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2008年08月12日10:25

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【音楽】Martinu: Vn-Con#2 Etc.@Belohlavek/Prague PO., Isabelle Faust

ハルモニア・ムンディの新譜からマルティヌーの協奏曲等の作品集。プラハ・フィルとVnのイザベル・ファウスト、Pfのセドリック・ティベルギアンの共演したアルバムで、二人のソリストをフィーチャーしている力作だ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2733833

マルティヌー:
・ヴァイオリン協奏曲第2番 H.293
・弦楽セレナード第2番 H.216
・トッカータと2つのカンツォン〜ピアノと弦楽合奏のための

 イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
 セドリック・ティベルギアン(ピアノ)
 プラハ・フィルハーモニア
 イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮)

コンサート・プログラムで希に聴いたことのあるマルティヌーだが、どんな人物なのかはよく知らなかった。調べたらWikiには結構詳しく載っていた。18世紀末から戦後までを生きたチェコ人で、最初はチェコフィルのVn奏者として音楽活動をスタートした人物。

なんとも幽玄で、霞が浮遊するような不思議な旋律を書いた作曲家だ。このVn-Conは唯一のVn協奏曲とされていた作品だが、本人の没後に#1が見つかって、この曲が#2という事になったそうだ。#1はもっと勇壮で激しい曲らしい。この作品は古典派やロマン派の一般的な協奏曲とは全く異なる様式であり、随筆風に綴ったようなかなり自由な曲想が特徴だ。和声はボヘミア風とでも言うのであろうか、ポーランドのマズルカなどに見られるような民族色が聴いて取れるアンニュイでいて明暗がはっきりしない響きだ。曲自体は初めて聴くので演奏上の上手い下手はよく分からないのだがイザベル・ファウストの叙情的な弾きっぷりは極めて心地の良いもので、やはりさすがと言わざるを得ない。

オケのみの弦楽セレナードを挟みトッカータと2つのカンツォンであるが、これまた浮遊するような自由で明るい旋律と、どこか儚げで憂愁を漂わせる和声が印象的な作品。ピアノが時々ポロンポロンと奏でる独特の分散和音が耳に残る。無調性に近いパートが随所に入っていて不可思議な風情を漂わせている。バルトークに類似する茫洋とした曲であるが、全体にゆったりとしたテンポの味わいはこの作曲家ならではのものではないだろうか。もうちょっと研究してみたい作家である。

(録音評)
Harmonia Mundiレーベル、HMC901951、通常CD。音質はシングルレイヤーCDとしてはトップクラスの出来映え。オケは割と小さな編成でありながら(弦は8-6-5-4-3)各パートのディテールを余すことなく捉えており、もっと大きな編成かと思わされるもの。漆黒の背景に静かに深く展開するサウンドステージに、しんしんと浸透していく楽器群の響きは鳥肌ものだ。

特にVn-Conでは極低音のグランカッサが驚くべき鮮明さで捉えられており、これはDSDっぽい音作りである。このグランカッサの風圧をどこまで再現できるかがこのCD再生の一つの鍵と言えよう。もう一つの鍵はVnソロであり、中庸の位置で啜り泣くファウストの楽器がきちんと定位するかどうかだ。独奏ピアノが入るトッカータと2つのカンツォンも素晴らしい音質で、これまた非常に楽しい展開である。

※今日・明日は夕刻から外出のため、今週の音楽日記はこれでおしまい。
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