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2026年04月27日07:49

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宮川努[編]『日本経済の未来と生産性』(東京大学出版会)を読みました

宮川努[編]『日本経済の未来と生産性』(東京大学出版会)を読みました。
編者は、学習院大学経済学部教授です。ご専門はマクロ経済学や日本経済論です。
本書は、日本経済研究所の特別研究「社会の未来を考える」の一環として企画された「豊かさの基盤としての生産性を考える」シリーズの研究成果を取りまとめています。3部構成となっており、第1部が技術革新の生産性向上効果は持続可能か、第2部がグローバル化に伴う生産性向上の課題、第3部が非市場経済における生産性を考える、とそれぞれ題されています。フォーマルな定量分析を行っているチャプターも多いんですが、かなり、印象論を展開しているものもあり、精粗まちまちという気もします。
第1部では特許や研究開発活動の生産性向上効果を計測しており、第2部ではグローバルな生産性格差がコンバージェンスするかどうかや生産性の国際比較を試みています。第3部では、人的資本や社会資本とともに、終章では市場を離れて豊かさを実現できる生産性向上について考えています。
第1部の特許や研究開発については、国内的にも国際的にも研究すでにかなり進んでいる分野ですので、いまさら、という気もします。第2部のグローバル化に伴う生産性向上については、いわゆるサプライチェーンの拡大版であるGVC=Global Value Chainに参加する、それも、より中心性が高い産業分野に参加できると生産性に好影響を及ぼす、というのは当たり前といえばあたりまえなのですが、同時に、経済安全保障も考えているのは、今どきの世界経済情勢によくマッチしている気もします。
第3部の最終章のゆたかさと生産性について分析しているのは、生産性向上とは、特に、労働生産性向上とは単位マンパワー当たりのアウトプットを増加させることにほかならず、例えば、労働組合のサイドからすれば「労働強化」という見方も成り立ちうるからです。また、その前の人的資本による生産性貢献については、6つの要因、すなわち、(1) イノベーション、(2) 教育・人材、(3) IT・デジタル化、(4) 環境、(5) 所得分配、(6) サプライチェーン、の中で、(2) の教育・人材のスコアが各国と比較して日本では高い、という点が強調されています。はい、大学教育もがんばっているのかもしれません。
ただ、出来れば、さらに、教育や人材といった日本の強みをさらに向上させるためにも大学進学率を引き上げる必要があるのではないか、と私は考えています。

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