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2009年09月29日10:39

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【音楽】Mahler: Das klagende Lied@MTT/SFSO

一昨年リリースされたSFSメディアのSACDハイブリッドでマーラー嘆きの歌。徐々にではあるがMTT/SFSOのマーラー・チクルスは手許に揃いつつある。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2598402

・マーラー:カンタータ『嘆きの歌』初稿版
 マリーナ・シャグチ(ソプラノ)
 ミシェル・デ・ヤング(メゾ・ソプラノ)
 トーマス・モーザー(テノール)
 セルゲイ・レイフェルクス(バリトン)

 サンフランシスコ交響楽団&合唱団
 マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)

嘆きの歌は元々マーラー若年期の歌曲作品であるが、いろいろな経緯から幾つかの改訂稿が作られ、しかもそれが後世までパートごとに散逸していたりしたため、通しで演奏/録音される機会はごく最近まではなかった。この作品の出自等の詳細については他の専門的Webサイトを参照のこと。

このMTT/SFSOの録音は古くて1996年となっている。それもそのはず、この音源はRCA Red Seal(BMG)から一度リリースされているのだが、このたび同一音源をトリトナス/ノイブロンナーがDSDリミックス/リマスタしてSACDハイブリッドで再リリースした盤ということになる。

暗くて重厚、そしてどことなく凛々しいマーラーの初期作品共通の雰囲気漂う佳作なのだが演奏もまた良く出来ている。MTTの解釈と音の構築法は昔から変わっていないのだと改めて認識させられた。

第一部の弟殺しの場面にはスコアにないバンダが登場するが、これはMTTの独自解釈によるアレンジらしい。同様の場面の回想シーンが第三部に登場するが、ここはスコア上もバンダ指定だが、それとの相関性を第一部のキーポイントから印象づけるための解釈と考えて良いだろう。

オケの演奏もソリストも巧いのひとことである。極めて微視的なパッセージ進行と息を呑むダイナミックなアーティキュレーションはMTTならではの透徹された詩的で知的なバトン捌きだ。この作品の場合、他に比較すべき盤はそれ程多くはないのだが、これはハイレベルなスタンダードとして揃えておいて価値ある一枚だ。

(録音評)
SFS Media、821936-0017-2、SACDハイブリッド、録音は1996年5月29日〜31日&6月2日、サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホールでのライブ。この盤自体は2007年09月11日リリース。原盤については本文に記した通りRCA Red Sealで、こちらは未聴。

このリマスタ盤を聴いたところオリジナル・マスターはハイビットPCMであろう。カチッとした隈取り深い解像度、そして押しの強い音色はDSDマスターとは明らかに異なるプレゼンスだ。だが、デイヴィス・シンフォニーの残響についてはDSDの特質である球面波的でリアルな捉え方となっており、これはDSDリマスタの恩恵と言えるかも知れない。昨今のトリトナス録音とは雰囲気は異なるが音質は非常に優秀だ。


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