長女が通うM美術大学の学園祭が土曜から月曜の三日間開催されている。我が家は昨日に片道2時間をかけて行ってきた。
キャンパス内では様々なイベントが行われ、あちらこちらの模擬店からなにやら旨そうな煙が立ち上り、周囲は雑多な香りと独特の華やいだ空気に包まれていた。長女は学園祭執行部のイベント系責任者を務めており、この日も気忙しくキャンパス内を走り回っていた。
こういった学園祭での見所は華やかなイベントだろうが、やはり美大での見所は学生たちが精魂込めて制作した作品の展示である。ここは総合美術大学なのでデッサンや日本画、油絵、彫塑といった純粋美術の世界のみならず基礎的な視覚デザインや空間デザイン、更にはそれらの応用としての映像やアニメ、Webデザイン、漫画、キャラクタ創作、商工業意匠デザインに至るまで、そのテーマ性や扱う領域は多岐にわたっている。現在世の中で見つけられる構築物、構造物、印刷物、制作物などの全てのエリアを一同に会して鑑賞することが出来るのだ。
で、前置きが長くなったが、昨日見て回った範囲でダントツでクール、そして鮮烈だったのは「電線展」なのだ(M美術大学デザイン情報学科2年の有志による)。なお、ハイエンド・オーディオマニアが泣いて喜ぶアナコンダ型や貴金属型の電線は出て来ない。
日本の街並みには必ずと言っていいほどまとわりついて来る電柱、電線の嵐、これを題材としたイメージが何枚も展示してあった。見ると何でもない様な日常風景なのだがとかく我々はこれらの部位を注視して暮らしている訳ではないのである意味再発見的な新鮮味がある。
写真にはないが電線をテーマとして制作され上映されていた短めのテーマビデオが秀逸だった。実写とCGを組み合わせ、街の中を縦横無尽に走る電線の中をゼロイチのデジタル符号やイメージデータ、アナログ音声が行き交う様子を視覚化・象徴化したスピード感溢れる動画だ。NTTコミュニケーションズあたりの大手キャリアがこのままテレビCMに採用したとしても全く違和感のない出来映えだった。
(続く)
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