ER6iを借用してから随分と経過し、毎日通勤で聴いているうちにすっかりエージングも進み、ほぼフルレンジで実力を発揮するようになった。
そうは言ってもこの機種に最初から備わっていて解消できない機構的/音質的な特徴というのが幾つかあって、それが容認できるかどうかといったところだろう。
まず遮音特性だが、申し分のない静粛性は抜群で、ピアニッシモの多いクラシックでも細大漏らさず鮮明に鑑賞することが出来る。また音漏れも皆無と言って良く周囲への迷惑対策も万全だ。
しかし、この特性とはトレードオフになるが、周囲の音は全く聞こえない。電車の車内アナウンス、路上を歩くときのバイク/自家用車の音などが全くしないのでいざというときの危機回避には難点がある。また、機密性の高さゆえ歩行時には足が地面を蹴るときのボンボンという雑音が五月蠅くて楽音が被ってしまう。
そして、装着するときと外すときの難儀さはどうも解消出来ない。どういった方向へどれくらいの強さで押し込めば低音がちゃんと出るのかはコツが掴めたが、高い気密状態を作り出すためには時間を掛けてしっかりと押し込む必要がある。また、外すときは小さな本体をなんとか摘んで引っ張るのであるが高気密性でガッチリ吸着しているためなかなか抜けない。
そして、なんと言っても耳が疲れてしまい、30分ほどで無性に外したくなってくるのである。つまり外耳が極度に圧迫されて違和感を感じ、これが落ち着かないのである。どうもこればかりは慣れない。
音質であるが、ほぼ全帯域でフラット、中高域に少々のブリリアンスを持たせたバランスは悪くはない。但し、やはり超低域は苦しい。イヤーパッドを別のものに換えてみたりしたがどうやらそんな問題ではないようだ。
これ
http://musicarena.exblog.jp/7439526/ の2楽章から3楽章にかけてを聴くとよく分かるのであるが、2楽章の中間部に連打されるグランカッサがティンパニと混ざってしまい区別がつかないほどで、そして3楽章冒頭の序奏でピチカートで弾かれるコンバスが殆ど聴き取れないほど小さいのである。どうも意図的に超低域をカットしてあるような気がする。
ということで、急遽新しいイヤフォンを探し、これは友人に返却しようと思う。
(了)
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