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2009年08月14日08:28

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【バレエ】「第12回 世界バレエフェスティバル」(Aプロ:2日/4日)

「6時間耐久ガラ」に行かれた方、お疲れさまでした〜。(^o^)/
感想、楽しみにしてますね〜。

       *     *     *

昨日は朝から横浜で仕事をしていました。(暑かった〜。(>_<))

彼の地、150周年を記念した開港祭を催しているわりには、
街に元気がありません。みんな、お盆で遠出してるのかな〜?
でも、ここも観光地のはずなのに〜?
と思っていたら、タクシーの運ちゃん曰く、

「開港祭、盛り上がらないねぇ。
当初は来場者予測500万と言ってたけど、
会期残り2ヶ月だってぇのに、まだ62万なんですよ。」

不況の影響や、島国といいつつも、
日本人は港や船にあまり興味がない、というのも背景にあるでしょうが、
やはりイベントに魅力がないのが最大の理由かと。
誰でも思いつきそうな、ちまちましたものをかき集めただけで、
目玉がないんですよねぇ。

そもそも主催者が、この祭のために立ち上げた財団法人というのですから、
胡散臭さいっぱい。(^^;)
知り合いのイベント屋さんが、いろいろ面白そうな企画を提案したそうですが、
すべて却下されてしまったとか。(UU;)

もともと横浜には、青年会議所を中核とした開港祭実行委員会があって、
毎年6月にイベントを行なっています。
てっきり、そこが母体となっているのかと思っていたら、
まったく関係がなく、互いのホームページにリンクすらないんですよ。(^^;)

また、日本各地の港町で持ち回り開催される「海フェスタ」、
今年は横浜でしたが、特にそれを持ち上げるでもなし。
内外の珍しい船が大黒埠頭や大桟橋にやってきても、
積極的にイベントとして活用しようとすらしません...。

       *     *     *

え〜、日記へのアップが前後してしまいましたが、
師匠から頂いた、Aプロ2日間の感想です。(^^)

師匠は「交換しよう」とおっしゃってくれたのですが、
あいにく仕事が立て込んでしまい、(UU;)
休んだあげく5時ピンで撤収かけた日にゃ、
上履きに画鋲入れられたり机に花瓶置かれたり...
って、中学生か。(^^;)

それにしても師匠の感想は表現が豊かで的確、
主観と客観のバランスも絶妙で、
なによりもバレエに対する愛情が感じられます。(*^^*)


【第1部/2日】

★「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
 マリア・コチェトコワ
 ダニール・シムキン

ブルーグレーの衣装のシムキン君と、
ベージュピンクの衣装のコチェトコワさん。
衣装の柔らかなトーンもぴったり。
やっぱり、飾っておきたいくらい可愛い。(^^)

そして可愛いだけじゃなくスゴい。こんなに音楽性があって、
ふんわり余裕のあるチャイパド観るのは、いつ以来だろう。
二人ともテクニックがあるのに誇示することなく、全く力みが無い。

「ドン・キ」ではパートナーシップがもう一声、
と感じたけれど、今日はそれも問題なし。
シムキン君が回転を終えて振り向きざまに手を差し伸べると、
コチェトコワさんがタイミングぴったりに袖から出てきてる。
最初から盛り上がったよ〜。(^^)


★「くるみ」よりピクニックPDD
 ルシンダ・ダン
 ロバート・カラン

いわゆる「フランス」や「葦笛の踊り」の音楽でのPDD。
お洒落してピクニック・デートしているカップルがPDDを踊り、
突然の雷鳴に慌てて片付けて退散!
面白そう、どんな「くるみ」なんだろうと興味を抱かせた。
プロモーションとしては成功じゃないかな。来日公演が楽しみ。


★「海賊」
 マリアネラ・ヌニェス
 ディアゴ・ソアレス

元気なメドーラと、見かけは少しワイルドながら踊りはノーブルなアリ。
アリにスピード感やパワフルさを求めると物足りないかもしれないけれど、
ふわっとした跳躍や空中での姿勢、従者としての物腰は奴隷らしい。
メドーラは明るく奔放な雰囲気もあって、海賊の恋人という立場に馴染みそう。(^o^)
軸がぶれなくてバランスが強いヌニェスさんは、
フェッテで7回転くらいしてた。会場がどよめいたよ。


