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2008年05月20日10:23

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【音楽】Debussy: La Mer etc.@Jansons/RCO

コンセルトヘボウの自主制作レーベル、RCO LIVEの輸入新譜、SACDハイブリッド盤から、交響詩・海、その他である。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2694000

1. ドビュッシー: 交響詩「海」
2. デュティユー: ヴァイオリン協奏曲「夢の樹」
3. ラヴェル: ラ・ヴァルス

ドミトリー・シトコヴェツキー(Vn)
マリス・ヤンソンス(指揮)ロイヤル・コンセルトへボウ・オーケストラ

元々がゆったりとたゆたう曲想の「海」と、ちょっとダルな芸風のヤンソンスの指揮では如何なものかと思って掛けたが、これはなかなかに宜しい出来映えではなかろうか。ヤンソンスにしては緊迫したバトン捌きであって随所で掛けるテンポ・ルバートの切れ味が鋭いし、弱奏部における弦や木管の描き込みが微細である。

デュティユーは初めて聴くフランス現代音楽の作家で、この変わったVnコンを終始リードするソリストは名手と言われるドミトリー・シトコヴェツキー。この長大な無調作品を縦横無尽に弾き倒している感じで、RCOも負けてはおらず要所のアインザッツを寸分の狂いなく合わせてアタックで応じる。この作品は短めのインターリュード(間奏曲)が楽章間に配置されていてここで息継ぎできるものの、聴き手に対してはかなりの緊張を強いる危険な作品だ。各パートのクローズアップとソリストとの掛け合いはかなり楽しめる。

そしてヴァルスだが、これはまさに良い意味でのヤンソンスの真骨頂だ。船が嵐に揉まれているかの激しいアゴーギク、広大なダイナミックレンジを見せつけるデュナーミクが激しく交錯し、弾き手も聴き手もトランス状態に入る一歩手前を彷徨うと言ったぎりぎりの展開だ。そして特筆すべきはグランカッサの咆哮だ。音量的にはどう考えてもツイン構成のはずだが打点が完全に揃っているので確かめようがない。オケ全体の進行だが、断続的に襲ってくるトゥッティでも飽和・失速せず、ますます高速アチェレランドが効いて来るという異様な盛り上がりで一気にフィナーレを迎える。

(録音評)
RCO LiveレーベルのSACDハイブリッド、RCO08001。録音は1,3)が2007年2月1,2,4日、2)が2007年6月7,8日とある。場所は当然のことながらアムステルダム・コンセルトへボウ。録音エンジニアリングはPolyhymnia Internationalの担当だ。

音質は、もう言うことはない。ライブながら各パートのディテールが極めて明晰、木管や金管のビームは生コンサートと殆ど変わらない伝播挙動を示し、ステージは広大でかつ奥行きも大袈裟ではなく三次元に展開する。左右SPバッフル面を結んだ平面を窓とすれば、その窓から奥がコンセルトヘボウの客席そのものに化けてしまうという超高音質・超リアル録音だ。

極めつけはやはりヴァルスのグランカッサ始め各パートの躍動的な音粒にある。録音物をもって生演奏を再現、いやそれ以上の臨場感を得ることは現代においてもなかなか困難なことではあるが、このCDはそれを可能たらしめる数少ない出来映えの収録といえる。

CDレイヤーも美しい音ではあるが、本物の空気間・臨場感を味わうなら断然SACDレイヤーだ。

このハイブリッド盤の美点を生かすには正しい音調で正確な空間再現を示すCDプレーヤー、純度の高いプリアンプ、そしてeARの様な極めてフラットな低域再生能力を備えたパワーアンプでドライブされるピストンモーション・スピーカーが必要であると痛感する。
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