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2009年10月11日17:18

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【バレエ】東京バレエ団「ラ・バヤデール」(27日)+


師匠3日目+初日カーテン・コールの模様です。

       *     *     * 

★ 27日

別アングルとはいえ、同じ舞台を観ているのだから、
レポは必要無いと思うけど…。(^^;)

*いえいえ、師匠の感想を拝読したいんです。(*^^*)

マグダヴェーヤは松下くん。演技も良いし、踊りにキレもある。
高速シェネで腕がキレイに見えるようになると、高橋マグダヴェーヤに近づくと思う。
真面目できちんとして気の利く感じが、
ソロルに忠実に仕えるマグダヴェーヤに合ってる。
地面に伏せてる姿が、ちゃんと「様子をうかがう」になってた!

後藤ソロル、軽い! (^o^)
良いお家の令息が政治力で戦士のポジションを与えられてるようで、
トラも絶対仕留めてないだろうと。たぶん周りがあれこれやって、
もう危険は無いというの最後のところを、
「さ、ソロル様、どうぞ。」
「よし。えいっ! 仕留めたぞ!」
「お見事です! ソロル様!」
みたいな。(^o^)

柄本(兄)大僧上、若い!
でも、結構迫力があって良い感じ。若いだけに情熱的。
意外と野心家で今の地位まで上り詰めたのかな。
告白場面は、ニキヤに驚かれてもなお熱く、
最後は「いい加減にしなさい!」と、
お姉さまに叱られてるみたいに見えた。(^o^)

斎藤ニキヤは、天然系の浮き世離れした舞姫。
吉岡ニキヤも儀式的な香りがしたけれど、
それとはまた違う、ほっこり暖かい信心深さを感じる。
手を合わせて拝む振付が似合う。
踊りは軽く滑らかに流れるようで、あっという間に終わってしまう。
なぜ、斎藤ニキヤと後藤ソロルが恋仲なのか、微妙に不思議。
グラチョーワさんとネポロージニーさんを思い出す。

2人の逢瀬を目撃する大僧上は、二回ともスキンヘッド。
2日目の後藤大僧上は、被り物を取り忘れただけなのかな。
驚きの表現も怒りも、激しく熱い武尊大僧上。
斎藤ニキヤと後藤ソロルの濃さに負けてない。

後藤ソロルは一貫してニキヤを想い、
ガムザッティに対してはひたすら困惑。
営業スマイルさえ、ほとんど無い。

高木ガムザッティは、大切に育てられた深窓の令嬢の雰囲気。
おとなしめな姫様だ。

ジャンペの踊りで落ち着かない兵士達って、
高貴な身分のガムザッティをジロジロ見るわけにはいかないからか、
と思っていたら、ガムザッティがヴェールを外した時も、なかなか騒がしい。
「おぉっ! 姫様って初めて見たけど、綺麗だな〜。」
「うちの姫様はこんなに綺麗な人だったんだ!」

…君たち、もう少し遠慮がちにしなくていいのか?
見たいけど見ちゃいけない、ちょっとチラ見程度にしないと、
高岸ラジャみたいに鷹揚そうじゃない木村ラジャの気に障るぞ。
奴隷市場のギュリナーラやメドーラを見てるわけじゃないんだからさ…。
ハラハラするよ。(^o^;)

武尊大僧上は、ソロルへの敵意剥き出しの眼差し。
ラジャへの進言が思わぬ結果となり、
ソロルの肖像画に向かい怒りの表情で拳を振り上げるも、
ぐっと胸元に持ってきて俯いて考え込む。
「今の状況はこの男に怒りを向けている場合ではない。
何とかニキヤを救う手だてを考えなくては…。」
情熱的だけど、意外と冷静なんだ。

ガムザッティとニキヤは、「対決」にはならない。
ガムザッティに突き飛ばされるようにソロルの肖像画を見たニキヤは、
「まぁ、ソロル様…。(^^)」と、うっとり。天然さん。
ガムザッティに「そうじゃないのよ!」と言われてびっくり、混乱。
でも、「舞姫」であることを見下されると、途端に毅然とした態度になる。
「ちょっと待ってください。ソロル様が愛を誓ってくださったのは、この私です。」
取り乱すガムザッティに、またしても混乱。
短剣を見つけた時は一瞬間があり、それから手に取った。
さすが! その方が絶対しっくりくる。

婚約式でも、ソロルはずっと困惑したまま。
踊りに関しては、ソロルもガムザッティも弱くて見所が残念な結果に。
後藤さん、クラシックだと弱すぎる…。脚をちゃんとしようよ。(uu;)

高木さんは、演技も踊りの安定感も今ひとつ。
二人のガムザッティに差をつけられちゃったなぁ。
強くないガムザッティも持ち味として良いと思うし好き。
でも、今回は中途半端で、
ただ単に存在感の弱い薄味になってしまった感がある。
踊りもあれでは、抜擢されなかった上手い人が浮かばれない。

