。録音が優秀なのは認めるがムジークフェラインの黄金分割比の周波数帯域でまろぶような残響を放散するというホールの形質要素が半分以上ある気がする。


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