★「エラ・エス・アグア〜She is Water」
 タマラ・ロホ

照明効果もあって、
揺らめく水の中を漂う生命体、といった感じのロホさん。
すべての動きが連続している見事な踊りで、
前半は床に横たわったりすることが多い、
人間とは別の生命体っぽい振付。

後半は上から降りてきたドレスを身につけ、
裾を翻して少し情熱的に、けれどどこか冷静に踊る振付。
クラシックのテクニックとは違うロホさんの魅力が光る作品だった。


★「くるみ割り人形」
 ヤーナ・サレンコ
 ズデネタ・コンヴァリーナ

悪くはないだろうけど、正直それほど期待していなかったペア。
押し出しこそ強くないものの、予想以上に丁寧できれいなPDDだった。
3年間で変わるから、侮れないねぇ。


★「コッペリア」
 アリーナ・コジョカル
 ヨハン・コボー

コジョカルさんが元気そうで良かった。それだけで嬉しくなってきた。
以前よりも足音が静かで軽やかに見えた。
フランツ大好き! なスワニルダで、すごく可愛い。
コボーさんも調子が良さそうで、
フランツ役もデジレより似合っている感じだった。
ガラのGPDDなのに、二人の愛情と物語を感じさせる力は、
1幕の他のペアを凌ぐ。
貫禄を見せつけ、1幕トリに相応しいパフォーマンスだった。


【第1部/4日】

全体的には、特に印象は変わらないかな。
ただ、2日の方が初日の緊張がとれて気合いが入っていたのか、
4日はAプロ最終日で疲れが出たのか、
ちょっとしたミスや集中力の低下が見られたり、
大業が控え目だった気がする。

その中で圧倒的に高い質を維持したのが、コジョカル&コボー組。
(静かになってた足音が、前半でちょっと気になったくらい。)
疲れもみせず、集中力を維持。バランスだって長めにしていた気がする。
二人のパートナーシップも良いし、それぞれのヴァリエーションもキレがある。
コボーさんもすごく良くて、あの「眠り」は何だったんだという感じ。
コジョカルさんは後ろ姿さえ愛らしくて、もう「可愛い」としか言えない。(^^)

さらに、二人でいる時だけでなくヴァリエーションでさえも、
相手への想いが溢れ、これぞPDDという感じだった。
こういう愛情溢れるPDDの醍醐味を感じたのは、昨年のマールイ夏ガラで、
シェスタコワ&シャドルーヒン組のライモンダ以来だ。(^^)
個人的にコジョカル&コボー組の株が急上昇中〜。(^o^)
ロイヤル来日公演をもう一演目増やして、
この二人の全幕「コッペリア」が観たいくらい。(^^)

また、2日のレポであまり触れなかったコンヴァリーナさんが、
なかなか良いダンサーだと思った。
惜しいのはサレンコさん。丁寧な踊りは好感がもてるけど、
音に合わせて踊るダンサーで、音を奏でるダンサーではないのが残念。


【第2部/2日】

★「ジゼル」より第2幕のPDD
 上野 水香
 マチュー・ガニオ

ジゼルのお墓が下手側手前ではなく中ほどに設置されていて、
アルブレヒトが百合を抱えてやって来るところから始まる。
ガニオ君はスタイルの良い美男子揃いの中でも際立つ美しさ。
マントを舞台袖やお墓の後ろではなく、そっとお墓の傍にかき寄せて、
その上に伏せる。貴族様は地面に直接横たわることはしないのか〜。(^o^)

ジゼルが登場して互いを認識した後、
二人で十字架をかたどり見えないミルタに許しを請う。
そこからは通常のガラと同じ。

アルブレヒトのヴァリで、通常ならば踊り終えたと同時に倒れ伏す場面を、
一度跪いて胸に手を当て祈るようにし、
そこからゆっくりと崩れ落ちるようにしていた。
身体をかばってのことか否かは不明だけど、こういうのもアリだなと思った。