ニキヤの踊りは情感たっぷりで、
ニキヤとソロルを観ていると見応えがあり、
大僧上を見る暇がない。

後藤ソロルは、去り際に振り向いて、
心配そうな眼差しを残して去って行ったのが印象に残った。

影の王国のスカラ座美術は素敵。
月が静謐な空気を醸し出し、
影達が白い小花のアーチから出てくるのが幻想的で美しい。

最終日は、群舞を除くと踊りが今ひとつ。
影のヴァリエーションも主役も残念だった。
期待していただけに斎藤ニキヤへの落胆が、
踊りの出来以上に大きく響いた。

斎藤ニキヤの踊りに関しては、
後藤ソロルのサポートも高岸ソロルや木村ソロルに比べて不安定で、
分が悪い気もするけど。

ブロンズ像は八木くん。ちゃんと認識して観るのは初めて。
入団二年目の大抜擢だから、少々荒っぽくても
パワーに溢れたエネルギッシュな踊りなんだろうと勝手に思い込んでいた。
だから意外にソツなくキレイにまとめてきたので、ちょっと拍子抜け。

良い踊りではあったんだけど、たぶん期待し過ぎたんだなぁ。
個人的には、小笠原くんを差し置いての抜擢だから、
さぞ彼以上の踊りが(もしくは片鱗が)観られると思ってしまった。
現時点でなく、入団二年目時点で比べたらそうなのかもしれないけど。

ブロンズ像の踊りが2幕から3幕冒頭へ移動したことにより、
婚約式の高揚感ある小品から神の怒りの前触れとも捉えられる。
そうすると、この踊りには高揚感ではなく厳格さが求められると思うのだけど、
ランチベリーの編曲が厳格さとは真逆の軽さと明るさ。
この違和感が何とも言えない。
マカロワさん、本当はどういう場面にしたかったのかなぁ。

初日、2日目はうまくブロンズ像の退場を隠せていたけれど、
最終日は退場するところが見えてしまった。
武尊くんと後藤さんの身長差がそれほど無さそうなので、
八木くんが高いのか、武尊くんが階段を一段間違えちゃったのか、
原因は何だろう?

野心も浮気心もない、後藤ソロルの一貫した役作りは良いだけに、
本当に踊りとサポートが残念。

高木ガムザッティは3幕も踊る時は踊りだけで精一杯で、
そこから何がしかのガムザッティの想いは、私には拾えなかった。
踊ってない時は薄味の演技はしてるんだけど、
ニキヤ、ソロル、大健闘の大僧上に完全に喰われてしまった感じ。

斎藤ニキヤは、2幕の不調は何だったのかという軽やかさ、滑らかさ。
何となく、神の怒りを告げながらも、
ソロルを神殿から誘い出しているようにも見える。助け出したいのかな?

1幕で奴隷とニキヤの祝福の踊りが無いのはドラマとして物足りないけど、
同じ音楽を用いたキャンドルの踊りも綺麗だね。
ガムザッティとソロル、それぞれの心情が見える場面でもあるし。

マカロワ版はガムザッティの見せ場が多いので、
ガムザッティの心情が伝わるせいか、
悪役には見えないんだよね。そこは良いなと思う。
3日間とも大僧上の存在感があったので、
バヤって三角関係ではなく4人の人間模様なんだなと思った。

何だかんだ文句も言ったけど、再演したらやっぱり通うだろうなぁ。
美術を借りたりなど、都合をつけるのは大変だろうけど、
なるべく早く再演してほしいな。来年はABT来日だから、
その機会にABTのマカロワ版美術を借りるとかは、ダメなのかな?
招聘元は違うし、どんな美術なのか知らないで、勝手言ってるけど。(^o^;)


★ 初日カーテン・コール

「書くね。」と言っていたカーテン・コールの様子を、
自分の文章があまりに長すぎて、
書かずに送信したのに気がつかなかった。(^^;)

初演初日としては十分な出来だったので、
とても雰囲気の良いカーテンコールだったよ。

何度か団員だけの挨拶、指揮者ポープさんを迎えての挨拶の後、
(今回の指揮とシティ・フィル、良かったよね。(^^)
ベルリン来日時の東フィルが最悪過ぎた。(uu;))
マカロワさんと振付指導でブログにも登場していたオルガ・エヴレイノフさんが舞台上に。
マカロワさんは映像でしか拝見したことがなく、
初めて目にするご本人は小柄で、とても美しい方だった。

マカロワさんは上機嫌で、上野さんに賞賛と労いのキス。
マカロワさんとオルガさんには、飯田芸術監督から大きな花束が手渡された。
おふたりとも本当に嬉しそうで、
花束を置いて隣の人と手を繋いで前に出ようとした時に、
オルガさんの左が空振り。
「?」と隣を見ると松下ブロンズ像。
「あ、あなたには誰も触れないんだったわね! 忘れてたわ!(^o^)」
松下ブロンズ像を含む舞台上も、観客からも笑いが起きた。

幕前に出てきた主役3人組。
挨拶後に高岸ソロルが幕内に向かって両手を差し伸べてる。

誰? と思いきや、マカロワさん。
ニキヤとガムザッティの間に入り、にこやかに挨拶。

マカロワさんが幕内から手を引いて後藤大僧上を連れてきて、ご自身の隣へ。
「僕、本当にこの場に居ていいんですか?」という感じに嬉しそうな後藤さん。
ふと、上野さんが上手側の端になってしまったのに気付いたマカロワさん、
「ニキヤは真ん中に居なきゃ!」
と、遠慮がちにしていた上野さんの手を引いて中央に連れてきて、
「あなたは、ここよ!」。嬉しそうな恥ずかしそうな、照れたような表情の上野さん。

再び幕が上がり、全員でのカーテンコール。皆満面の笑みだし、
ハッピーエンドのスペクタル・バレエで観客も楽しんで終わったし、
とても良い雰囲気で、後味良く劇場を後にした初日だった。
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