ヴァンスカの田園に関連して、その前にリリースされた合唱もチャレンジャブルな録音だったと書いた。それで思い出したのであるが、発売当時から愛聴している合唱のCDについては今まで書いていなかったことに気が付いた。
といっても、発売当時のCDはとっくに廃盤であってオリジナルのカタログ番号(COCO-6580)では売られていないし、写真も見つけられないので携帯のカメラで撮ったものを載せる。
尚、内容が同じものが下記URLの通り、当時と同じスプラフォンから復刻されているようだ。但し試聴した訳ではないので音質が全く同じかどうかは保証の限りではない。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/443689/ref=1383276
Beethoven: Symphony No 9 / Neumann, Benackova, Et Al
Gunther Neumann, Artur Korn, Anne Gjevang, Gabriela Benacková
Václav Neumann / Orchestra: Czech Philharmonic Orchestra
Prague Philharmonic Chorus
1989年11月にチェコで勃発した、いわゆるビロード革命が成功裏に終わった直後の12月に録音された歴史的な「第九」なのである。チェコスロヴァキアは元々が社会主義国家であったが、この体制が無血で崩壊したのを柔らかなビロード(ベルベット)に準えた表現だ。
反体制運動の中心は市民フォーラムという政党で、この第九はそこが主催したコンサートのライブ収録だ。民主化後に初代大統領となったハベルも聴きに来ており、ジャケット写真にもノイマンと共にちゃっかり写っている。昨今ではこの模様を録画したDVDも発売されている模様。画像でも感動したい人は是非ともご購入を。
考えられないほどの興奮と歓喜の中で開催された演奏会であることは熱気に溢れ、一種異様な高ぶりを見せる演奏内容からも瞭然だ。ノイマンの自信に満ちた堂々たるタクトが高揚感とともに飛翔しているし、単にお祭り騒ぎに終始していない聴かせ方はさすがと言わざるを得ない。
チェコフィル合唱団は大編成かつ異常な大音量を見せつけるが、それに負けないソリスト陣も艶やかで派手目、そして何より高揚しているのが手に取るように分かる。
一楽章の荒いアインザッツからして高揚しているのに、もう4楽章となればその高ぶりも絶頂を迎える。しかも、それがフィナーレまで持続するのだから恐れ入る。オケの音は多少雑だが、ライブらしいと言えばライブらしい乱れ方。但しアインザッツ・リリースが大きくずれると言うことはなくこの辺は卒がない。
(録音評)
Supraphonレーベル、COCO-6580、通常CD。異様な熱気と歓喜の中、プラハのスメタナホールで行われた歴史的ライブ収録だ。
音質はDP-85で聴くと実は素晴らしのであった。熱い演奏とは裏腹に透徹された無色透明の寒色系録音であり、荒さは微塵もない。それもそのはず、レーベルはSupraphonとなっているが中味はDENON-PCMと変わらないし、事実DENON-PCMのロゴがでかでかと表示されている。録音スタッフは記載されていないが日本人が録ったものなのかも知れない。
よくよく聴き込むとマイクアレンジが絶妙で、ステージの前後距離が非常に巧く再現される。ソリストがステージ真ん前へ出張って歌う、今では珍しいスタイルで、順に弦、ホーン、パーカッション、コーラス隊と奥へ並ぶ。我が家でも歴史的なCDなのであって、鳴らし始めてからもうかれこれ20年になろうとしている。
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