ルグリさんが「スーパーバレエレッスン」で指導していた通り、
ジゼルの空中移動リフトはキチンと揺らぎを入れていた。
上野さんのジゼルは、6月の時とあまり変化は感じなかった。
表情が乏しいのは、想いは残っているけどウィリになって
感情はほとんど失ってしまった、という解釈なんだろうか。
きれいに踊っているけど伝わってくるものがなく、
浮遊感も足りない気がする。

でも、ほとんど足音がしないのは素晴らしい。
そろそろ、もうひとのびしないかな。
二人ともちゃんと踊っているんだけど、
情感が今ひとつ伝わってこないのが残念。


★「クリティカル・マス」
 シルヴィ・ギエム
 ニコラ・ル・リッシュ

長辺が4メートルほどの長方形の光の中で踊る二人。
でも実際に動いているのは2メートルくらいかな。
いかに少ない面積で動き、跳んだり跳ねたり回ったりしないで
作品として成立させるか、みたいな限界に挑んでいるような。
ゆっくりした動きでもテンポが早くなっても、
全く同じ軌跡をたどるコントロール力がすごい。

結構何パターンかの同じ動きの繰り返しだから、
この二人なら見応えがあるけど、中途半端だとツラいだろうな〜。
ゆったりしたシャツとパンツというリラックスウェアみたいな格好が、
もう少し違う衣装だったら良かったな。


★「ライモンダ」より第3幕のPDD
 マリア・アイシュヴァルト
 フィリップ・バランキエヴィッチ

ライモンダといえば、白かブルー系の衣装という思い込みがあったので、
白地にイエローゴールド、朱赤に少し白を混ぜたような華やかな衣装が新鮮。
絢爛豪華な感じで素敵だったけど、
シュツットガルトのレパートリーに「ライモンダ」があるとは思わなかった。
何となく古典は少し弱い? みたいな印象があったので。

アダージョを観た時、
ロシア系でない「ライモンダ」を観るのが久しぶりなのを感じた。
見慣れたものと、どことなくニュアンスが異なる。
あの肘を張って腕を頭に持っていく独特のポーズの決め方が、
少しふんわりしている感じ。

ジャンのヴァリエーションでは、
バランキエヴィッチさん、こんなに古典を踊れたんだ、
そういえばデジレも良かったんだっけ、と改めて思った。
着地はきれいに5番に入るし、爪先もすらりと伸びる。
空中姿勢も美しい。惜しいのは着地音だけ。
どうもシュツットガルトの男性陣は総じて着地音に無頓着な気がする。
もったいない。それさえクリアすれば、言うこと無いのに〜。

アイシュヴァルトさんのライモンダは、
ロパートキナさんの気品にステパネンコさんの威厳ある親しみやすさ
(何故かこの2つが同居してる人だよね)、
そこに可愛らしさを一匙加えた感じ。
雰囲気的には良いとこどり。(^^)(←ファンなので贔屓入ってる)
派手さはないかもしれないけど、しっかりクラシックを観たという満足感がある。

ジャンのマネージュで、着地した後あの独特のポーズが入るんだけど、
個人的にはあれは無くてもいいかな。マネージュにはふんわり連続性がほしいし、
あのポーズはどちらかというとビシッと決めてほしいから。
回りながらだとポーズが流れてしまい、どちらも余裕がなくなってしまうので、
詰め込み過ぎな感じ。

シュツットガルトのライモンダも観てみたいな。
勇壮なジャンが似合うダンサーがたくさん居そうだ。(^^)
アブデラフマンは誰が良いかな〜。


★「ルラッティ・パ・ド・ドゥ」天井桟敷の人々より
 アニエス・ルテステュ
 ジョゼ・マルティネス

「天井桟敷の人々」は、
好きな映画ベスト1、2を争うくらい好きな作品だったのだけど、
どの場面で誰なんだかサッパリ浮かばなかった。(^^;)

並びも踊りの質も合っていて、踊りのパートナーは解消してほしくないと思う。
マルティネスさんの大きな踊り、
とりわけ高く浮遊感のあるたっぷりとしたマネージュは、観ていてわくわくする。

今まで、何故だかルテステュさんの踊りに魅力を感じなかったのだけど、
今回は良いなと思った。明るさや暖かみを感じたからかな。
そうなると、もともと上手いダンサーだけに魅力的。

