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2026年01月14日09:17

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ヘンリー・サンダーソン『電気自動車は本当にエコなのか』(原書房)を読みました。

ヘンリー・サンダーソン『電気自動車は本当にエコなのか』(原書房)を読みました。
著者は、ファイナンシャル・タイムズ紙のジャーナリストです。英語の原題は Volt Rush であり、2022年の出版です。
私がタイトルから期待した内容と少し違って、電気自動車に限定せずにスマートフォンなどでも広く使われている蓄電池のためにリチウムやコバルトをはじめとする各種鉱物が環境負荷を考えずに乱掘されている実態を告発しています。
最初に取り上げられている金属はリチウムであり、私くらいの専門外のエコノミストでもリチウム電池は聞いたことがあります。次がコバルトであり、こういった金属あるいは鉱物資源について、周囲の自然環境や労働条件を考えることなく乱掘されており、環境を破壊するとともに、労働者の健康被害なども着目しています。その上で、典型的な環境破壊・健康被害をもたらしているのが中国企業である点が強調されている気がします。
たぶん、その通りなのだろうと思いますが、何分、米国でトランプ政権が成立する前の出版ですので、今後、環境問題を無視する政権下で米国企業も名を連ねる可能性がある点は忘れるべきではありません。
最後に、私が期待した内容と違っている点を書きとめておきたいと思います。すなわち、私はトヨタなんぞと同じように、現在の日本では、電気自動車(EV)が輸送部門のカーボン・ニュートラルの決め手になるとは考えていません。なぜなら、EVが走行中に二酸化炭素を排出しないのは明らかであり、製造や廃棄まで含めたライフサイクル・アセスメントでもEVの二酸化炭素排出が小さい点は確認されているのですが、そもそも、EVに充電する電力が化石燃料で発電されていれば、結局、カーボンニュートラルへの貢献が限定的になるからです。
資源エネルギー庁のパンフレット「日本のエネルギー」などを見る限り、水力発電を含む再エネ比率がドイツ、英国、スペインなどで40%を超えている一方で、日本の場合、まだその半分の20%そこそこにしか過ぎません。二酸化炭素を発生させない再エネで発電された電力をEVに充電するのでないと、カーボンニュートラルは進みません。発電段階で化石燃料を使って二酸化炭素を排出していたのでは何にもなりません。その意味で、本書の内容は私の期待通りではありませんでした。

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