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日記一覧

2016年 読書回顧
2016年12月27日20:51

今年も例年と同じく70冊とちょっとを読み、うち半分がノンフィクションだった。 夏に、7-8年所属していた月例読書会を退会したので、「読まなければならない」本が減ってまことに気が軽くなったが、会のおかげで図らずも未知の良書と出会えた・・という経験が

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柚子ジャムは丸ごとGo!
2016年12月07日23:00

苦節およそ13年、ついに、ついに我が家の柚子の樹が実をつけたので、長年の夢、積年の恨みを、着々とやっつけている今日この頃。この週末は、念願のジャムを作った。 苺とジューンベリーのジャムは毎年のように作るけれど、ミカン系のジャム(マーマレードと

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1975年公開の黒澤明の映画『デルス・ウザーラ』は2時間を越える大作だが、「映像の抒情詩」とか、「最もクロサワらしくない黒澤映画」といった風に呼ばれているらしい。どうやら、悠久の眠りに誘われることは覚悟した方がよさそうだ、そう思いながらいざ観て

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探検もの、およびネイチュア・ライティングを愛好する身としては、ロシアの探検家ヴラディーミル・アルセーニエフとその著作にいつぶち当たるかは、時間の問題だったようだ。4年前、ちょっとしたきっかけで数日間滞在した伊良部島のゲストハウスに置かれてい

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柚子胡椒実験室
2016年11月20日12:41

先週末、1時間かけて作った自前の柚子胡椒。 柚子の表皮2個半と、青唐辛子一袋(20個程度で確か120円)、塩大匙2杯くらいを、ひたすら切って混ぜて擂り潰しただけの代物だが、そう長くもつものでもなさそうなので、日々、いろいろな使い方を試している。

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The 鍋島
2016年11月16日21:29

いつの間にか東洋陶磁器が好きになり、けれど別段何か本でも読んでお勉強いたしましょうとは思わず、ただ展覧会にはボチボチ足を運んで、うっとりとそれらの美に見入るというここ十年。織部、とか、秋草手とか、登り窯とか金継ぎとか、そういう専門用語を聞い

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デルスウ・ウザーラ
2016年11月07日20:38

黒澤明の作品はその半分も観ていないと思うが、彼のフィルモグラフィを眺めていていつも、『どですかでん』と『デルス・ウザーラ』の並びは、その奇妙なタイトルから、どんな映画なのだろうと予ねて不思議に思っていた。だいぶ後で、後者がソヴィエトに招かれ

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英雄列伝
2016年11月03日12:51

『ウォーナーの謎のリスト』で描かれる、日本の文化財を守ったとされる外国人。 極めて魅力的に紹介されたのが、ロシアの富豪の息子、セルゲイ・エリセーエフだ。彼はパリ万国博で日本館を見物したのをきっかけに東洋に興味を持ち、19歳で来日、外国人留学生

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ラングドン・ウォーナーという米国人をご存知だろうか。第二次世界大戦、いや日米戦争の折に、米国の攻撃目標から重要な文化財の場所を外すよう進言して、日本の文化を守った恩人、ということになっている、らしい。敗戦後しばらくの間英雄視されたが、やがて

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来年は、阿倍仲麻呂の入唐から数えて1300年だそうだ。講演会『青海原を越えて −日本を変えた遣唐使たち』の第二部は、「天の原ふりさけみれば春日なる 三笠の山に いでし月かも」でおなじみの阿倍仲麻呂が、唐でどのように過ごしていたか、がテーマだ。玄宗

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そこまで言うか?遣唐使
2016年10月22日18:09

ニホンジンっていうのは、なんだか奇妙な人たちなんじゃないか。それが本当だとしたら、どうしてこうなったのか。 義務教育を終えて、曲がりなりにも自分の頭で世界のことを考えるようになり始めた頃から、「日本人はなぜか日本人論が大好き」「日本人は他国

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試合は1対1のまま、後半45分が過ぎようとしていた。電光掲示板に表示されたアディショナルタイムは、6分。今日の試合の審判団は、主審と副審の3名が韓国、第4の審判はシンガポールから派遣されていた。日本は長身のDF吉田麻也を前線に上げ、彼の頭を狙って

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マイミクさんにも、私の友人の中にも、この夏『シン・ゴジラ』を観に行って、すっかりやられちまった、という人が大勢いる。私が観に行った直接の動機も、ゴジラ役に野村萬斎という驚愕のニュースに加え、信頼できる友人たちがそろって討ち死に、あるいは中毒

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かかやく日の宮
2016年09月21日20:34

女「しかし「輝く日の宮」をああいうふうになさつたあの処置は、物語についての品さだめのなかでの一番の放れ業として、きつと、後の世までの語り草となるのではないでせうか。」 男「おそらくこれは前置きでせうね。どうも何かおつしやりたいことがあるらし

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ゴジラとの共存
2016年08月20日16:44

昨年、目上の本読み仲間Tさんが「”シンゴジラ”のエキストラに参加することになった」と大騒ぎしていた折には、ああ、Tさんそういうの好きだもんね、という程度でちっとも心が動かなかった。変なタイトルだけどどうせ仮題だろうな、くらいに思った私の脳裏

