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2009年12月10日12:58

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【バレエ】マリインスキー「イワンと仔馬」(9日)

今回の来日公演で、いちばん楽しみにしていた日でした。(^^)

生で観るのは初めてというのもありますが、
まさにボリショイのためにあるようなこの作品を、
マリインスキーのダンサーたちがどう料理してくれるのか。
なんか、わくわくしますよねー。(^o^)

そして2時間半後、ほくほく気分で上野を後にしました。(*^^*)

       *   *   *

ボリショイのDVD(せむしの仔馬)を観た限り、
この作品、やはり優雅なマリインスキーのイメージじゃないですよね。
脳裏を「明るい小川」がフラッシュバックし、
ボリショイでは現在も上演されているのだろうか、
次に来日するとき、もってきてくれないかなあ、
と思いつつ、上野の窮屈なシートに収まりました。

そしたら...。
ラトマンスキーさん、そうきましたか!(^O^)

DVDは映像が古いというのもありますが、
こてこてのラドゥンスキー版とはうってかわり、
衣裳も舞台装置も演出もシンプルですっきりし、
コンテ作品を観ているかのようでした。
真っ先に思い浮かんだのはノイマイヤーさんの名前、
といったらイメージが伝わるでしょうか。(^^)

イワンたちの小屋は赤い長方形の板ですし、
屋外か屋内かは空にでっかい月の有無だけですから、
物語を予習しておかないと、最初はわかりづらいかもしれません。
(そのへん、ロシア人にはデフォなのでしょうね。あ、日本でも有名か。)
そこを乗り切ってしまえば、あとはぐいぐい、
寓話の世界へひきずりこんでくれます。(^^)

ラドゥンスキー版では、小麦畑を荒らしているのは雌馬だけですが、
ここでは2頭の黒馬(衣裳は黒くないぞー。(^o^))も一緒で、
3頭が舞台を駆け回り、イワンが必死におっかけまわします。

黒馬がまた古いアメリカのCMにでも出てきそうなヘンな2人組。(^O^)
そして雌馬を演じたのが、前回の来日から大進化、
将来への期待度大のコンダウーロワさん。(^^)
馬の耳と、たてがみを兼ねた大きな小麦色のウィッグを付けているのですが、
それでも全体のプロポーションがおかしくならないのはさすが。
手首から先をおりまげたポーズ、馬をイメージした特異な動きにもかかわらず、
なぜか可愛らしい。白鳥、リラ精に続き、またまたファンを増やしたことでしょう。

彼女を追いかける、3馬鹿兄弟の末弟イワンはミハイル・ロブーヒン君。
観る前のイメージでは、サラ坊はまり役だよなー、と彼で観たかったのですが、
どうしてどうして、いい味だしてました。(^^)
途中、ちょっとバテてる? というところもありましたが、
元気で明るく、優しいイワンを好演。彼のバジルやロミオも観てみたいかも。

そしてもうひとり、今後が楽しみなのが、仔馬役のイリヤ・ペトロフ君。
ダンサー・プロフィールの後ろのほうに名前があるだけで、顔写真もなく、
おや? と思ったら、2008年にワガノワを卒業し、バレエ団と契約、とあります。
...てことは、ハタチ前?(@_@)

まだハデさはありませんが、動きにつながりがあって、踊りが綺麗なんです。
イワンとシンクロして踊るパでも、ロブーヒン君にきっちりついていくし、
そしてテリョーシキナさんではありませんが、
つい頭を撫でたくなる愛らしい仔馬をみごとに演じていました。(^^)
ボリショイでは女性が演じており、「仔馬」(ポニー)ですから、
小柄なので役や相方は限られてしまいますが、彼もまた注目株です。

場面は王宮に変わりますが、
王様の椅子もベッドも積み木のような黄色と緑のハコ。
衣裳もできそこないのサンタクロースみたいです。

王様は小柄なアンドレイ・イワーノフさん。
彼はテクニシャンなので、踊りを観られないのは残念ですが、
頭のネジを1ダースくらいどこかに置き忘れたような王様に、
なんども吹き出しそうになりました。(^o^)

彼と漫才コンビを組むのが、侍従のイスロム・バイムラードフさん。
今回はカラボス、スペインと要所要所を締めてくれて、
ありがとう! といいたいです。(^^)
じっと立っていると、ちょい悪でかっこいいのですが、演技はコミカル。
そのときどきの心情が手に取るようにわかり、セリフが聞こえてきそう。

