mixiユーザー(id:3210641)

2009年12月25日12:22

75 view

【バレエ】新国「くるみ割り人形」(24日)

しまった、かぼちゃを食べ忘れた...。(>_<)

       *     *     *

ワイノーネン版の契約が切れたため、
今冬の新国「くるみ」は牧版新製作です。

牧版はいろいろ観ているので、最初から期待はしてませんが、
不安を掻き立てる感想が、すでにあちこちから聞こえてきます。(uu;)

幕が上がると、クララがひとり人形遊びの最中。
窓の外には新宿(?)の高層ビル群が描かれ、
彼女の部屋も、どうやら超高層マンションの上層階のようです。
クリスマス・イブだというのに、IT長者(?)の両親はお仕事でしょうか。

舞台装置が動きだし、彼女は小雪の舞う街の雑踏へ。
行き交う人々の中には、ストリート・ダンサーや待ち合わせ中の女性も。
暇を持て余した女性、ダンサーの踊りを写メし、ついでに挨拶。
そこへダンサーの彼女がやってきて、「なにやってんのよ、もう!」
「うるせーな、ちょっと挨拶してだだけだろ」

引き気味の写メ女性の元へ待ち合わせ相手がやってきます。
「ごめんごめん、仕事が片付かなくて...」
「もう! クリスマス・イブだっていうのに、さいってー!」
「わるかったよ〜。ほら、プレゼント! これで機嫌直して。」
「え〜っ!? なになに♪」

ほかにもローラースケートをしててぶつかりそうになる人など、
あちこちで小芝居が。(^o^)

人混みの中から怪しい風体の男がやってきて、クララに挨拶します。
...彼がドロッセルマイヤーのようですが、恰幅がよく、
色違いのひげ男爵を連想してしまいました。f(^^;)

黒子ならぬ青子が2人やってきてクララをリフト、
彼女はウェンディのように街の人々の頭上をゆったり飛び回ります。
「なんだか夢を見てるみたい...。」

はっと気付くと、そこはシュタインバウム家のクリスマス・パーテイ会場。
素敵なお父さん(逸見さん)、優しそうなお母さん(楠元さん)、
やんちゃな弟(八幡君)がいて、招待客たちのさざめきも。

あ、遅くなりましたが、クララは新国ダンサーの贔屓のひとり、さいとうさん。
「シンデレラ」の様子から予想していたとおり、愛らしいクララです。(^o^)

このあとの展開は、よく知られている物語のとおりで、
顕著な変更点をいくつか挙げると...。

ハレーキン、コロンビーヌに続いて踊るのはムーア人ではなくトロル。
名前からするとノルウェーの妖精をモチーフとしているようですが、
緑色のウニから体と手足が生えたような風体。
演じるのは吉本さんですから、それなりに魅せてはくれますが、
トロルって、こんな奴だったっけ...? (・ ・)


ここで生舞台ならではのアクシデントがひとつ。
ドロッセルマイヤーがくるみ割り人形を「じゃじゃーん!」と出すところで、

ごとっ。(床に何かが転がり落ちる音。)

最初はマントに隠れて見えませんが、
落ち着き払って彼が拾い上げたのは、
くるみ割り人形の“首”。

...。(^^;)

当然のごとく胴体に嵌め込み、
にこやかに微笑みながらクララに渡す様子は、
さすがベテラン森田さん。(^o^)

でも、その後フリッツに人形を壊されクララが泣く場面では、
思わず心の中で、「それはね、最初から壊れてたんだよ」。

ドロッセルマイヤーがフリッツを叱る時も、
思わず心の中で、「先に壊したのはあんただろ」。(^^;)


パーティーも終わり、代わってねずみたちの宴の時間。
このねずみたちの衣裳が、なんというか、実に印象的です。(^^;)
よその版のねずたちは、マールイのダンディな連中にしろ、
Kのロイヤル譲りのリアルな奴らにしろ、
いちおうボクら、ねずみなんですよー、という感じですが、
ゆうべのねずたちは、...化け物?(^^;)
外国のイラストレーターが描く、童話に登場する動物のおばけみたいで、
さながら動くぼろ雑巾。個人的には、ちょっとイヤかも。(^^;)

鉛の兵隊とねずたちの戦いでは、いきなり大砲が出てきてドカーン!
ねず王、たまらず耳を押さえ、こんどは指が抜けなくなるギャグ。
これ、どこかで観たことがあるのですが、前もここでやってたのかな?