そして何といっても、毎回衣装が素敵!
今回の衣装もオートクチュール・コレクションみたいに凝った布使い。
色彩もシックで、赤み紫、青み紫、深い緑、
に黒光りする銀を重ねたような色合いの素敵なもの。
銀箔の屏風や襖が経年変化で黒ずんだような、
また何かの理由で黒ではなく、所々紫や青緑なんかになったりするけど、
あの美しさにも似てるかも。

…ただ、振付は良くも悪くもどこかで観たような感じで、印象に残らない。
悪目立ちもしないから普通に見てしまう。


★「ディアナとアクティオン」
 シオマラ・レイエス
 ホセ・カレーニョ

クリーム色衣装のディアナ、ベージュ色衣装のアクティオン。
品があって神話世界を思わせる。
明るく溌剌としたレイエスさんのディアナは、強いというよりキュートなディアナ。
カレーニョさんは褐色の肌を惜しげも無くさらし、宙を舞う姿の美しさは絶品。

ただ二人とももっと踊れる人だから、本来の実力からするとキレが今ひとつ。
慎重に踊ってる感じ。でも、この演目に物語を思わせ、
角笛(?)を聞く二人の仕草に空間の広がりを感じ、
テクニックを見せるだけの演目ではないものにしていた。


★「オテロ」
 エレーヌ・ブシェ
 ティアゴ・ボアディン

シルクシフォンのように軽い生地、ランダムプリーツが全体に入った、
ゆったりとした白いドレスのデズデモーナ。
布を腰に巻き付けただけのオテロ。
褐色の肌に髭をたくわえたボアディンさんは精悍な感じで、
甘い坊やの雰囲気だったアルマンとは一変。スタイルもきれい。
ブシェさんも、たっぷりとした生地のドレスを着ていてもスタイルの良さがわかる。

強さや華やかさのある美しい人だけど、今回は儚さと透明感のある美しさ。
二人とも新たな引き出しを見せてくれた。
特にオテロがデズデモーナを詰問し激高するような演出は無く、
淡々と踊っていくのだけど、ラインは美しいし引きつけられる。全幕で観たいな。


【第2部/4日】

疲れが出ているのか、
ガニオ君もマルティネスさんも、パリオペ組の着地音が気になった。
バランキエヴィッチさんの空中姿勢も少し緩んだかな。
2日の方がピシッと決まってキレイだった。

ギエムさんとニコラさんの振付の一部を何か見たことある…
と思って眺めていたら、腕を斜めに突き出して半円を描くのが、
仮面ライダーとかの変身ポーズに似てると気付いた。
そう思ったら二人並んで「ヘンシン!」とやっているようにしか見えなくて、
何回変身してるんだと思った。あ、変身出来なくて何回も挑戦してるのか。(^o^)

ミスか日本の夏の湿度にやられたか、
若手〜中堅にお疲れ気味の組もみうけられる中、
レイエス&カレーニョ組は最終日ノリノリ!
二人ともキレが良いし、観客がわくからサービスして、さらに大歓声。
レイエスさんはサポート付き10回転くらいしていたんじゃないかな。
幕前カーテンコールでもサービス精神を発揮。
やっぱりカレーニョさんは、ガラを盛り上げるお祭り男の貴重な一人。

脳天気に明るい「ディアナとアクティオン」で最高潮に盛り上がった観客。
その後の「オテロ」はキツイだろうと思ったら、ハンブルク組は見事な集中力。
幕が開いた舞台上の空気に、観客は静まり息をのむしかなかった。
見慣れたせいもあるのか、オテロの孤独感や哀しみが伝わってくる。
二人の体が寄り添っていても、気持ちは別々なのが切ない。

オテロが腰に巻いている布は、デズデモーナに贈ったハンカチの象徴なのかな。
終盤で巻いている布をほどき、その端をデズデモーナに渡すと、
彼女が愛おしそうに頬を寄せていたから。
それがオテロからの大切な贈り物で、なくしたのをオテロが「見つけてくれた」
という解釈だとしたら、自然な仕草だなと思った。

その後布をデズデモーナのドレスの上から腰に巻き、
ゆっくりと端を交差させて縛るオテロ。デズデモーナはおとなしく為されるがまま。
結び目を見つめたまま、少し力を込めてゆっくりと縛っていくオテロの目には、
デズデモーナに手をかける自分の姿が見えていたのかもしれない。