それにしてもラトマンスキー版、タイトルを
「魔法の仔馬とお馬鹿さんたち」と変えたいくらいです。(^O^)

王様の付き人として6人の女性が登場しますが、
2人ずつ衣裳の色を変え、3組のペアとして振付られています。

図らずもこの6人が、
今回私が群舞やソリストたちについて言いたかったことを、
わかりやすく証明してくれました。(^^;)

最初に出てくるペアは、そこそこ上手と思ったら、
ひとりはシリンキナちゃんとともに評判が良かったヤナ・セーリナさん。

次いで出てくるペアは、マリインスキーの群舞なら、
まあ、最低でもこのくらいの踊りはしてもらわないと困るレベル。

そして足音も高く登場した3組目は...以下自粛。


第1幕は、黒馬と侍従の地位を交換したイワンが、
降格された侍従の奸計にはまり、姫君捜索の旅に出発したところで幕。

第2幕は、イワンと仔馬が火の鳥の群舞に乱入し、
姫様を捕まえる場面から始まります。

火の鳥たちの出で立ちが、スーパーサイヤ人とでもいいましょうか、
いちど観たら忘れられないデザインをしています。(^O^)

姫様、長〜い髪を1本の三つ編みにしているのですが、
この髪がイワンや王様につかまれたり、
片手で小さく回して姫様の不満を表現したりと、
印象的な小物として活躍します。(^^)

この不思議の国の姫様を演じたのがテリョーシキナさん。
マリインスキーでは珍しい、ステパ姐さんやアレクサンドロワさん系列の、
男前ダンサーです。(^O^)

彼女を初めて観たのは、
マールイにゲストとしてルジさんが連れてきた時で、
当時は上手だけれど荒削り、この程度のレベルなら、
マールイのソリストでいいんじゃない? でした。
でも、観る者を引きつける踊りをする人でもありました。

その後観るたびに腕を上げ、ゆうべはさらにまた進化していました。(^^)
雑な部分が影をひそめ、
こんなやわらかな踊りもできるようになったのか、とうっとり。(*^^*)

プリセツカヤさんの姫様は、おとぎ話の定番の愛らしい姫様だったので、
観る前はテリョーシキナさんのイメージではないんじゃないかなあ、
と思っていたのですが、ラトマンスキーさんの演出なのか、
それとも彼女のオリジナルなのかはわかりませんが、
ちょっとお茶目な姫様で、こんなかわいい演技もできるんだ、と感動。(^o^)

姫様を連れて来たと思ったら、
イワンは再び侍従の計略で、こんどは海底に指輪を取りに。
(海の女王はコンダウーロワさん!)
そして戻ってくると釜ゆでにされそうになるものの、
仔馬の魔法で王子に変身、王様は鍋の具となってメデタシメデタシ。(^o^)

熱湯の釜ですが、透明の立方体(というか上から見ると「コ」の字型)で、
観客側に薄い水槽があり、下から泡が立ち登る仕掛け。
放り込まれたイワンは、臣下たちが目を背けているうちに、
仔馬が持ってきた王子の服に着替えるという算段ですが、
ここは魔法なのですから、もうひと工夫ほしいところ。(^^;)

では、ワシも! と飛び込んだ王様は、
手前の水槽にへちゃっと張り付いたまま、
じっとそのかっこうで物語が終わるのを待ちます。お疲れさま。(^^;)

最後はオケの演奏が続く中、
登場人物たちが次々と登場してご挨拶。

仕事の疲れを忘れさせてくれる、
楽しいひとときでした。(*^o^*)

忘れてならないのが、オケのマリ管。
指揮はゲルギーさんではなくレプニコフさんでしたが、
気合いの入った良い演奏でした。やはり音の厚みと迫力が違います。
ここまで違ってくると、「白鳥」「眠り」もこのオケで観たかったなあ。(uu;)

       *   *   *

うわさのメモ男、目撃してしまいました。(^^;)

近所でなにやらごそごそ落ちつかない奴がいるので、
何をしているのだろうとチラ見していたところ、
暗闇の中で下を向き、メモを取っているのです。
でも、その間も舞台の上ではダンサーたちのパフォーマンスが。

...ばかだなあ。(^^;)

舞台の上も下も、お馬鹿さんばかりの日でした。(^O^)
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