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2008年03月31日11:40

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【音楽】An Organ Treasure -The Munich Odeon Organ@Andreas Gotz

OEHMSの新譜から、ミュンヘン・オデオンのオルガンと題したSACDハイブリッド。

http://www.hmv.co.jp/Product/detail.asp?sku=2605325

・ブルックナー:前奏曲とフーガ ハ短調
・リスト:『泣き、悲しみ、悩み、おののき』の主題による変奏曲
・ラインベルガー:オルガン・ソナタ第9番 ニ短調 Op.142
・レーガー:コラール幻想曲 Op.52-2『目覚めよ、と呼ぶ声あり』
・ヴィンツェンツ・ゴラー:ブルックナーへのメモリアルによる祝祭前奏曲
 アンドレアス・ゲッツ(オルガン)

このオルガンの数奇な運命については上のURLを参照のこと。ライナーによれば、ある作品をどのようなオルガンでどのように演奏するかという通常のアプローチではなく、この教会のこのオルガンにはどういった作品が適するのか、どの作品がこのオルガンに関わって作られたのか、と言う点に主眼を置いて選曲されているのだそうだ。

このCDには、大変に珍しいことであるが刺激的な音を発するストップが一本も使われていない。とてもふくよかな優しい音で身も心も真綿でくるまれたような温かい雰囲気で満たされるのだ。リストの作品は瞑想的で静謐な作品で、旋律はバッハの同名主題から拝借したものであるが全体を通して極小音量で演奏される。対位法的な旋律進行は影を潜めており静かなポリフォニーが淡々と続く。レーガーのコラール幻想曲も同様にバッハのカンタータ主題になる作品で、ごく低い周波数の通奏低音が常時鳴り響く重厚な作品に仕上がっている。

この録音の最も奇異な特徴はその教会礼拝堂の残響時間だ。実測で8秒を超える異常な長時間残響であり、これは現代の大型音楽ホールの約倍にも達する。よって速いパッセージの直接音は間接音に埋もれてしまうのだ。

しかも単純なリバーブではなくフラッターに近い短周期の発振を伴っている。日本で言えば古刹の「鳴き竜」に近い音響なのだ。そのためこの教会のオルガンで演奏するにはゆったりとした和声で演奏され、かつ速いパッセージを殆ど含まない選曲がなされていると言うわけだ。

(録音評)
OEHMSレーベル、OC622、SACDハイブリッド盤、録音は2005年10月17-21日、ミュンヘン、聖ルペルト教会とある。また、Cooperation of Bayerischer RundfunkというクレジットがあるのでOEHMSとバイエルン国営放送の共同制作、更にDSDマスタリングがPolyhymnia Internationalという国際的なチームワークで制作されたCDと言える。

音質は艶のない非常に地味で暗いものだがディテールの再現性、ホールトーンの拡がりなど申し分のない仕上がりだ。大変静かな背景にオデオン・オルガンが芳醇なメロディーを奏でるし、その音色がフラッターとして聖ルペルト教会礼拝堂の天井に伝播していく様がリアルに捉えられている。録音レベル差が大きいので無音に近いピアニシモで音量を上げすぎていると突如として訪れるフォルテでとんでもないことになるので要注意。

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