ハフナーだが、揺らめくような茫洋としたタクト運びで2楽章まで進んだ。そして3楽章メヌエットはいよいよオケのエンジンがかかった感じでティンパニとコンバスが躍動的になってきた。そして4楽章プレストに突入するが、息を切らせることなく駆け抜けるテンポは普通の演奏より多少速めだ。ホルン始めブラスセクションのタンギングも乱れがなく小気味よいフィナーレだ。
続いてはVnとVaのための協奏交響曲。ソリストは若い長原幸太と鈴木康浩という人たちでバルシャイとは曾祖父と曾孫くらい離れているかも。二人とも元気な読響に負けない音量を持っている。特にVaの鈴木君はいい味を出してるし演奏も実際に巧かった。これ、3楽章形式のキュートな佳作だが、それぞれの楽章が余り主題関連性を持っては作られておらず、ひたすらVnとVaの掛け合いの妙味に浸ることが出来る楽しい作品。出来映えとしては多少速めのパッセージで、指揮したバルシャイと若手ソリストの息がピッタリ合っていて良かった。この曲の最近の録音といえばこれ、
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ムターの弾き振りで、Vaは名手ユーリ・バシュメットだ。色気ムンムンのムター&老獪なバシュメットも良いが、日本人青年による尖ったフレッシュな演奏も良かった。
(続く)
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