国東半島と書いて「くにさきはんとう」と読む。
九州の右肩にぴょこんと円く出っぱった、いかにも「火山です」という感じの半島だ。
石仏が点在することは昔から有名で、旅をされたマイミクさんも複数おられるように、歴史や古文化に興味のある人にはシブい憧れを持たれる場所だと思う。
そこかしこに寺や神社があり、貴重な仏像や、なんといっても石仏や摩崖仏、「国東塔」と呼ばれる独特の石塔など、九州の石文化が堪能できそうな場所。
とはいえ私は予備知識がゼロに近く、皆さんの旅日記を拝見しては、ホ〜ォと思う、まぁそれだけの情報しかもっていなかったのだが。
国東半島の手前の平野に宇佐神宮という大きな神社があり、そこは伝説的な女傑神功皇后が、臨月の身で亡き夫の代わりに朝鮮半島に渡ってかの地を屈服させ、帰ってきてから福岡で産んだ応神天皇を祭った宮であり、全国展開している八幡神社の総元締め、もとい総本宮なのであるのであーる。
(この母子については、『日本書紀全現代語訳+解説』の第3巻で詳しく解説されているからぜひ読んでねっ!)
・・・まぁ、宇佐神宮と八幡様については諸説あるので、信じたい説をそれぞれが信じていればいいと思いマス。
国東半島もさることながら、せっかく日本書紀を学んだのだから宇佐神宮にお参りというか見学したいよねということで、まずは宇佐神宮の、それも隣接する歴史博物館をじっくり見学して、知識を蓄えてからこの旅をスタートさせ・・・るのが理想なのだが、博物館はすでに年末休館に入っているのだった。しかたないよね。
なので日中明るいうちは国東半島の山中に分け入ってお寺や遺跡を観て、西陽が傾くころに平地の宇佐神宮にお参りといきますか。
というわけで、国東半島初日は、半島の南西部を道路に沿って攻略していった。
国東半島観光のエース、パンフレット類には必ずその尊顔が載っている熊野摩崖仏(くまのまがいぶつ・・・紛(まが)い物じゃないよ)に、まずは会いに行った。
受付でチケットを購めようとしたら、係の女性がすまなそうに、
せっかく来てくださったんだけど、今は摩崖仏の周りに茂った植物を取り除くことをしていて、足場が組んであるからちょっとしか見えないんです。それでもいい?
とおっしゃるのだわ。
年末年始トラップ、キター!
春になったらこれまで通り観られるからまた来てねって言うんですけどね、昨日のお客さんは札幌とか仙台とかから来られてるから、また来るわけにもいかないしねぇ・・・。お客さんはどこから?
東京です。
あら〜〜〜っ。
本当にすまなそうにしているが、これは巡りあわせだよ。別段かまわない。
その代わりと言っては何ですが、と、拝観料は百円安くなっていた。
摩崖仏まで、鬼が一晩で積み上げたという自然石の石段をよじのぼっていく。
もうなんかすごい達成感だ。
熊野古道がまさにこんな感じだった。
上〜の方に二人いるの、わかります?
摩崖仏は、目下こういう状態だった。
確かにほとんど見えないわけだが、ここまであの石段を登って来られたこと自体に達成感を感じる。よし!
熊野摩崖仏からさほど遠くないところに、真木大堂(まきおおどう)というお寺がある。
受付のあたりでは、作業で出入りしているおっちゃんたちが、コーヒーを飲みながら何やら愉しそうにおしゃべりに興じていた。
受付の女性がふるまっているらしく、こ〜んなカップに入れてるから高級そうに見えるかもしれないけどね、ただのインスタントコーヒーだから!アッハッハ!という感じで、師走のほのぼの感がこちらにも伝わってくるなぁ。
旧本堂を観た後で、お喋りの邪魔をしないようにそ〜っと収蔵庫に入る。
・・・おおっ!
真っ先に目に飛び込んできた不動明王像に息をのんだ。
いや実際、声が出た。
像の後背を取り巻く火炎光背は、この像の場合「迦楼羅(カルラ)光背」というらしいのだが、不動明王の足元から激しく燃え立つ炎が背をめぐって頭を越し、顔面にまで届いているのだが、額のあたりでその炎は霊鳥カルラの横顔と化し、ただならぬ緊張感をもたらしている。
ゴーッという炎の逆巻く音と、霊鳥のキェーッ!という声が聞こえてきそうだ。
あとで各所を廻る中で、この意匠は不動明王像のひとつのパターンであることがわかったのだが、それにしてもこの真木大堂の像の迫力は強烈だった。
(迦楼羅の頭部分は、のちの時代に取りつけたものであるらしいが。)
ふぅ〜っ、すごいものを観た。
ちょっと感動したので、その不動明王像のクリアファイルと、もう一つの目玉、聖牛にまたがった大威徳明王像の絵葉書を記念に購めた。
真木大堂の裏手に廻ると、展望台にあがる石段が延びていて、貸し出し用の杖までが用意されている。
ぐぬぬ・・・また登るのか。
ちょっとお手洗いなど借りて気持ちを落ち着けていたら、登山者風の格好をした四人組がいたので、展望台に上ってみたかどうか聞いてみると、「私はちょっとキツかったですが、この三人はスイスイ行ってましたよ、眺めが良かったです」とおっしゃる。
キツいのでやめた方がいいですよと言ってほしかったのだが、しかたがない。行くか。
・・・と、これは絶景。見よ!
360度見渡せて、しかもほら、車窓から眺めて感嘆していた国東の山々にそびえる巨岩の偉容がありありと!
ここは「古代山岳信仰山頂遥拝所」と銘打たれていた。
ここから
こんなんが見えるんですよ!
や、こげんとがあったらもう、摩崖仏ば彫るしかなかでしょうね。
(つづく)
(1)ちょっくら小倉
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※参考 熊野古道の旅、熊野新宮近辺の石段
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982023683&owner_id=24016198
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