大江戸線の車内放送って、路線バスのノリなんですね。
駅名の後に、お店の宣伝が。(^o^)
* * *
司
ジュテって大変でしょ?
都
ひとつのステップを繰り返し練習するのは小さい頃ですね。
今は流れで練習をしています。
司
日本では、バレエはお稽古で終わってしまう。
都
日本のバレエ環境は厳しいですね。
わかればわかるほど、違いすぎると思います。
司
英国のパスポートコントロール、バレエ・ダンサーよ、というと、
ほとんどフリーパス。がんばれって、笑顔もくれる。(笑)
都
一般の人の認知が大きいですね。
司
舞台が終わると、観客がずーっと拍手してくれるけど、
疲れてしまうんじゃないかと思うって、言ってたよね。(笑)
都
日本のお客さんは暖かいですね。
公演中は静かですけど、最後に拍手をたくさんくれます。
司
ブーイングってある?
都
悪役にはありますけど。(笑)
司
むこうは悪いと拍手しないよね。
ところで、日本のバレエ教育に欠けているものは?
いいにくいと思うけど。
都
アーティストを育てるのは大変ですね。
時間がかかりますから。でも、日本では時間が足りない。
技術的なことを学ぶだけでも足りないですから、プラスαは難しいですね。
司
アーティストを育てる意識が少ない?
都
そうですね。
むこうはダンサーにプリンシパルの可能性を感じると、
まわりが手助けしてくれます。周囲の人が盛り上げるんです。
司
スーパーバレエはどうでした?
都
あれはチャレンジでした。
伝えたいことの10分の1も伝えられませんでした。
もっとも、私の20数年分ですから、仕方ないですけどね。
司
ピーターさんは、あなたのことを、真面目で謙虚、
ひっぱり出すのに時間はかかるけれど、
素質を中に持っている、と言ってた。
都
何年もかけて、気長に育ててくれました。
自分が教える立場になった今、ピーターをお手本にしたいけど、
なかなかうまくいかないですね。やはりピーターの人柄なんだと思います。
彼ほどダンサーの立場にたってアドバイスしてくれる人はいない、
とみな言います。あたたかいんですよね。厳しい言葉にも暖かいものがある。
だから彼にアドバイスを受けたがる人がたくさんいます。
司
日本の群舞、どうでした?
こないだアメリカ(のバレエ団。NYCBのことかな。(^^;))
もきてたけど。(笑)
都
ロイヤルみたいなところがほかにもあったんだなーと。(笑)
日本の群舞はほんとに揃ってますね。
でも、日本の場合、ひとつの作品に何週間もかけるでしょう。
ロイヤルでは、あれだけ時間をかけることはできないですね。
また群舞にいい子がいたら、ピックアップして教えないと。
司
ピーターさんは、都さんの踊りには品格がある、
そのルーツは日本にある、と言ってます。
都
日本には良いダンサーがいっぱいいて、もったいないなあと思います。
ひとりでできる事は限られてますからね。
それに公演数少ないから仕方ないですけど。
司
日本の男性ダンサーは、主役もやれば群舞もやるけど、どう思う?
都
こないだの「オンディーヌ」で、
イタリアでロミオを、わざわざ振付までしてもらった人が、
私を持ち上げる4人のひとりになっていたんです。
それも黒子みたいで顔もよくわからないような。
それでやる気が維持できるのかなぁ、と。
おっことされたくないから、それでは困るけど。(苦笑)
司
日本に軸を移してどう?
都
バレエをやめた友達が、1年間世界を旅してて、いいなぁと。(笑)
司
それはファンが許しません。(笑)
都
やりたいことはいろいろあります。
教えること、ダンサーへのアドバイス、子供たちとのふれあい。
ユネスコを通じてバレエを広めることもしたいですね。
もちろん踊りは好きなので、踊りは続けたい。
司
あなたはすごく気をつかうよね。
都
いやー、気がまわらないです。
司
ロシアのダンサーみたいに、80まで頑張って。
都
とにかくチャレンジですね。(笑)
*ここですでに予定の1時間半が経過しましたが、
質問を受け付けてくれることになりました。(^^)
Q
ピラティスは、いくつくらいから始めたらいいでしょう?
うちの娘は12なんですけど...。
都
集中力もいるので、12はまだはやいかも。
基礎ができてないと、ハードなエクササイズが
生きないんですよね。
Q
何を考えて踊ってる?