疑いもしないデズデモーナと葛藤するオテロ。
静かに深いドラマが淡々と描かれた。
こんな風に冷静にあれこれ思いながら観ることが出来たのは、
舞台からある程度距離があったからかもしれない。

腰に巻いている布を取ったボアディン君は、
ベージュのTバックというか、褌1枚みたいな格好。
鍛えられたスタイルの良い肉体美を晒しているとはいえ、
前方席で間近に見ていたら、作品の味わいより目のやり場に困ってしまいそうだ。
修行が足りないなぁ。(^o^;)


【第3部/2日】

★「椿姫」より第1幕のPDD
 オーレリ・デュポン
 マニュエル・ルグリ

紫のドレスを着たマルグリットとアルマンの出逢いのPDD。
黒衣のPDDはベテランが踊っても違和感なく、
むしろドラマに引き込まれるくらいだけど、
出逢いはアルマンの若さがほとばしる場面だから、
ルグリさんはどうなのかなぁと思っていたら…。

すごいね。アルマンそのものと思えたリアブコさんとは違うけど、
いつもの威厳と気品で堂々としたルグリさんが影を潜め、
肩から背中にかけてのラインが、
マルグリットの前で緊張し場慣れしてない不器用な若者になってる。
雰囲気も甘やかな青年を感じさせた。若い頃はともかくとして、
最近のルグリさんに「甘さ」を感じたことって、あったかなぁ。

隅々までコントロールされた丁寧な踊り、美しい爪先、
ガッチリサポート(リフトはちょっと「よいしょぉっ」入ってたけど)は
若者のものではなく、いつものルグリさんの質の高いもの。
リアブコさんは子犬みたいと思ったけど、ルグリさんは猫だったな。

デュポンさんのクラシックな美貌、気品と艶やかさは、マルグリットにぴったり。
アルマンを「不器用な坊や(その坊やがルグリさんというのは。(^o^;))」
としてあしらう貫禄、裏にコンプレックスがひそむプライド、戸惑いが伝わってくる。
オペラグラスを使えば若くないことがわかるアルマンだけど、
十分若々しいアルマンと絵に描いたようなマルグリットだったよ。
先入観はいけないねぇ。


★「フォーブ」
 ベルニス・コピエテルス
 ジル・ロマン

「牧神の午後」の音楽を使った作品。気だるくエロティック。
二人の身体能力の高さが、艶めかしさを増していく。

白いスポーツタイプのビキニの上に、
白いシースルーのミニシャツワンピースみたいな衣装のコピエテルスさん。
扇情的な衣装に思えるけれど、プラチナ色のショートヘアで
明るい伸びやかな色気が魅力の彼女が着ると、
セクシーでありながらも爽やかでカッコいい。

ジルさんの少し影のある色気とのバランスが絶妙。
大人の色気十分な二人なのに、エロティックさにコミカルさも加わり、
二人の踊りに引き込まれた。
というより、コピエテルスさんの存在感と伸びやかな肢体に、
ジルさんと観客が振り回された感じ。
マイヨーさんの不思議な魅力ある世界で面白かった。


★「白鳥」より黒鳥のPDD
 スヴェトラーナ・ザハロワ
 アンドレイ・ウヴァーロフ

ガラだから、と派手にするのではなく王道路線。
スタイルの良いダンサーばかりを見てきたのに、
ザハロワさんのチュチュ姿には見惚れる。
わりと慎重に踊っているかな? とは思ったけど、
怪我をしているようには感じなかった。

ウヴァーロフさんの大きく伸びやかな踊りは健在。
ヴァリエーションでは、ジークフリートの喜びが伝わってくる。
驚きは無いけれど、安心して楽しめるロシアバレエに一息ついた感じ。