くるみ割り人形が王子に変身し、
彼に導かれて雪の精たちが舞う中、人形の世界へ旅立つクララ。
やはりさいとうさん、上手いですねえ。(^^)

雪の女王は湯川さん。
...粉雪というよりは、金属の粉のような踊りでした。
シャキーン! とか、パキーン! といった擬音が聞こえてきそうで、
元気で溌剌、といえなくもないですが、
なんかせせこましくて私の好みではありませんでした。
「女王」としての風格や余裕もないし。

群舞たちも、この女王にしてこの臣下あり。(^^;)
勢いがあるのは認めますし、
演出によっては直線的な動きが求められる場合もありますが、
「くるみ」のこの場面は、もう少し優雅であってほしいなあ。(uu;)

登場場面では、いきなり足音がガツガツガツ! ときて、
ひ〜、かんべんしてくれ〜!(>_<) でしたが、
すぐに修正をかけてきたのは感心感心。(^^)

群舞の後半、盛り上がる音楽とともに粉雪たちが乱れ舞い踊る場面が、
雪の女王のヴァリエーションに変更されていました。
振付家の意図はわかりますし、たとえばヴィシニョーワさんや、
アレクサンドロワさんだったら、成功していたかもしれません。
でも、ゆうべは残念ながら音楽に力負けの舞台でした。(=.=)

クララの笑顔とともに、一幕終了。

いろいろ書きましたが、前半はそれなりに楽しめました。(^^)
その一因が、東フィルのくせに? 出来の良いオケ。やるじゃないか〜。(^m^)
席がオケピに近く、編成も大きかったのだと思いますが、迫力もあって、
いつもこのくらいやってくれれば、「さすが東フィル」と言われるのに。(uu;)


さて、問題の2幕です。
ボヤチー版のように人形たちが勢ぞろいし、順次踊りを披露するのですが、
手を加えられた振付が悪いのか、ダンサーの技量が足りないのか、
はたまたその両方なのか、いずれにせよ物足りない。

スペインは湯川さんと古川さん。
湯川さん、元気はあるけれど、スペインじゃない。
古川さんも、なんかちがう。(uu;)

アラビアは...たしかに地政学的にはエジプトも中東に含まれるし、
アラビア語圏ですが、ホントにこれでいいのでしょうか?(^^;)
というのも、人形に合わせて背後に背景画が表われるのですが、
描かれているのはピラミッドとスフィンクス。
ダンサーの被り物もツタンカーメン王みたいなんです。(^^;)
そして体の固い厚木さんを充てる配役もどうかと...。

中国、これはもう、振付がつまらない。
なにしろ踊り手は長田さんと吉本さんですからね。
せっかくのダンサーがもったいない。

トレパックは良かったです。
八幡さん、福田さん、福岡さんたちが頑張ってました。
拍手もたくさんもらっていたし。(^^)
(バリノフさん、大事でないと良いのですが...。)

葦の精は女性3人のトロワに。
この振付、個人的には気に入りました。(^^)
寺島まゆみさん、小村さん、細田さんたちもまあまあ。
もっともまゆみさん、ブログで「とても難しい」とこぼしているようですが、
このくらい平然とこなせるダンサーを目指さないと!

そして金平糖の精(寺島ひろみさん)と王子(貝川さん)のグランパ。

24日を選んだのは、第1にさいとうさんのクララが観たかったからですが、
もうひとつ、最近まゆみさんが伸長してきているので、
お姉さんもどのくらい上達したかな? と確かめたかったからでした。(^^)

結論から述べると、残念ながら進歩の跡は見られませんでした。(uu;)
最初はなんとなく音楽に合わせてはいますが(そこで騙されるんだろうな)、
次第に馬脚が表われ、最後はもう好きにして状態。(^^;)
手足の使い方も空間を形成するどころか、滑らかな曲線すら覚束なくなってきます。
妹と同じ練習してるはずなのに、なんでだー???

*次の日記に記したように、振付の出来も悪く、
彼女だけが悪いわけではありませんでした。

熊さんの弁ではありませんが、人気と実力は必ずしも一致しません。
その代表例が草刈さん、上野さん、ソーモアちゃん、そして寺島さんです。

この中では、
草刈さんはベテランだけあって自分の長所短所を把握しており、
短所を隠し長所を目立たせる工夫をしていたので、
演目によってはそれなりに観られるものもありましたが、
寺島さん、ソーモアちゃんは、まわりにちやほやされているためか、
自分の欠点、実力を理解していないのが問題のようです。
(自覚してたら、もう少し伸びてるもんなー。(uu;))

貝川さんは...相変わらずメリハリのない、
のへら〜っとした踊りしてるし。(uu;)

それにしても東フィル、へたっぴはほんとにリストラされたのかな?
最後まで気合の入った、良い演奏でした。ありがとー。(^^)/

       *     *     *

物語にはエンディングがあり、ひげ男爵の秘密が明らかになるのですが、
舞台はまだ続いているので、そこには触れないことにします。(^^)
0 9

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2009年12月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031