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2009年04月20日10:02

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【音楽】Mahler: Sym#8@Gergiev/LSO

矢継ぎ早でここまで来たゲルLSOのマーラー・チクルスもいよいよ第六弾、千人の交響曲。City of London Festival 2008というイベントを飾る主要プログラムとして企画された演奏会のライブ収録盤で、SACDハイブリッドだ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3524717

Mahler: Symphony No.8 in E flat major 'Symphony of the Thousand'

Viktoria Yastrebova, Ailish Tynan, Ludmila Dudinova, Lilli Paasikivi, Zlata Bulycheva, Alexey Markov, Sergey Semishkur & Evgeny Nikitin

Choir of Eltham College, Choral Arts Society of Washington, London Symphony Chorus & London Symphony Orchestra
Valery Gergiev

最初に述べておくが、この録音は精緻に作り込まれたセッション盤ではなく、客を入れた後戻りできないコンサートを録ったものだと言うこと。従って他の演奏/録音との技巧的な比較や表現幅に関する比較はこの際余り意味を成さないと言えよう。

しかし、なにも書かないわけにはいかないので少しだけ触れる。コンサート会場となったセント・ポール大聖堂は少し歪な格好をし、天井が高く極めてエアボリュームの大きな空間であり、そして楽曲はフルオケ+コーラス隊×3セット+ソリストという超巨大編成である。

これらの影響からかゲルは他の多くの演奏に比べて穏やかなテンポ取りをしている。コーラス中心の第1部はモデレートなリードでちょっと拍子抜けするほど普通だ。一方、ソリストが入り乱れて大小の楽章を構成する第2部では躍動的なアゴーギクが随所で使われていて聞き飽きない進行だ。ただ前述の通りの大規模構成ライブゆえ、アインザッツがあちこちで揃わず破綻気味だったり、リリースも揃わずに超長残響も手伝ってか混濁した部分も散見される。2部の後半であるNeige, Neige, Du Ohnegleiche / Komm! Hebe Dich Zu Hhern Sphren!あたりは非常に丹念で時間軸の一致に腐心し、そして締めくくりのコーダ部・・Blikket Auf / Alles Vergngliche でのマッシブな第1部主題の再現は圧巻で、幾重にも塗り分けられたオケ+歌唱の残響と、轟き渡るオルガンの重低音が殆ど混濁することなく巧くバランスしている。

(録音評)
LSO Live、LSO0669、SACDハイブリッド、録音はセント・ポール大聖堂、2008年7月。制作は例によってClassic Sound Ltd.の手になり、マリンソン/ハッチンソン/ストークスという顔ぶれ。

この嵐のような超長残響は実測で3dB落ちまでに5秒、6dB落ちまで10秒ほど掛かっている。つまり洞穴や公衆浴場で演奏している巨大オケを録音するという命題に極めて近い状態。しかし、直接音や金管のビームなどは普段のバービカンでのデッドな録音に比較してそれほど鮮度が劣っているわけではなく、楽器やコーラス、ソロ歌唱の分離は良好な方だ。大編成だからパートマイクを幾つか立ててポストプロセスでミックスダウンしているのであるが、やはりパートごとのバランスは曲ごとに異なっていて、例えばあるところではコーラスが小さく、あるところではオケが小さかったり、またソロ歌唱が遠かったりとむらがある。それが残念と言えば残念なところだ。

大規模なコーラスを背景にオケが躍動する様が如実に捉えられたライブ盤としては一級の音質を誇っていると思うし、幾つかの悪条件はあるもののそれは見事にクリアしていると言える。さすがの録音技術だ。

※今日は外出につき明日の音楽日記は休み

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