ちょっと前にピーコックの通りに出来たカジュアルなイタリアン・レストラン。店は元々不動産屋のオフィスが入居していたところをそのまま利用していて、玄関などは凝った作りでないし、路上に出された看板に気が付かなければ食い物屋とは思われない作りだ。
家内は来月に予定している仲良し主婦連中の忘年会の場所を物色していてこちらもターゲットの一つとしていた。そこで昼のランチを利用して偵察に行くことに・・・。
昼下がりだったが店は満員で入り口側のテーブル席は満席、そして奥の厨房を囲むL時カウンターの一角だけが空いていたのでそちらへ通された。カウンターのもう片方には幼い女の子を含む親子連れ3名が陣取って楽しげにランチを召し上がっていた。この一家はいまどきで言うエコ家族(?)で、なんとマイ箸をご持参というのが印象的。
テーブル席は篠原台町辺りのマダムが占拠した状態でなんとも喧しい。そんなフロアをものともせずシェフはひたすら料理を作り続けている。なかなか合理的、かつ鮮やかな手捌きで正確に注文をこなしていくのだ。
私が頼んだのは今日のランチ=サーモンの香草焼き、家内は今日のパスタ=ベーコンとアンチョビのパスタだ。カウンター内の厨房は狭いのだが下拵えや準備が周到に考えられた人間工学的配置であっという間に注文の料理が出来上がってくる。頼まれた順序で、しかも連れがいる場合にはそれぞれが手持ちぶさたにならぬよう細心の注意を以て皿がサーブされる。まず最初に来たのは家内のパスタ・セットに付くサラダ。色鮮やかな盛り付けは素晴らしい。オリジナルと思われるドレッシングも爽やかで素材の香りを殺さないノーブルな風味だ。
私の頼んだ香草焼きは、あらかじめ下処理用の丸形バットに半完成品として準備されていたものに一皿ずつローズマリーを添えてオーブンに投入、そして香りを付けながらの加熱処理を施して盛りつけられサーブされた。下地のソースは酸味鮮やかなトマトピューレとご自慢のデミグラスのダブル使いだ。サーモンにはパン粉と粉チーズが軽く振ってあってメルトダウンしたこれらと香草の薫りを纏ったサーモンが上等なマッチングを見せる。オーブンで同時に焼かれたトマトには生のローズマリーが突き刺され、酸っぱい香りと甘みを増幅したこの添え付けは食欲をそそる。
いずれも水準を上回る出来映えで、ナチュラルかつ加工度の低いフレッシュな一皿であった。最後に飲み物と自家製シュトーレンまで付くランチの値段=780円ということを考えるならば破格の味わいと言えよう。唯一の問題点はこれら完成度の高い料理と白楽=六角橋という、余りに庶民的な街の風情がマッチしないことだろうか?
いずれにせよ、家内主催の忘年会の場所は決定し、電話で当日の料理の予約まで完了しているのはこのランチの感触が良好だった証拠だろう。
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