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2010年01月05日08:41

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【バレエ】マールイ(レニングラード)「白鳥の湖」(3日マチネ・ソワレ) その1


2010年最初のバレエ鑑賞(DVD)は、華やかな演目ということで「眠り」。

数あるお皿の中から選んだのは、名盤の誉れ高いロイヤルの映像です。
(もちろん、最近発売になった方ではなく、古い方ですよ。(^^))
オーロラ姫をデュランテさん、カラボスをダウエルさんが演じる、アレ。
私が最近のロイヤルにぶつぶつ言うのは、
この時代のレベルが念頭にあるからなんです。(uu;)

ですから、当時のロイヤル(しかも現地で!)や、
全盛期の森下さんの舞台をご覧になっているともさんが、
実に羨ましいです。まさに「記憶の宝」ですね。(^^)

ところで、目覚めのシーンにおける王子の不審な挙動についてですが、
初演台本にあたったところ、かつてのフロリムンド王子は髭面で、
オーロラの美しさに思わずキスをしてしまったところ、
髭がオーロラの頬に刺さり、イテテっと彼女は目を醒まします。
そのため王子は「あっ! やべっ!」と慌てて逃げ出し、
離れたところからこそっと振りかえるのです。(^^;)

では、なぜ現在の王子に髭がないかというと、
オーロラ役の女性から本当に痛いからやめてとクレームがつき、
王子の不審な動きのみが残った...というのは、まったくのウソです。

...年明け早々、つまらない冗談ですみません。(uu;)

       *     *     *

お皿に続き、年明け最初の生舞台はマールイの「白鳥」。

今シーズンのマールイ公演、観る前は、嬉しくもあり、不安でもありました。
なにしろ芸監がいないのです。(uu;)
ルジさんは芸術顧問の肩書きとなり、ミハイル・メッセレルさんが、
首席バレエ・マスターとしてその代役を務めることになりました。
(メッセレルさんって、もしかしてかつて東バを教えていた方?)

さらに今年に限らない不安として、
「年明け&マチネのスロースタート」というのもあります。
「おとそ気分が抜けない/まだ頭が醒めていない」
と言ったところでしょうか。オケが派手に音を外したり、
ダンサーたちもいまひとつぴりっとしない傾向にあります。

ところが!
実際の舞台は、想像していた以上に良い出来でした!

まずオケ(年明けからは、本来のハコ付き管弦楽団)ですが、
マチネはあちこちで外したり暴走しかかったりと、
けして誉められるものではなく、
ソワレもベストな状態ではありませんでしたが、
例の暴力的ともいえる迫力は健在で、
コンマスさんの艶のある音色は聴き惚れてしまいます。(^^)

指揮者は新顔のアナトリー・リバルコさん。
プログラムに経歴はいろいろ書かれていますが、
バレエ・オケの経験はどうなのでしょう。
マチネでは突っ走るオケを制御できず、
コシェレワさんやキャラクター・ダンサーたちが可哀想でした。(uu;)

マチソワの間でダンサー側からクレームが付いたのか、
ソワレではそのあたりが改善されていましたけどね。
カテコでの笑顔は、暮れに観た(聴いた)大井さんのようです。(^^)

昨年の不出来もあって、オケに次いで心配だった群舞でしたが、
暮れに放映されたタミさんの「ジゼル」の舞台とは比べものにならないほど、
改善されていたのには正直驚きました。(@_@)

私は1階の比較的前方で観ていたのですが、
32人の群舞、揃って足音がしないのです!
私より8列ほど後ろでご覧になっていた師匠によると、
静かな足音が片側からのみ壁から反響していたとのことでしたが、
私の席では音がすべて上に逃げてしまうのか、
上手なダンサーがひとりで踊っているかのような時もあったほどでした。
さすがにソワレでは疲れが出てきたのか、足音が目立つ人もいましたが、
それでも静かな部類に入ります。

もっとも、たまに主役を踊る人がさりげなく混ざっていたりと、
反則なところもありますが、(^o^)
全体的にレベルが底上げしていて嬉しい限りです。
まだ最盛期のレベルにはありませんが、去年の悲惨な状況を思うと、
進化のスピードはさすがロシアのバレエ団です。(^^)

伸びていたのは群舞だけではありません。
新しい顔ぶれも、伸び幅はまちまちですが、
着実に進化を続けていました。(^^)

今後注目したいダンサーとしては、
「くるみ」の時にも触れましたが、ミハイル・ヴェンシコフさん。
マチネでチャルダッシュ、ソワレでロットバルトを担当。
素顔は王子役が似合いそうなのに、シェミウノフ君路線?(^^;)
細かった体の線も逞しくなり、次の舞台が楽しみ。(^^)

「マールイの弱点」と言われ続けてきた男性陣ですが、
そのあたりは首脳陣もわかっていたようで、
オマールさんやツァルさん、アルジャエフさんといった、
将来有望そうな人材も現れつつあり、
それに触発されたのか、他の男性陣も良くなってきています。(^^)

ケフマン&ルジさんの欧州重視・戦力分散政策のため、
相対的にレベル・ダウン著しかった女性陣も、
フィルソワさん、ノヴォショーロワさんといった中堅陣の頑張りと、
新しい面子の成長もあって、かつての輝きを取り戻しつつあります。

注目株としては、
大きい/2羽の白鳥を担当したダリア・エリマコワさん、小柄なチーカちゃん、
そしてミリツェワさんのように八面六臂の活躍のカミロワさん。(^^)

ミリツェワさんといえば、
今回参加していないのは、産休なのだとか。
おめでとうございます! (^^)

そして出産といえばステパノワさん。
今回はソワレでトロワの一角を担っていました。
このソワレのマチネがまた豪華で、
他の2人はロマチェンコワさんとプローム君。

昨今の来日バレエ団は若手養成編成のため、
どうしても物足りなさがつきまといますが、
(マールイも、ソワレを観てしまうとマチネの面子はまだまだですね)
久しぶりに充実のトロワを観た気分でした。(^^)

特にステパノワさんの復活振りは見事で、
産休明けのレベル・ダウンなど微塵も感じないどころか、
これまでのキレのよい動きに優しい雰囲気も加わり、
レベルアップして舞台に戻ってきていました。(*^^*)
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