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2008年11月25日11:32

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【音楽】Mozart: Sinfonia Concertante@Midori,Imai,Eschenbach/NDR SO.

2000年録音のSACDシングルレイヤーで、モーツァルトのK.364(Vn+Va協奏交響曲)他から。演奏は五嶋みどり、今井信子、エッシェンバッハ/NDRである。尚、このCDはSACDプレーヤーまたはSACD再生機能付きDVDプレーヤー以外ではかからないので要注意。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/912974

モーツァルト:

・ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
・ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ニ長調 K.Anh.56 (315f)
 (フィリップ・ウィルビーによる完成版)

五嶋みどり(Vn)
今井信子(Va)
クリストフ・エッシェンバッハ(Dir, Pf)
北ドイツ放送交響楽団

Midori Goto(Vn)
Nobuko Imai(Va)
Christoph Eschenbach(Dir, Pf)
North German Radio Symphony Orchestra(NDR SO.)

何故今頃このような古い録音なのか、というと理由があって、今月に入ってこの録音のDSDマスターを元に通常CDにリマスターされたバージョンが新発売になっているのだ。http://www.hmv.co.jp/product/detail/2781215 新しくリリースされた盤はソニーのベスト・クラシック100という定番ライブラリのうちの一枚なのだが、これが「DSDマスタリング ルビジウム・クロック・カッティング」と凄いキャッチフレーズを銘打っているのだ。そして、ふと見るとそのリマスター盤が積み上げてあるそばにこのSACDシングルレイヤー盤が一枚だけポツンと寂しく置いてあったというわけだ。リマスターCDは買わず、迷わずこのSACDを買った。

うきうきと楽しい協奏交響曲だ。が、しかし表層的な楽しさやポップな雰囲気に隠れてはいるがソリスト二人は非常に巧い。また抑制的でありながら要所を鋭く突くエッシェンバッハ/NDRのバックもまた巧い。中庸なテンポを守りつつアゴーギクは少なめ、デュナーミク中心のメリハリある解釈だ。ソリスト二人の楽器はたまたま両方ともガルネリで、音色自体は地味で渋くストラディヴァリのようなキャン突いた細い音は出て来ない。二人の掛け合いは見事の一言。みどりのゆったりと歌わせるレガート中心の操弦に対して今井信子のVaはスタッカート気味のめりはりが付いたカウンターパートを跳ねるように弾く。この2挺が随所で刻むユニゾンとポリフォニーはあたかも1挺の楽器で奏でるダブルストップのような錯覚に囚われるほどぴったりと合ったシンクロナイズぶりだ。

K.Anh.56のピアノ+Vn協奏曲は他人による補遺版であり初めて聴くのだが(Anhはケッヘルの断片番号といわれるもので部分的に発見された楽譜に付けられている)、清々しく伸び伸びとした曲想で気持ちがよい。ここでのみどりは硬軟も緩急も更に自在であり比較的羽目外し的な元気の良さが特徴。それでも粘りのある抑揚が支配する長めのスケールなどでは唸るほど綺麗な持続音を出し続けるし、エッシェンバッハの弾き振りとの掛け合いパートはスピード感が見事。勿論、エッシェンバッハのピアノの巧さ・軽やかさは従前通りであって文句の付けようがない。

(録音評)
ソニー・クラシカル、SIGC1、SACD単層盤(普通のCDプレーヤーでは再生できないので要注意!)。録音は2000年9月&10月、ハンブルク、NDRの放送スタジオでのセッション録音だ。

音質を一言で言うなら地味ながら空間が広大に拡がる優秀録音だ。きめ細かなVnとVaのテクスチャはDSD録音固有の滑らか、かつ細密なディテールであって克明な捉え方だ。

だが、マイクが悪いのか調音のせいなのか、ここ数年来のソニークラシカルで共通に感じられる一種の暗さ、かび臭さは拭えない。

そうは言いつつも当時のソニーとしてはかなり頑張った出来映えの収録であり、やれば出来るじゃないか、という風な小言を言いたい録音だ。とにかく演奏は素晴らしい。
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