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2009年10月26日13:30

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【音楽】Beethoven, Britten: Vn-Cons@Janine Jansen, Paavo Järvi/DKB, LSO

デッカの新譜で、今はレーベル切っての実力派=ジャニーヌ・ヤンセンとヤルヴィが振る二つのオケによるベートーヴェンおよびブリテンのVnコン。録音はこの夏で、なんと7〜8月という。リリースまで僅か一ヶ月という異例の速さには驚く。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3655951

Beethoven: Violin Concerto in D major, Op.61
Deutsche Kammerphilharmonie Bremen

Britten: Violin Concerto in D minor Op.15
London Symphony Orchestra

Janine Jansen (Vn), Paavo Järvi(Cond)

ユニバーサル傘下となったデッカだが、女流Vnでは以前よりこのジャニーヌ・ヤンセンを立てて頑張ってきており、本家DGよりも血気盛んなリリースが続いている。しかも、ここへ来てもう一人の気鋭女流=ユリア・フィッシャーもデッカへ移籍しなかなか充実したVn陣と言えようか。

さて、このアルバムの冒頭はベトVnコンで、今更ながら相当にベタな内容かと想像される。確かにこのベトはとても流麗でサラサラと流れる端正なもの。パーヴォの指揮は折り目正しく、この曲の第二の特徴ともなっているティンパニの活躍をしっかりとサポートしている。つまりアインザッツでの的確な打ち下ろし、正確なフェルマータの遵守など透明性を維持するための注意を随所で配っているのだ。ジャニーヌのVnはすっきりとしつつも突っ込みどころは濃密で、そして全体にゆとりある弓捌きは堂々たるもの。ここまでじょうずに、しかもさも簡単そうに弾かれてしまうと20世紀のヴィルトゥオーゾ達、たとえばコーガン、ミルシテインやスターン、ハイフェッツの事大じみた演奏は何だったのかと思ってしまう。カデンツァは奇を衒わずフリッツ・クライスラー版を採用して肩肘を張らず無難に弾き抜けている。

目玉はベトではなくてブリテンのVnコンだ。この曲は規模が大きくてより自由な形式、そして調性が崩壊したような不明瞭なパートも多く、またオケにも独奏Vnにもかなりの技巧を要求する作品だと思うのだが、ここでのジャニーヌはベトとは打って変わって闊達で激しく、そして鋭敏な演奏を見せる。独特の夢遊感、そして不安を煽るような不協和音、そして苛烈なリズムと極端な対位法表現・・・。この大作に対してパーヴォもジャニーヌも渾身のチャレンジを見せていてなかなかに聴き応えのある演奏となっている。ことに2楽章の色彩感とアチェレランドは手に汗を握る展開、3楽章のフラジオレットやダブルストップの嵐はジャニーヌのテクニック全開といった趣で聴き飽きない。良い演奏だ。

(録音評)
DECCAレーベル、4781530、通常CD。ベトとブリテンでは音質がかなり異なる。ベトの方のオケはドイツ・カンマーフィルで録音は2009年7月31日と8月2日、独ハンブルグのFriedrich Ebert Hall、ブリテンは2009年7月18〜19日、アビーロード・スタジオ(#1)とある。ベトの方は少々オフマイクで音色は暖色系、豊かなホール残響が特徴的な録音だ。決して高解像度ではないが少し遠方にサウンドステージが展開する大人のサウンド。ブリテンの方は少々オンマイクで高解像度録音、ジャニーヌのVnがかなりリアルに出現して定位する。しかし不自然な音場展開ではなくスタジオ録音とはしては非常に自然な器楽配列を示す。どちらもレンジは非常に広く、特に超低域までくっきりと捉えられている。ティンパニやコンバスに関しては凄い低音が録れていてウーファーから風が吹くくらいだ。


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