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2008年12月10日12:26

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【バレエ】ボリショイ「明るい小川」(9日)

うわさにたがわぬ面白い作品でした!(^O^)

バレエを観覧中に音を立てるのはご法度、
という思いがあるので、笑いをこらえるのに必死でしたが、
にもかかわらず、何度も吹き出してしまいました。f(^o^;)

この作品の初演は1935年、ロプホーフとピオトロフスキーが台本を書き、
ショスタコーヴィチが音楽を担当しました。
観客には受けたようですが、ソ連共産党の顰蹙を買い、
半年ほどでお蔵入り、以後、日の目を見ることはなかったとか。
(そのあたりの経緯はパンフに解説があります。)

今回上演されたのは、
2003年に発表されたラトマンスキー改訂版で、
3幕作品を2幕4場に短縮した以外は原台本に忠実、
とパンフにありますが、プレトークでラトマンスキーさん、
「資料が残ってなくて正確なところはわかんないから、
コマカイところは雰囲気で造りました♪」
みたいなこと、言ってた。(^O^)

1幕40分、2幕45分、休憩を入れても2時間に満たない作品で、
笑ってるうちに終わってしまいます。
タイプとしては「ドンQ」のような能天気コミック・バレエで、
私と師匠はマールイの「騎兵隊の休暇」を思い出してました。

物語は単純、と言われる割に、パンフやHPのあらすじを読むと、
話がごちゃごちゃしているように思えるのは、
個性的な登場人物が多いのと、
本筋の中にサブストーリーが2つ織り込まれているからで、
実際の舞台はスピィーディかつ単純明快です。

本筋の基本骨格は「こうもり」で、奥さんが仲間と一緒に一芝居打ち、
浮気しそうになるダンナに一杯食わせる、というもの。

タイトルの「明るい小川」はコーカサス地方の集団農場の名前で、
収穫祭前日、ここにモスクワから芸術慰問団がやってきて、
その夜、ひと悶着あってから、祭の当日を迎える、
というのが物語の展開。

主役である農業技師ピョートル(メルクリさん)と、
奥さんのジーナ(クリサノワさん)は、
慰問団出迎えチームの一員、という設定。
一方、慰問団の主役は、バレリーナ(アレクサンドロワさん)と、
そのダンナであるバレエ・ダンサー(フィーリンさん)。

ピョートルはバレリーナに一目ぼれしてしまい、
奥さんを尻目に彼女に色目を使います。
ところが奥さん、ダンナや農場の人たちは知らなかったのですが、
結婚する前はバレエ学校に通っていて、
慰問団のバレリーナは当時の仲間だったのです。

再会を喜ぶ二人。
あなたのダンナに手なんか出さないわ、とバレリーナ。
ここはひとつ、みんなでお仕置きしちゃいましょ♪

その日の夜、
ピョートルはバレリーナをデートに誘い出せたと有頂天ですが、
やって来たのはバレリーナに変装した奥さん。
複雑な思いをいだきながら、ダンナをからかうジーナでした。(^m^)

そして収穫祭当日。
同じ衣裳で踊りを披露するジーナとバレリーナ。
踊り終えたふたりが仮面を取ると、吃驚仰天のピョートル。
彼はひざまずき、奥さんに許しを乞うのでした。めでたしめでたし。
...ね? 単純でしょ。(^O^)

次にサブストーリーについてですが、
ひとつは慰問団のアコーデオン奏者(サーヴィンさん)と、
農場の女学生ガーリャ(スタシケーヴィチさん)の話。

収穫祭前夜、
アコーディオン奏者はガーリャをデートに誘いますが、
ガーリャは「お仕置きチーム」の一員。そこでチーム仲間とともに、
奏者の目を現場からそらそうと一芝居打つわけですが、
その過程が面白おかしく描かれ、最後は奏者も仲間になります。

もうひとつのサブストーリーが、
実はこの作品の最大の見所でもあります。

バレリーナに熱を上げたのはピョートルだけでなく、
もうひとり、初老の別荘住人(ロパレーヴィチさん)がいました。
しかもその若作りの奥さん(ヴィノクールさん)まで、
バレエ・ダンサーに色目を使います。
よーし、3人まとめてお仕置きじゃあ! と、いうわけです。(^O^)

ピョートルはジーナが担当するので、
別荘住人には「女装の」バレエ・ダンサー、
その奥さんには「男装の」バレリーナが、
それぞれ収穫祭前夜のデートのお相手を務めることに。

アレクサンドロワさん、さながら宝塚の男役!
実にカッコいいです。
ただし演出上は、奥さんに煽られる役。
奥さん役のヴィノクールさん、キトリのお母さんも演じてましたが、
この人がまたいい味出してました。
そういえば、「ドンQ」でもダンナやガマーシュと
元気に喧嘩してたっけ。(^o^)

そしてフィーリンさん。
そのロマンチック・チュチュ姿は、グランディーバかトロカデロ。(^O^)
芸監のお仕事が忙しいのでしょう、さすがに息が上がり気味でしたが、
「ラシル」のパロディを熱演、これには観客も大爆笑。(^O^)
...でも、日本のファンの脳裡に焼き付ける最後の姿が、
それでいいんですか、フィーリンさん...。(^o^;)
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