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2009年04月07日10:51

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【音楽】Mahler: Sym#2@Eschenbach/Philadelphia O.

ONDINEの輸入新譜でエッシェンバッハ/フィラデルフィアのマラ2。いつものこのシリーズと同様、SACDハイブリッドかと思ったら通常CDで、一旦は買わずに通り過ぎたもの。しかし、気を取り直して買ってみた。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3516683

マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』
 第1楽章 Andante moderato
 第2楽章 Andante moderato
 第3楽章 In ruhig fliessender Bewegung
 第4楽章 Urlicht
 第5楽章 Im Tempo des Scherzo

 シモーナ・サトゥロヴァ(S)
 イヴォンヌ・ナエフ(Ms)
 フィラデルフィア・シンガーズ・コラール
 デイヴィッド・ヘイズ(合唱指揮)
 フィラデルフィア管弦楽団
 クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)

マラ2と言えば、脱兎の如く駆け抜けるゲルの復活を思い出すのであるが、このエッシェンバッハの復活はまるで正反対の解釈だ。遅いには遅い演奏だが、それはダルに遅いのではなく用意周到、慎重すぎるくらいの歩の進め方なのだ。例によって各楽章の時間配分を見てみると大体の組み立てが見えてくる。尚、この盤は5楽章を二つのトラックに分割しているのでiTunesの実測値を足し加えたのが以下の表。以下、ゲル、ブーレーズ、ノリントン、バーンスタインと続く。

CE/P.O.: 22:35 11:12 10:34 5:49 37:14

VG/LSO: 21:50 10:07 9:23 4:39 31:44
PB/VPO: 20:55  9:17 9:27 5:36 35:21
RN/SWR: 20:40  8:55 9:41 5:04 33:57
LB/NYPO: 24:53 12:04 11:24 6:18 38:38

1楽章はゲルと同程度の速度感で、割と中庸に聞こえるがppが小さすぎて少々聞き取りづらい。2〜3楽章も遅い方だが途中でデュナーミクを挿入したりして強音部も弱音部も割と飽きない。4楽章の描き込みの丁寧さはちょっと異常で、オケも歌唱ももの凄く慎重に演奏している。しかし時間配分的には前楽章までよりちょっと歩を速めておりブーレーズと同程度。しかしゆっくりに聞こえてしまう。

この演奏の肝はやはり最終楽章にある。前半は約22分、後半は16分余りとたっぷりと時間をかけたスペクタクルを作っており、ゲルの復活フィナーレではちょっと食い足りず腹7分目に終わった感じはこれを聴くと一気に満腹になる。後半のコーラスの歌い出しは他のパートと同様に慎重で音量は極々少ない。徐々に塗り重ねられる音の絵はここへ来て微細なルバートを含むエッシェンバッハのアーティキュレーションに彩られつつコーダへと向かう。ここに関してはその他に衒ったところは特になく、ここまでの慎重な解釈から解き放たれたオケ/コーラス/オルガンが熱く大きく炸裂する。

(録音評)
ONDINEレーベル、ODE1134、通常CD。2007年5月、ヴェリゾン・ホール。録音担当は従来同様Polyhymnia International BV。なぜSACDハイブリッドでないのかは不明。少なくとも手元にあるONDINEは全てSACDハイブリッドだ。今後は通常CDでリリースするというレーベルの意向ならば誠に残念なことだがONDINEのWebサイトを見る限りSACDハイブリッドでのリリースもあったりして今のところ詳細は不明だ。

しかし、なんと驚くことに今まで聴いてきたSACDハイブリッドによるこのヴェリゾン・ライブ・シリーズのどれよりも音質が整っていて素晴らしいのだ。今までのONDINEは高域にちょっと癖があり、そして空間情報が少々歪曲していたのだが、それらの形質が一切排除され透過度の高い澄明な音場空間が拡がる。5管編成オケが広大なステージに陣取り、ブラス隊やパーカッションが発するビームは鋭く、定位は申し分ない。聴衆ノイズは殆どカットされずに収録されており臨場感も抜群。オルガンの超低域もノーカットで捉えられており、その激しい共振に恐怖心すら抱くほど。確かにこの音質ならばSACDである必要性は殆ど感じない。通常CDにしてこの出来映えはSFSO Media、CSO Resound、LSO Live、RCO Live、OEHMS、Harmonia Mundi USAの各レーベルが誇るハイブリッド盤に拮抗しているといっても言い過ぎではない。

(あとがき)
この演奏はコーダがともかく凄い。打ち鳴らされるハンマー、シンバルとともにフレッドJ.クーパー記念オルガンの24フィート・フルー管がフル・スウェルで鳴動する。理屈抜きに身震いする瞬間が訪れるのだ。この極低音衝撃波はヴェリゾン・ホールの内部を渦巻くように回りながら上昇して行く。CS7.2の12インチ・ウーファーがeAR1001がパルス幅増幅で作り出す大電力により羽毛のように軽々とドライブされ、部屋の空気をヴェリゾン・ホールの空気とシンクロさせていく。この盤はまさにここを聴くためにだけ価値があると言うと言い過ぎだが、それくらいこのコーダは凄まじい。派手で感動的な復活フィナーレが好きな人にはお勧め。

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