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2006年10月19日11:22

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【音楽】マラ7@ブーレーズ,CO

マーラーの7番である。マーラー作品中、最も前衛的かつ難解な音楽だと個人的には思う。副題で「夜の歌」という名称が付けられているが、これは2楽章と4楽章に付けられた副題であり、全体を表すものではないと思う。

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Gustav Mahler: Symphonie No.7
Pierre Boulez / Cleveland Orchestra

1. Langsam (Adagio)
2. Nachtmusik. Allegro moderato
3. Scherzo. Schattenhaft - Trio
4. Nachtmusik. Andante amoroso
5. Rondo-Finale. Tempo 1


元々この曲は本格的なオーケストラのための交響曲というより、雰囲気としてはショスタコの室内交響曲のような無調性で拍子も曖昧な現代音楽の入り口と位置付けられるもので、奏法も割と多彩で難しく譜面も複雑だ。一説によればこの曲はマーラーがやけっぱちになって交響曲という枠組み自体を揶揄(パロディー化)したものとも言われており、それは事実なのかも知れない。

なぜ「夜の歌」なのかは良く分からないが、まぁ、「昼の歌」ではないことだけは確か。しかし難しい曲だ。生で何度も聴いたことはあるのだが、ブーレーズのこの演奏は分析的でアンチ・ロマンティックな演奏ながら淡々としすぎて、少なくとも4楽章までは眠気を堪えることが出来ない。

この曲は旋律や調性、拍子の乗りやすさなどに主眼を置いて聴いてはいけないのだと思う。つまり、音楽の感情的なインパクトは音のテクスチャーやアーキテクチャといったシェーンベルク風の聴き方によってもたらされるのだと思う。そういった点で、ブーレーズが譜面通りに解釈した他の交響曲と、この演奏とを一緒に語ることは出来ないのだと考えられる。

最後の5楽章だけはまともというか、非常に分かりやすいロンド形式である。A-B-A-C-A-B-Aという鏡面対称の構造を示すもので旋律も調性も明確である。ティンパニや銅鑼、ベルなどの打楽器隊、そして派手なブラスセクションが交錯する華々しい曲であり、一気に駆け抜ける加速感が快感を誘うのだ。

(録音評)
1994年11月、クリーブランドのマソニック・オーディトリアムでの4D録音。トーンマイスターはRainer Maillardであり、彼の典型的なアーキテクチャで音絵図が組まれている。

この録音の半年前、直前に日記に書いた6番がムジークフェラインで録られているがこれとほぼ同等の仕上がりだ。ただVPO独特の色香はなく、艶消しブラックの多少ざらついた広大なステージが拡がる。音場の奥行きは極端に深く、かつ天井の高さが感じられる収録だ。

打楽器群の描写がリアルで特筆もの。特に、5楽章のティンパニが右手奥から力強く連打され、その激しい残響が空間に深々と浸透して行く様子が描き切れれば、あなたの装置はこのCDの醍醐味を引きだしているということだ。パッと聴きには地味な印象だが非常に解像度の高い録音である。
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