都
役に入りつつも、次のステップや観客の反応、空気感、オケのことなど、
いろいろ考えてます。あ、今日の演奏はいいな、なんて。(笑)
2回くらい、何も考えてないことがありましたけど、
そのときは体が自由に動いてて、いつもそうできればいいなあと思います。
モニカだったかな、公演の回数が多いから、
ステップなどはもう体に染み着いているので、
終わったら何を食べよう、なんて考えてたとか。(笑)
Q
渡英した時は孤独を感じた?
都
最初は孤独感はありませんでした。
そのかわり、いつも不安で緊張してました。
バレエがあったし、まわりの人も助けてくれました。仲間、友人、家族。
ほかにもひとりで頑張っている人もいましたし。あとは公演に集中。
司
ロンドンは住みやすいでしょ。
都
ですねー。(笑)
住むと落ちつくし、大好きです。
Q
大切にしていることは?
都
自分らしくあること、かな。
外国にいると刺激もいろいろあって、
その中でちゃんと自分をもっている人を羨ましく思います。
情報にまどわされずに生きたいですね。
司
あなたは自然体よね。(笑)
都
頑張ってた時もあるんですよ。(笑)
でも、体型とかあまりにも違うので、諦めましたけど。(苦笑)
Q
自分の性格は?
都
負けず嫌い、できないのが悔しい、
勝たないとくやしい、人前出るの苦手、
バレエは仕事だから前にでるけど、こわい。苦手。
引っ込み思案。(笑)
Q
遠藤さん(都さんのだんなさんです。(^^))
はどんな人?
司
あ〜、その話題はあえて避けてたのに。(笑)
でも、本人がいいというなら、話してもらいましょう。(笑)
都
一緒になっても、ああしてくれ、こうしてくれ、というのがない人ですね。
ほんとに結婚生活してる? というくらい、ばらばらです。
申し訳ないけど、独身時代とほとんどかわらない生活してます。(笑)
動けなくなったときは、まだロンドンの会社にいたので、
料理は得意じゃないのに、毎朝こんなに大きなおむすびをふたつ、
どんどんって枕元においてってくれたのが嬉しかったですね。(笑)
Q
第一印象はどうでした?
都
第一印象はわるかったですね。(笑)
彼の会社と私の自宅が近くて、グループで出会いました。
一緒に住んでいた時もありましたけど、
そのときは結婚は考えなかったですね。できるとは思いませんでした。
司
では、私から最後の質問を。
プロとは? 自分を信じる強さ、とNHKでは言ってたけど。
都
舞台に出るとき、孤独を感じます。
でも、誰も助けてくれません。
もう、自分を信じるしかないんです。
バレエが本当に好き。
その気持ちを保っていられました。
むこうのダンサーは熱いですね。
プロには強い気持ちがないと、続けられません。
言い訳したいけど、したくない、してはいけない、と思います。
司
今日はありがとうございました。
*会場からたくさんの拍手。(^^)
* * *
彼女の人柄がうかがえる、すてきなトークショーでした。(^^)
司会者もGJ、ですね。(^o^)
さて、この日記に最後までつきあってくださった方に、朗報をひとつ。
実は拍手のあと、都さんが、今後の予定を教えてくれました。(^^)
* * *
都
今年は日本で踊らなくて、申し訳なく思います。
でも、来年は、ちょくちょく増えていくと思います。(笑)
ここ2、3年、日本をベースにしていましたが、
日本のシステムがわからず、難しかったです。
(...Kでもダメだったのですね。(=.=))
ファンの方のやさしさ、ありがたさを、
年々、ひしひしと感じるようになりました。
舞台、踊りは大好きなので、少しでも長く踊っていたいと思いますが、
こればかりは体と相談です。
考えることもいろいろありますが、あと何年かは頑張ります。
今年はロンドンで「くるみ」を踊ります。
収録の予定があるので、日本の方にも見てもらえるかも。
でも、なんでいつも「くるみ」? (笑)
セントルイスでも「くるみ」を踊ったあと、
日本でオペラのニューイヤーコンサートに参加します。
4月にはロンドンで「シンデレラ」。
そして(ロイヤルの)来日公演で、
...これ、いっちゃっていいのかな? (笑)
ジュリエットを踊ります。(笑)
*ここでまた拍手〜! \(^O^)/
ちなみに都さんのおっしゃるジュリエットとは、
NBSの「第22回バレエの祭典」における、
英ロイヤル・バレエ団の来日公演のことです。(^^)
http://www.nbs.or.jp/saiten2009/lineup.html
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