DENONの夏の新譜で、国産クラシック系CDとしては空前の(?)話題作となったタルカス・フルオケ版だ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3835463
・キース・エマーソン&グレッグ・レイク(吉松隆:編曲):タルカス(オーケストラ版)
噴火
ストーンズ・オブ・イヤーズ
アイコノクラスト
ミサ聖祭
マンティコア
戦場
アクアタルカス
・黛敏郎:BUGAKU
第1部 Lento
第2部 Moderato
・ドヴォルザーク(吉松隆:編曲):
アメリカRemix−弦楽四重奏曲第12番『アメリカ』によるピアノとオーケストラのための−
第1楽章 Allegro ma non troppo
第2楽章 Lento
第3楽章 Molto vivace
第4楽章 Vivace
・吉松隆:アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番 op.70b
第1楽章 Allegro molto
第2楽章 Andante
第3楽章 Scherzo : Allegro scherzando
第4楽章 Finale : Allegro molto
東京フィルハーモニー交響楽団
藤岡幸夫(指揮)
中野翔太(ピアノ)
タルカスは、我々の世代では懐かしいスタンダードなプログレ・ロックのアルバムで、原作は言うまでもなくEL&Pだ。これを吉松隆がフルオケ用に編曲したと言うから食指が動かないはずがない。今更EL&Pの足跡等を語ろうとは思わないが、とにかく、この時代を生きていた人であれば知らない者はないと言い切れるほど超有名なユニットだった。
このアルバムだが、結論から言うとかなり残念な結果だ。編曲自体は悪くはない。が、しかし、これはキースのムーグとグレグの電気ベース、カールの下手くそドラムスを組み合わせなければ当時の雰囲気はどうにも再創成できないものと思われる。
黛敏郎のBUGAKUは結構楽しめる内容で、演奏自体も透徹されていてよろしい。しかし、ドヴォルザークのアメリカRemixというのはなんともチープで田舎臭くていけないし吉松隆のアトム・ハーツ・クラブってのも、日本の古き良き高度成長期を振り返るノスタルジーとしては面白い試みかも知れないが、やはりちぐはぐな感は拭えない。
ここまで精力を注いでタルカスをオーケストレーションするならば、もっとカバー範囲を狭め、代わりにトリロジーや恐怖の頭脳改革もフィーチャーして欲しかったのだ。吉松は優秀な音楽家/編曲家ではあるが、プロデューサーという点で言うとちょっと残念な感じなのであった・・。
(録音評)
DENON、COCQ84832、通常CD。音質はDENONらしいデッドで艶のない古典的なもの。安っぽい弦の捉え方といかにも東フィルという鈍重なオケ性能をそのまま写し取ったような感じはリアリティーと言うべきか工夫がないというべきか・・。ま、こんなものだと思って聴く分には特段の不満はないが、これといって取り立てるほどの特徴がないのも事実で、コメントに窮する音質である。
録音時期:2010年 3月14日
録音場所:東京オペラシティ コンサートホール(初台)
録音方式:デジタル(ライヴ)
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