★「カジミールの色」
 ディアナ・ヴィシニョーワ
 ウラジーミル・マラーホフ

ヴィシニョーワさんの身体の絞りかたは、ギエムさんを思わせた。
二人の息もあっていて、ベテランの貫禄を見せつけた。
それにしても、二人とも高い身体能力だな。


★「マノン」より寝室のPDD
 ポリーナ・セミオノワ
 フリーデマン・フォーゲル

優しく誠実で優等生のデ・グリューと、絵に描いたような小悪魔的魅力のマノン。
どちらも嵌り役に思えるのに、今ひとつ引き込まれない。
演技や技術が拙いからというより、二人の組合せがしっくりこない。
フォーゲル君があっさりめなのに、ポリーナさんが濃いから?
でも、濃+濃ではなく濃+淡でもバランスが取れてまとまることもあるのに。

同年代だけに、どちらもそこまでの包容力が無いということなのかな。
お互いの良さを引き出せず、一体化することもかなわず、
個々に踊っているようでもったいなかった。
キャラには嵌っているのに、何でかなぁ。
いつもは考えると理由が何となく見えてくる気がするのに、
疲れてるのか不思議なまま。


★「ドン・キホーテ」
 ナターリャ・オシポワ
 レオニード・サラファーノフ

白い衣装のバジルと赤黒衣装のキトリという、
衣装からして一体感が今ひとつなペア。(^^;)

やっぱり赤黒キトリには黒バジル、白バジルには白キトリが好き。
お互いテクニシャンだけど、踊りの質がちょっと違う。
サラファーノフ君がテクニックはそのままに、
スッキリ爽やかなノーブルになってきたように見えたのは、
髪が伸びたせいだけではないと思う。
ファジェーエフさんの甘いエレガントさとは異なるけれど、
白い衣装も似合い、どこの王子かと思った。4月の「エチュード」では、
エレガント部門はフォーゲル君に任せたやんちゃ坊主だったのに。
ふわっと宙に浮くような高い跳躍も回転も力みがなく丁寧。

オシポワちゃんは、相変わらず元気なキトリ。元気を超えて男勝り、かな。(^o^)
バジルがノーブルになってしまったから、余計に男勝りに見える。
水を得た魚のように、余裕で技をこなしていくのを堪能。
サラファーノフ君の高い跳躍と同じ高さで跳べる女性ダンサーは、
そうは居ないよ。(^o^)

ガラだからギリギリアリな組み合わせかな。
全幕だとチグハグな感じかもな〜。組み合わせって難しいね。


【第3部/4日】

パリオペ組のルグリさんも、お疲れかな。珍しく着地音が気になった。
ウヴァーロフさんの着地音も大きく、踊りは大きく跳躍も高いけど、とても重い。
ザハロワさんは、やっぱり好調ではなく、回転などは意地と気迫でこなしているような。
コーダなんかは鬼気迫る感じ。

コピエテルスさんとロマンさんは今日も好調。何回観ても飽きないな。
二人とも背骨の関節一つ一つまでコントロールできるようで、
人間ばなれした肉体にびっくり。
特にコピエテルスさんが、人間とは別の魅力的な生命体に見える。
やっぱり素敵なダンサーだな。(^^)

ヴィシニョーワさん、マラーホフさん組も好調。ベテラン組が軒並み強い。
ヴィシニョーワさんは見た目少し絞りすぎに感じる。
太ももも細く、あばら骨もちょっと痛々しいくらい。
余分な脂肪が一切無いというか、もう少し体脂肪があっても良いんじゃないかと。
細いと言っても筋肉はしっかりしているので、踊りは見事に安定している。

そのヴィシニョーワさんが思い切り踊れるのも、
マラーホフさんのサポートがしっかりしているから。
マラーホフさんは、ほとんど見せ場が無いけれど、
サポートしていることを感じさせないくらい、
見事に二人が一体化して造形美を成している。

マノンって自分の魅力を認識はしていても、
ちょっと天然さんで無自覚にオトコを魅了してしまうのだと思うんだ。
だから、獲物を狙っちゃダメなんだろうな〜。

オシポワちゃん、サラファーノフくんとのバランスを考えてか、
アダージョでは2日より少し控え目。
でも、ヴァリエーションでは元の元気キトリに戻った。(^o^)

サラファーノフくんは最終日まで軽やかで丁寧。
オシポワちゃんのフェッテは、最後4〜5回転してたと思う。
あれだけ危なげないと、感心するしかないね。
何だかんだ言っても、盛り上がったよ。(^o^)
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