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巌流島を後にして
2016年08月09日19:49

さて、いよいよおもしろくなってきた。手倉森船長率いるサッカー五輪代表は、試合当日になってようやく会場に到着したナイジェリア相手に、開始10分でお互い2点を取り合うというカオスな状況に持ち込まれ、本番直前に参加不能となった久保裕也の代役・鈴木武

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It’s All Right
2016年08月02日20:03

本番前のテストマッチでは、いい結果が出ないほうがいい。かれこれ60年、日本サッカーを見続けて来たサポーター界の重鎮T氏が、2010年の南アフリカW杯を前に口にした言葉だ。どうにもならないほどに煮詰まった当時の日本代表は、W杯直前になって戦い方をド

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明治大正期の沖縄の新聞
2016年06月21日22:56

最近わけあって、明治大正期の沖縄の詩人の作品に触れる機会があった。琉歌ではなく、旧仮名遣いの現代詩。たまたま読んだのは、そのほとんどが町で暮らす男の孤独を歌ったもので、まれにアダンの葉だとか泡盛などが登場するほかは、いかにも沖縄という異国情

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伊東マンショの肖像
2016年06月10日19:35

長崎で育った私は、日本史の先生の影響もあって、伊東マンショ、原マルチノ、中浦ジュリアン、そして千々石ミゲルという天正遣欧使節の4人の名をそらで言えるのだが(いや、時々ド忘れしますがね)、だからなのか、キリスト教にはかけらほどの親和も覚えない

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黄金のアフガニスタン
2016年06月09日20:31

藝大の展示を観たあと、歩いて数分の東京国立博物館にやって来た。敷地左手にある何やら西洋の宮殿風の建物「表慶館」は、大正天皇の成婚を記念して建てられたもので、(お嫁さんは我が偏愛する大谷光瑞の妻の妹である九条節子だ)品格充分だが、中は実に空虚

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ゴールデンウィーク恒例のミュージアム巡りの目玉企画で、『黄金のアフガニスタン −守り抜かれたシルクロードの秘宝』展を観に行こうと思っていたら、すんでのところでニュースが飛び込んできた。2年前にイタリアで発見された、天正遣欧使節の一人、伊東マ

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龍谷大学の古文書
2016年05月19日19:32

大谷探検隊というのは、明治から大正期にかけて、西域各地の仏跡を調査した京都・西本願寺のグループだ。同時代の探検家では、スウェーデンのスヴェン・ヘディン(楼蘭と “さまよえる湖” ロプノールを発見)、英国のオーレル・スタイン(敦煌を調査)などが

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The Remains of the Day
2016年04月20日20:22

カズオ・イシグロの『日の名残り』は、一人称の素晴らしい小説だ。今世紀初頭からイングランドの名家に執事として仕えた男の回想録の形を取りながら、品格とは何か、執事たる者はどうあるべきか、歴史と人の係わり、階級の果たすべき役割についてなど、大英帝

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“The Life, Adventures and Piracies of the Famous Captain Singleton”・・・タイトルそのままの本である。よって、ここで筋を詳しく述べてしまっては、この本を読む愉しみが殺がれてしまうかもしれない。ただ、この本が 18世紀初頭に書かれた古い小説だと

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――さがしもとめていたものがこんなところにあった。ここに何もかもが書かれてあった。たった一日に100億円から200億円にも達するめくらむような浪費をアメリカ人はいまこの国でやっているのだが、すべては七五年前に書かれた200円たらずのこの一冊の文庫本

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コインは語る
2016年03月10日20:15

シルクロードとは、東から西へ絹が運ばれた「絹の道」であるが、西から東へは、銀が渡ってきた道であるらしい。銀とはすなわち、硬貨のことだ。古代オリエント博物館の研究員、津村眞輝子氏の講演『シルクロードを渡ったコイン』で、大変面白い話を聞くことが

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フットサル日本代表のアジア選手権敗退の結果を受け、表参道で開かれた有志の緊急討論会の中で明るみに出たのは、日本代表は、ピッチの中と外の両方で圧倒的にマネジメントの人材を欠くという問題だった。 討論会にパネラーとして現れたのは、フットサルを中

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ご存知の方はほんのちょっとっきゃおられまいが、フットサル男子日本代表は先週、アジア選手権を無残な結果で敗退し、アジア3連覇はおろか、今秋コロンビアで開催されるW杯出場も逃してしまった。 なんで?どうして?信じられない!どうしてこんなことにな

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「 松岡が私に与えた仕事とは大体次のようなことだった。1.通州事件(1937年)、南京事件のような戦闘中に起こった暴虐行為の真偽を調べる2.戦場で起こった暴虐事件のうち作戦行動とは関係なく起こされた人倫にもとる行為と見られるものを調べる3.北満

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ロマンチックな戦場?
2016年01月22日20:37

アイヌの少年シクルシイが、その天才ゆえに歩まされた波乱万丈の半生――。『まつろはぬもの』にいきいきと描かれる、コタンでの母との暮らし、厳しいけれど温かく優しく導いてくれた女先生、差別に苦しむ一家を助けてくれた駅員や駐在さん、樺太に別宅を構え

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