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2009年06月26日11:17

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【音楽】Mahler: Sym#7@MTT/SFSO

だいぶ揃ってきたMTT/SFSOのマーラー・チクルスの7番「夜の歌」から。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1444794

・マーラー:交響曲第7番ホ短調『夜の歌』
 サンフランシスコ交響楽団
 マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)

マーラーの中にあっても異色作品とされ、そして全交響曲の中でも最も聴かれない曲ではないだろうか。この作品の成り立ちや楽章ごとの特徴などは今までにブーレーズ/CO http://musicarena.exblog.jp/7421821/ やゲル/LSO http://musicarena.exblog.jp/9618930/ などでも再三書いてきたので今更補足することはない。

例によってトラックごとの時間配分をiTunes実測で見てみる。比較している時間もないので上に上げた2枚と比べてみた(他の演奏と比べるとまた別の印象になるかも知れないが・・)。

P.B/CO.: 23:25 - 13:56 - 9:14 - 10:38 - 17:42
V.G/LSO: 20:47 - 13:43 - 9:07 - 11:45 - 16:13

MTT/SFS: 20:43 - 15:35 - 10:11 - 13:33 - 18:05


MTTの7番の一つ目の特徴は1楽章の異例な速さにある。ゲルとほぼ同じ速度で弾ききっているのだ。ゲルの方はもうのっけから速いのが分かるのだが、不思議なことにMTTの方はどう聴いても速くはない。しかし実測値はご覧の通り。しかし、ブーレーズを聴いて比較するとやはり少し速い感じがする。

第二の特徴は二つの夜の歌と、その二つに挟まれる3楽章スケルツォ、即ち2〜4楽章が遅いことだ。しかしこれに関しても遅いというイメージはなくて寧ろ細密ディテールが殊更に強調されている。中間の謎のスケルツォを中心とした、言ってみれば主題も動機も旋律も連関しない、大域的にはABA形式のようなパートをひと繋がりで解釈している風だ。小音量ながら各パートの演奏は完璧で、音の粒が非常に多い解釈と演奏。楽器の音色がここまで美しくコントロールされるところはMTTの最大の美点と言って良い。

最終楽章はブーレーズと概ね同じようなテンポ配分で進むが、MTTにしては珍しく温度感の高いリードに終始している。つまりここは熱い。またSFSOの高い技巧が最大音量で襲ってくるが、一切の破綻は見られずほぼ完璧だ。

今日的で現代的と言えばゲルを挙げることが出来るが、このMTT/SFSOもまた現代的でクール、理知的な夜の歌である。

因みに、ゆうけいさんがマラ7の研究プロジェクト http://moonmadness.cocolog-nifty.com/uk/2009/06/mahler-sin-7-2-.html を企画されており、とても興味深いのでご一読あれ。

(録音評)
SFS Media(英国Avie)レーベル、82193600092、SACDハイブリッド。録音は2005年3月9〜12日、DSDレコーディング(ライヴ)、サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホール。録音担当はTritonus Musikproduktion GmbH、音質は極めて良好で本チクルスの中でも更に一級品である。サウンドステージの深さ、ビームの強さ、残響の消え入り、音色など、どこをとっても完璧だ。現代を代表する名録音の一枚に数えて良い。

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