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2009年12月28日07:07

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【バレエ】新国「くるみ割り人形」(26日)

新国の新制作「くるみ」のキャストが発表になった時、ちょっと悩みました。
クララと金平糖の精が別役だったからです。
26日(金平糖@さいとう/王子@マイレン/クララ@小野)は即決でしたが、
問題はもう一日(金平糖@寺島ひ/王子@貝川/クララ@さいとう)の方。

昔の新国と違い今の新国には、
同じ演目を立て続けに観たくなるような魅力は残念ながらありません。
...でもさいとうさんのクララ、可愛いだろうなぁ。(^^;)

ソーモアちゃんにも改善の兆しが見えてきたことだし、
寺島姉さんの進化を期待して、
結局、2日分のチケットを手配することにしました。

その寺島さんについては、
残念ながら満足することができませんでしたが、
公正を期すために、若干補足したいと思います。

師匠情報によると、
寺島さん、どうやらどこか痛めてしまっているようです。
あくまでも噂レベルの話ですが、
配役表によると彼女は26日、アラビアを踊る予定になっているのに、
実際の舞台は別の人でしたから、本当の可能性があります。
ただし、その怪我が私の観ていた時のアクシデントだったかは不明です。

またグランパに満足できなかったのは、
寺島さんだけのせいではありませんでした。
妙な振付だとは思っていましたが、改めてよく観ると、
パのつながりにかなり無理があるのです。
寺島さん、あなただけのせいにして、ごめんね。f(^^;)
(前の日記にも注釈を入れておきます)

       *     *     *

さて、本命26日の舞台の様子です。

冒頭の小芝居、私の記憶違いでなければ、
バージョン違いがあるようです。(^o^)
細かいところを少しずつ変えていました。
ダンサーたちのアドリブなのかな。

クララは現在注目株トップの小野さん。
さすがにさいとうさんと比べてしまうと、まだ物足りなさはありますが、
等身大のクララという雰囲気で、やはり可愛い。(^^)

ねず軍団と鉛の兵隊たちの戦いでは、
くるみ割り人形がサーベルを構えると、
ねずみの王様も部下に剣をもってこさせるのですが、
戦う前に部下の一人を試し切り。(^^;)
仲間のシッポで刃を研ぐ演技は観たことがあるのですが、
それもここだったかな?

訂正をひとつ。
鉛の兵隊たちは、男性ではなく女性でした。
24日の舞台を観る前に、「男性」と記していた感想をどこかで読み、
なるほどそうなのか、と思ってそのまま書いてしまいましたが、
少なくとも26日の小柄な兵隊さんたちは女性のようです。混成なのかな?

雪の女王は堀口さん。
前半は慌ただしい踊りでしたが、
後半は長い手足を生かした優雅な動きもちらほら。
群舞たちも24日より動きが滑らかになっていました。
まさに10の訓練よりひとつの実戦。(^^)
こういう変化を観るたびに、
日本のバレエ団の公演数の少なさを残念に思います。(uu;)

中国の女性が長田さんから寺島まゆみさんへ。
衣裳やメイクが妙に似合っていて可愛い。(^o^)

配役の変わった葦の精が、さらにパワーアップしていました。
長田さんは当然として、高橋さんと大和さんが上手くなっていたのは、
嬉しい驚きです。(^^)

そして圧巻のグランパ。
あの変な振付を破綻させなかったさいとうさんは大したものです。
(かなり苦労している様子でしたが。)
男性パートはさほど手をいれてないのですから、
女性パートも変な小細工しなければいいのに。(uu;)

そして彼女もまた進化していました。(*^^*)
昨年の波乱の「シンデレラ」では、上手ではあるものの、
まだ風格は感じられなかったのですが、
24日の愛らしいクララから一転、優雅で上品な姫様に。

新国以外の舞台では、どこで何をしているのか知りませんが、
地道な努力を続けているのでしょう。
これまでは似合う役の限られるダンサーでしたが、
その殻を破った今後の活躍に期待です。(^^)

彼女を現時点での新国女性ダンサーのトップとするなら、
男性はマイレンさんでしょう。
ほかには違うタイプとして山本さんくらいしか思い浮かびません。
やはり公演数の少なさがもったいなく思いますが、
上背のない彼は、マールイから移籍したのは正解のようです。

そしてオケ。
本当に東フィル、どうしちゃったの? というくらいの出来。
もともと力のあるオケではありますから、
「ふん、ちょっと本気だせばこんなものさ」
というセリフが聞こえてきそうで、にくたらしいですが、(^O^)
今回は感謝の気持ちを込めて大きな拍手を贈ります。

指揮者の大井さんも感じの良さそうな方ですね。
ちょっと腰の引けた、でも嬉しそうな笑顔がなんともいえません。
次の舞台もよろしく!(^^)


牧版「くるみ」、
ダンサーとオケについては好感の持てた舞台でしたが、
舞台装置と演出、振付には不満がいろいろあります。

一見豪華な舞台装置ですが、無意味な小細工ばかり目立ち、
お金をかけていそうな割には印象に残りません。
どうせやるならロイヤルやパリオペ、 Kのようにとことんやるか、
でなければシュツットガルトのようにアイディアで勝負すべきです。

演出も、現代の少女が過去へトリップするというシチュエーションや、
ドロッセルマイヤーがサンタクロースだったというアイディアは、
版の多様性という意味では悪いとは思いませんが、詰めが甘い。

イブの晩、何もない部屋で嬉しそうにひとり人形遊びしている少女、
という設定がそもそも不自然です。
これではわざわざ少女を過去へ連れていく動機が曖昧です。

そこで一工夫、たとえば小さなクリスマス・ツリー、
テーブルには一人分の食事、プレゼントも用意されているけれど、
「いい子にしてるのよ」と少女を置いて出掛ける両親。
行かないで、と悲しそうにすがるも独り取り残されれば、
可哀想な少女にサンタが同情した、ということになります。

そして次の場面に、優しい両親に加え唐突に弟がいても、
普段から彼女は独りで寂しく、せめて兄弟がほしかったのだな、
と解釈することもできます。

人形の国に行っても特に歓待される様子もなく、
(くるみ割り人形を助けたから招待されたんでしょ)
ひとり粗末な椅子に座って人形たちの踊りを観ているだけ。
小野さんのような実力者をせっかく配役しているのですから、
著名なロイヤル版のように人形たちと絡ませるなどの、
工夫があっても良いのではないでしょうか。

結局、ただ踊りを見せられているだけなので、
彼女が人形の国を離れる時も、観る者に未練を感じさせません。

次回は、新芸監の手による大胆な改訂版を期待です。

(つづく)
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